CO2排出量削減とは、企業活動に伴って排出される二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす取り組みのことです。省エネルギーや再生可能エネルギーの導入、設備の更新などを通じて、事業活動全体の排出量を着実に抑えていくことを指します。近年は、2050年カーボンニュートラルの実現や2026年4月施行の改正法を背景に、企業にとって避けて通れない経営課題となりました。本記事では、CO2排出量削減の意味や求められる背景、Scope1からScope3までの算定、具体的な削減方法、取り組むメリット、進め方の5ステップ、注意点までを、一次情報をもとにわかりやすく解説します。
INDEX
CO2排出量削減とは|意味と企業に求められる理由
CO2排出量削減の基本的な意味
CO2排出量削減とは、事業活動から生じる二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出量を減らす取り組みの総称です。対象となるのは工場や事務所で消費するエネルギーだけではなく、原材料の調達から製品の製造、輸送、使用、廃棄に至るまでのサプライチェーン全体に広がります。つまりCO2排出量削減は、特定の部署だけで完結するものではなく、調達・製造・物流・販売といった事業活動の全体を見直す取り組みである、という点がまず重要です。単発の節電活動にとどまらず、事業の仕組みそのものを低炭素な形へと変えていく継続的な活動と理解しておくとよいでしょう。具体的には、エネルギーの使い方を効率化したり、使うエネルギーそのものを排出の少ないものに置き換えたりすることで、排出量を着実に減らしていきます。
温室効果ガスとCO2の関係
温室効果ガスにはCO2のほか、メタンや一酸化二窒素、フロン類などが含まれますが、日本の排出量の大部分はエネルギー由来のCO2が占めています。そのため企業の削減活動では、まずエネルギー消費に伴うCO2をどう減らすかが中心的な論点になります。一般に「カーボンニュートラル」や「脱炭素」という言葉が使われる場面でも、実務上はCO2排出量削減が出発点になると考えてよいでしょう。なお温室効果ガス全体を扱う場合は、CO2以外のガスを温暖化への影響度に応じてCO2に換算し、CO2換算トンという単位でまとめて管理するのが一般的です。
なぜ企業にCO2排出量削減が求められるのか
企業がCO2排出量削減に取り組むべき理由は、大きく次の3点に整理できます。
(1)法規制への対応:2026年4月に改正法が施行され、一定規模以上の企業には排出量の把握や報告が求められるようになっています。今後は炭素にコストがかかる制度が段階的に広がる見通しです。
(2)取引先・投資家からの要請:サプライチェーン全体で排出量の開示を求める動きが広がり、削減への取り組みが取引継続や資金調達の条件になりつつあります。
(3)コストと競争力:省エネによるエネルギーコスト削減や、将来の炭素価格の負担回避につながり、中長期的な競争力の確保に直結します。
このように、CO2排出量削減はもはや社会貢献の枠を超え、事業継続そのものに関わる経営課題として位置づけられています。
削減と企業成長の両立
CO2排出量削減は、コスト負担として捉えられがちですが、実際には成長機会にもなり得ます。省エネによる固定費の圧縮、再生可能エネルギーの活用によるエネルギー価格変動への耐性向上、環境配慮型製品による新たな需要の獲得などが期待できるためです。実際、海外では温室効果ガスを削減しながら経済成長を実現してきた国もあり、環境対応と成長は対立しないという認識が広がっています。削減を「守りのコスト」ではなく「攻めの投資」と捉えることが、これからの企業経営において重要になります。
CO2排出量削減が求められる背景と最新動向
結論として、企業にCO2排出量削減が強く求められる背景には、国の削減目標と新しい制度の本格化があります。ここでは、削減の前提となる政策の枠組みを最新の動向とあわせて整理します。気候変動への対応は世界共通の課題となっており、各国が削減目標を掲げて取り組みを加速させています。日本もその流れの中で、目標の達成に向けた制度整備を進めてきました。
2050年カーボンニュートラルと2030年度目標
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを表明しています。その中間目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける方針が示されています(出典:環境省・経済産業省、2021年表明)。この国全体の目標を達成するためには、排出量の多くを占める企業部門での削減が不可欠であり、各社の取り組みが国の達成状況を左右します。目標年度の2030年度は遠い未来ではなく、設備更新の計画などを踏まえれば、今から着手して間に合うかどうかという段階に来ています。
GX推進法とGX-ETS(排出量取引制度)
削減を後押しする制度面の柱が、カーボンプライシング(炭素への価格付け)です。その中核となる「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(以下GX推進法)は、2025年の改正を経て2026年4月1日に施行されました(出典:経済産業省)。これにより、日本版排出量取引制度であるGX-ETSが本格稼働のフェーズに入ります。GX-ETSは、企業ごとに排出枠を設定し、過不足分を市場で売買できるようにすることで、市場メカニズムを通じて削減を促す仕組みです。
GX-ETSの主なポイントは次のとおりです(2026年時点)。
- 対象は、直近の年度平均でCO2直接排出量が年間10万トン以上の事業者を中心とする
- 制度の対象となるのはScope1(直接排出)であり、電気使用などに伴う間接排出は対象外
- 排出枠の取引市場は2027年秋ごろの本格稼働が見込まれている
- 将来的には、化石燃料の輸入事業者などを対象とする賦課金の導入も予定されている
直接の対象とならない中小企業であっても、取引先を通じて削減の要請が及ぶ点に注意が必要です。制度の対象範囲は段階的に広がっていくと見込まれるため、早めの備えが将来の負担軽減につながります。
世界の動向(EUなどの先行事例)
CO2排出量削減は、世界共通の潮流です。欧州連合(EU)は、2030年に向けた包括的な政策パッケージを策定し、排出量取引制度の強化や再生可能エネルギーの導入拡大などを進めてきました。さらにEUは、輸入品にも実質的な炭素価格を課す国境調整の仕組みを整備しており、対象品目を輸出する日本企業にも影響が及びます。こうした国際的な規制強化は、グローバルに事業を展開する企業にとって、サプライチェーン全体での削減と正確な排出量把握の必要性を一段と高めています。
投資家・取引先からの開示要請
制度に加えて、市場からの要請も強まっています。気候関連の情報開示を求める国際的な枠組みが浸透し、大企業を中心にサプライチェーン全体の排出量を開示する動きが一般化しました。その結果、開示企業は自社の取引先にも排出量データの提供や削減を求めるようになり、規模を問わず多くの企業が対応を迫られています。CO2排出量削減は、こうした外部環境の変化に応えるための実務的な備えでもあるのです。開示に耐えうるデータを整えておくことは、取引機会を逃さないための条件になりつつあります。
CO2排出量削減の前提となる排出量の算定(Scope1・2・3)
CO2排出量削減を成功させる第一歩は、自社がどこからどれだけ排出しているかを正確に把握すること、すなわち排出量の算定です。削減すべき対象が見えていなければ、効果的な施策も立てられないためです。国際的な基準であるGHGプロトコル(温室効果ガスの算定・報告に関する国際基準)では、排出量を発生源に応じてScope1・Scope2・Scope3の3つに分類します。
Scope1・Scope2・Scope3とは
Scope1(直接排出):自社の工場や車両での燃料の燃焼など、事業者みずからが直接排出するCO2です。
Scope2(エネルギー起源の間接排出):他社から購入した電気・熱・蒸気の使用に伴って発生する間接的な排出です。
Scope3(その他の間接排出):原材料の調達、製品の輸送、消費者による使用や廃棄など、Scope1・2以外でサプライチェーン上に生じる排出です。
出典:環境省『サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定について』(2026年6月閲覧)をもとに作成
Scope3の15カテゴリーと算定のポイント
Scope3は、購入した製品・サービス、輸送・配送、出張、雇用者の通勤、販売した製品の使用や廃棄など、15のカテゴリーに細かく区分されています。すべてのカテゴリーを一度に高い精度で算定するのは現実的ではないため、まずは自社にとって排出量の大きいカテゴリーを特定し、優先的に把握していく進め方が推奨されます。算定にあたっては、活動量(数量や金額)に、品目ごとに定められた排出係数を掛け合わせて求めるのが基本です。データの収集源や前提条件をそろえておくと、年度間の比較がしやすくなります。
サプライチェーン排出量(Scope3)の重要性
多くの企業では、排出量全体に占めるScope3の割合が非常に大きくなる傾向があります。自社の工場や電力使用だけでなく、調達先や製品の使用段階まで含めて把握しなければ、実態に即した削減はできません。たとえば製品をつくるメーカーであれば、原材料の調達や製品使用時の排出が全体の大半を占めることも珍しくありません。そのため、Scope1・2の削減だけで満足せず、Scope3まで視野に入れることが削減の実効性を高める鍵となります。
算定・可視化の進め方
算定は、活動量(電力使用量や燃料消費量など)に排出係数を掛け合わせて求めるのが基本です。ただし、対象が多岐にわたるサプライチェーンでは、請求書や取引先データの収集に大きな工数がかかります。近年は、請求書を読み取って自動で集計するクラウドサービスを活用し、可視化を効率化する企業が増えています。可視化によって排出量の多い領域(ホットスポット)が明確になれば、優先して取り組むべき削減施策が見えてきます。算定は一度行えば終わりではなく、毎年継続して更新し、削減の進捗を測る物差しとして活用することが大切です。なお、算定の精度を高めるには、推計に頼る部分を減らし、取引先から提供を受ける実測値(一次データ)の割合を増やしていくことがポイントになります。
CO2排出量削減の主な方法・施策
排出量を把握したら、次は具体的な削減施策の実行です。施策は大きく、(1)使うエネルギーを減らす、(2)使うエネルギーを脱炭素化する、(3)排出を別の手段で埋め合わせる、という3つの方向に整理できます。費用対効果の高いものから段階的に進めるのが定石です。
省エネルギーの徹底
もっとも取り組みやすく効果が確実なのが省エネルギーです。高効率な照明や空調への更新、生産設備の運転の最適化、断熱の強化、エネルギー管理システムによる使用状況の見える化などにより、エネルギー消費そのものを減らします。投資回収の見込みが立てやすく、エネルギーコストの削減にも直結するため、削減活動の出発点として適しています。日々の運用改善でも一定の効果が得られるため、設備投資の前にまず現場の運用を見直すことが効果的です。たとえば、使用していない時間帯の設備を停止する、適切な温度設定を徹底するといった基本的な取り組みでも、積み重ねれば無視できない削減につながります。
再生可能エネルギーの導入・調達
電力使用に伴うScope2の削減には、再生可能エネルギー(再エネ)の活用が有効です。方法としては、(1)自社の屋根などに太陽光発電を設置する自家消費、(2)再エネ由来の電力メニューへの切り替え、(3)再エネの環境価値を購入する証書の活用などがあります。自社の立地や使用量に応じて、これらを組み合わせて選ぶとよいでしょう。自家消費型の太陽光は、電気料金の削減と排出削減を同時に実現できる手段として、近年導入が進んでいます。初期費用を抑えられる契約形態も広がっており、自社で設備を保有せずに再エネを導入する選択肢も増えています。
燃料転換・設備の電化・更新
工場の熱利用など、燃料の燃焼に伴うScope1の削減には、燃料転換や電化が効果的です。化石燃料からより排出の少ない燃料へ切り替えたり、燃焼設備を電気式のヒートポンプなどに置き換えたりすることで、直接排出を抑えられます。設備更新には一定の投資が必要なため、老朽化した設備の更新のタイミングに合わせて計画的に進めることが現実的です。更新時に省エネ性能の高い機器を選ぶことで、削減効果を最大化できます。
物流・調達・サプライチェーンでの削減
Scope3の削減には、物流と調達の見直しが効果的です。輸送ルートの最適化や積載効率の向上、モーダルシフト(トラックから鉄道・船舶への転換)によって、輸送に伴う排出を抑えられます。調達面では、排出量の少ない原材料への切り替えや、サプライヤーと連携した削減の働きかけが有効です。取引先に排出量データの提供を求め、ともに削減目標を設定していくことで、サプライチェーン全体での削減が進みます。
従業員・オフィスでの取り組み
大規模な設備投資だけでなく、オフィスや従業員レベルの取り組みも積み重ねれば削減につながります。消灯やOA機器の省エネ設定の徹底、ペーパーレス化、出張の見直しやオンライン会議の活用、通勤手段の工夫などが挙げられます。一つひとつの効果は小さくても、全社で取り組むことで一定の削減量となり、何より従業員の環境意識を高める効果があります。トップダウンの施策とボトムアップの活動を両輪で進めることが、削減を社内に定着させるうえで有効です。
カーボンオフセットの活用
省エネや再エネで削減しきれない排出量については、カーボンオフセットで埋め合わせる方法があります。これは、他の場所での削減・吸収の取り組みによって生み出されたクレジットを購入し、自社の排出量と相殺する仕組みです。国内ではJ-クレジット制度などが活用されています。あくまで自助努力で減らした上での補完的な手段として位置づけ、まずは実際の排出を減らすことを優先するのが適切です。
CO2排出量削減に取り組む4つのメリット
CO2排出量削減は規制対応のためだけの活動ではありません。前向きに取り組むことで、企業にとって次の4つの具体的なメリットが期待できます。これらは短期的な効果と中長期的な効果に分かれ、いずれも経営の安定と成長を支える要素となります。
(1)エネルギーコストの削減
省エネや再エネの活用は、エネルギー使用量や購入電力量を減らし、光熱費の削減に直結します。エネルギー価格が変動する局面では、消費量を抑えておくことが経営の安定にもつながります。
(2)企業価値・ブランドの向上
削減への積極的な取り組みは、環境意識の高い顧客や投資家からの評価を高めます。情報開示を通じて取り組みを示すことで、企業ブランドや市場での信頼性の向上が期待できます。
(3)取引機会の維持・拡大
大企業がサプライチェーン全体での削減を求める中、排出量を把握し削減を進める企業は、取引先として選ばれやすくなります。逆に対応が遅れると、取引の見直し対象となるリスクもあります。
(4)将来の規制・炭素コストへの備え
排出量取引制度や炭素賦課金の本格化を見据えると、早期に削減を進めておくことが将来のコスト負担の軽減につながります。先行して体制を整えることが、リスクへの備えになります。
CO2排出量削減を進める5つのステップ
効果的にCO2排出量削減を進めるには、場当たり的に施策を行うのではなく、決まった手順に沿って取り組むことが重要です。ここでは、実務で用いられる基本的な5つのステップを紹介します。重要なのは、この一連の流れを一度きりで終わらせず、毎年繰り返して改善を重ねていくことです。計画・実行・確認・改善のサイクルを回すことで、削減の精度と効果が高まっていきます。
ステップ1:現状把握(算定・可視化)
Scope1・2・3にもとづいて自社の排出量を算定し、どの活動からどれだけ排出しているかを可視化します。削減の出発点となる、もっとも重要な工程です。排出量の多い領域を特定することで、限られた経営資源を効果の高い施策に集中させられます。
ステップ2:削減目標の設定
国の2030年度目標などを参考に、自社の削減目標と基準年を定めます。中長期の目標と、達成年度を区切った具体的な数値目標を設定すると進捗を管理しやすくなります。科学的根拠にもとづく目標を設定する国際的な枠組みを活用する企業も増えています。
ステップ3:削減施策の立案
可視化で見えた排出量の多い領域から、省エネ・再エネ・燃料転換などの施策を優先順位づけします。費用対効果と実現可能性を踏まえ、いつ・何を・どれだけ削減するかを示す削減ロードマップを描きます。
ステップ4:実行とモニタリング
施策を実行し、定期的に排出量の推移を測定して、計画との差を確認します。効果が想定を下回る場合は施策を見直し、改善を繰り返すことで、着実に削減を積み上げていきます。
ステップ5:情報開示・報告
算定結果と削減の進捗を、社内外のステークホルダーに向けて開示します。透明性のある報告は、取引先や投資家からの信頼につながります。必要に応じて第三者検証を受けることで、開示情報の信頼性をさらに高められます。
CO2排出量削減を進める際の課題と注意点
CO2排出量削減には、いくつかの実務的な課題があります。あらかじめ注意点を理解しておくことで、取り組みの停滞や手戻りを防げます。
Scope3のデータ収集の難しさ
Scope3は対象範囲が広く、取引先からのデータ収集に大きな負担がかかります。すべてを一度に正確に把握しようとすると行き詰まりやすいため、まずは排出量の大きいカテゴリーから優先的に着手し、精度を段階的に高めていく進め方が現実的です。クラウドサービスやテンプレートを活用すると、収集と集計の工数を抑えられます。
グリーンウォッシュの回避
実態を伴わない、あるいは誇張した環境訴求は「グリーンウォッシュ」と呼ばれ、信頼を損なうリスクがあります。削減の実績や算定の根拠を、出典や時点とともに正確に示すことが欠かせません。第三者による検証を受けることで、開示情報の信頼性をさらに高められます。
推進体制づくりと社内浸透
CO2排出量削減は、サステナビリティ部門だけでは完結しません。調達・製造・経営企画など複数の部門が関わるため、経営層を巻き込んだ全社的な推進体制を整えることが成功の条件です。あわせて、担当者の知識を底上げする教育や、外部の専門家による支援を活用すると、取り組みを加速できます。
初期投資と費用対効果の見極め
設備更新や再エネ導入には初期投資が伴います。投資回収の期間や削減効果を事前に試算し、効果の高い施策から段階的に進めることが重要です。補助金や支援制度を活用すれば、投資負担を軽減できる場合があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. CO2排出量削減と脱炭素・カーボンニュートラルの違いは何ですか
CO2排出量削減は、排出されるCO2を減らす取り組み全般を指します。脱炭素は排出をできる限りなくす考え方、カーボンニュートラルは排出量と吸収量を差し引きゼロにする状態を指します。削減はこれらを実現するための具体的な活動と位置づけられます。
Q2. 中小企業もCO2排出量削減に取り組む必要がありますか
はい、必要性は高まっています。排出量取引制度の直接の対象は大規模事業者ですが、取引先である大企業から排出量の開示や削減を求められるケースが増えているためです。サプライチェーンの一員として、早めに算定から着手することをおすすめします。
Q3. 何から始めればよいですか
まずは自社の排出量の算定・可視化から始めるのが基本です。排出源が明確になって初めて、効果的な削減施策を優先順位づけできます。算定にはクラウドサービスや専門家の支援を活用すると、工数を抑えながら正確に進められます。
Q4. CO2排出量削減はコスト増になりませんか
一時的な投資は必要ですが、省エネによるエネルギーコストの削減や、将来の炭素コストの負担回避といった効果も見込めます。中長期で見れば、競争力の維持・向上につながる投資と捉えることができます。
Q5. 削減目標はどのように設定すればよいですか
国の2030年度目標を参考にしつつ、自社の排出実態に即して基準年と削減率を定めるのが基本です。中長期目標と短期の数値目標を組み合わせ、進捗を測定できる形にすることが重要です。科学的根拠にもとづく目標設定の枠組みを活用する方法もあります。
Q6. 削減した排出量はどのように開示すればよいですか
算定したScope1・2・3の排出量と削減の進捗を、サステナビリティ報告書や自社サイト、各種の情報開示の枠組みを通じて公表するのが一般的です。数値には基準年や算定の前提、時点を明記し、根拠を示すことが信頼性につながります。必要に応じて第三者検証を受けると、開示情報の客観性が高まります。
まとめ:算定にもとづく継続的なCO2排出量削減が重要です
CO2排出量削減は、2050年カーボンニュートラルの実現と2026年に本格化した制度を背景に、企業にとって不可欠な経営課題となりました。成功の鍵は、Scope1からScope3までの排出量を正確に算定・可視化し、排出量の多い領域から省エネ・再エネ・燃料転換などの施策を計画的に進めることにあります。さらに、目標設定から実行、情報開示までを一巡させ、継続的に改善していく姿勢が欠かせません。削減は規制対応にとどまらず、コスト削減や企業価値の向上といった成長機会にもつながります。本記事で紹介した5つのステップを踏まえ、まずは自社の排出量の見える化という第一歩から、着実に削減を進めていきましょう。
CO2排出量削減はアスエネにご相談ください
アスエネは、CO2排出量の算定・可視化から削減計画の策定、情報開示までをワンストップで支援するクラウドサービスです。Scope1からScope3まで対応し、脱炭素経営の第一歩をサポートします。
出典一覧(参考文献)
・環境省『サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定について』 https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate.html (2026年6月閲覧)
・環境省・経済産業省『2030年度温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減)』(2021年表明)
・経済産業省 資源エネルギー庁『エネルギー基本計画』(2050年カーボンニュートラル・2030年度目標関連)
・経済産業省『脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)』(2026年4月1日 改正法施行)
・経済産業省『GX-ETS(排出量取引制度)の制度概要・今後の方向性』(2025年12月時点の小委員会とりまとめ等)
