1963年の創業以来、地質・地盤の調査解析から橋梁・道路の設計まで、日本の社会基盤を足元から支えてきた大日本ダイヤコンサルタント株式会社。同社のエネルギー施設統括部は、原子力発電所や石油備蓄基地といった大規模エネルギー施設の調査解析で高い専門性を培ってきました。そのエネルギー施設統括部がいま、新たな柱として据えるのが、洋上風力やCCS(二酸化炭素の回収・貯留)を担う「GX調査室」です。長年培った技術を武器に、なぜ後発でこの領域へ挑むのか。その挑戦を牽引するために同社が求める人物像とは。エネルギー施設統括部を統括する岸本氏に、事業の全体像から現場のカルチャーまで、率直に語っていただきました。
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エネルギー施設統括部とGX調査室 ―― 何を担う組織か
――まず、今回募集されているGX調査室について、組織の位置づけから教えてください。
岸本氏:今回募集をお願いしているのは、GX調査室というセクションです。この室が所属しているのが、エネルギー施設統括部です。同部は、大規模なエネルギー施設に関連する調査・解析を行う部門で、その中に地質解析事業部と地圏環境事業部という二つの事業部があります。GX調査室は、このうち地質解析事業部の中に位置づけられております。
GXはグリーントランスフォーメーションの略で、当室は主に洋上風力発電の基礎に関する調査、およびCCSに関する調査・解析を対象としております。こうした領域で、新たに共に働く仲間を募集したいと考えております。
――CCSについて、少し補足していただけますか。
岸本氏:CCSはカーボン・キャプチャー・アンド・ストレージの略で、大気中の二酸化炭素を集め、地中に埋設するというのが基本的な考え方です。現在、日本では「先進的CCS」として8箇所ほどが選定されておりますが、実際にプロジェクトが進行しているのは、関東で行う首都圏CCSに限られているのが現状です。今後、こうした取り組みがより多くの地域で進めば、それらを対象に業務を拡大していきたいと考えております。
――エネルギー施設統括部は、御社全体の中でどのような位置づけの部門になるのでしょうか。
岸本氏:当社は、基本的に四つの統括部で構成されております。一つは、橋梁の設計などを行う構造系の統括部。もう一つが、道路の設計やまちづくりを進める社会創造の統括部です。さらに国土保全統括部があり、こちらはトンネルやダム、斜面・のり面の補強といった、地面に接した構造物を設計・調査する部門です。
そして四つ目が、私どものエネルギー施設統括部です。原子力発電所や、岩盤の中に石油を備蓄するタイプの石油備蓄基地、放射性廃棄物の貯蔵施設といった、大規模なエネルギー施設を手がけてまいりました。そこに近年、新たに加えたのが洋上風力です。
なぜ後発で洋上風力に挑むのか
――洋上風力は、まだ日本では新しい領域だと思います。そこに参入された背景には、どのような戦略や狙いがあったのでしょうか。
岸本氏:率直に申し上げますと、大上段に構えた戦略というよりは、勝算を見込んだ現実的な判断です。洋上風力の調査には、すでに先行して参入している3社があり、当社は後発での参入となります。
それでも参入を決めた理由は、洋上風力の開発候補地点が現在24地点ほどある一方で、そのうち調査が決まっているのは、まだ10地点程度にとどまるためです。市場にはなお十分な余地が残されており、後発であっても参入の余地は大きいと判断いたしました。
加えて、調査・解析に用いる手法そのものは、特別なものが必要なわけではなく、当社の技術で十分に対応できます。むしろ、原子力発電所の調査で培った知識や経験を活かすことで、より質の高い成果を提供できる。後発であっても速やかに追いつくことができ、優位性を示すことも可能だと考えております。
――実際に携わってみて、いかがでしたか。
岸本氏:まず実感したのは、非常に規模の大きいプロジェクトである、という点です。海上で作業を行うために船を借りるのですが、そのリース費用が非常に高額です。プロジェクトの金額規模は大きいものの、その多くを外注費が占めます。船舶や大型機材を適切にハンドリングできなければ赤字に転じる場合もあり、反対に、適切に運営すれば相応の利益を確保できる、という性質があります。
そのため、純粋な調査技術以上に、プロジェクトをいかに進捗させるかというマネジメントのノウハウによって、成果が大きく左右されることが分かってまいりました。技術面では問題ございませんが、この大規模プロジェクトの管理能力については、まだ経験が不足していると強く感じております。だからこそ、先行3社が時間をかけて積み上げてきたものに短期間で追いつくべく、新たな人材を募集したいと考えております。

GXにかける想い ―― CO2を「出さない」と「減らす」の両輪
――「GX」という名前を冠した部門を立ち上げられていますが、環境やGXの領域には、どのような期待を持たれているのでしょうか。
岸本氏:これまでも再生可能エネルギーには取り組んでまいりましたが、規模の小さいビジネスが中心でした。たとえば、人が住まなくなった限界集落に木材が豊富にあるならば、木質バイオマスに取り組む、といった具合です。ただ、これでは限界集落の方々にエネルギーを供給できても、社会全体に供給できるほどの規模には至りません。
その点、洋上風力は社会に対する影響と効果が大きく、かつ環境に資する取り組みとして発信しやすいという特長があります。プロジェクトとして損失を招きにくく、一定の利益も見込め、社会へ発信する材料としても非常に優れていると捉えております。
――従来の「再エネ」から一歩踏み込んで、GXとして打ち出していく。そこには、どんな意味があるのでしょうか。
岸本氏:二酸化炭素を排出しないエネルギーという文脈で申し上げれば、当社は原子力発電所の調査に強く特化してまいりました。原子力も近年は再び存在感を取り戻しつつありますが、社会に向けて訴求しづらい側面があることも事実です。それに代わる軸として、洋上風力を育てていきたいと考えております。
さらに、GXという観点で見ますと、洋上風力とCCSは調査するメニューが近く、いずれも規模が大きいという共通点があります。同じ看板の下で進めやすい領域なのです。洋上風力はCO2を「出さない」もの、CCSはCO2を「減らす」もの。この二つを組み合わせることで、グリーントランスフォーメーションとしての訴求力はより高まると考えております。
大規模調査を支える技術力と組織体制
――GXの領域で、御社の強みとして活きるのは、どのような部分でしょうか。
岸本氏:海洋調査は、大きく三つの工程で構成されます。海上での物理探査、ボーリングによる試料の直接採取と試験、そして、それらを統合して行う解析です。
このうち、海上での物理探査そのものは自前では行えません。しかし、その成果を解析する技術については、当社は確立したものを有しております。ボーリング技術も、従来は陸上が中心でしたが、非常に高度なものを保有しております。さらに、採取したサンプルを持ち帰り試験を行うラボも、自社で備えております。
つまり、海上で船を走らせ物理探査を行う部分のみを外部に委ねれば、以降はすべて社内で処理できる。この一貫した体制こそが、当社の強みだと考えております。
――エネルギー施設統括部は、どのような組織構成になっているのですか。
岸本氏:統括部全体では、技術者が100名から110名ほど在籍し、10前後の「室」に分かれております。1室あたり、おおむね10名前後という規模感です。
このうち二つの室が、原子力発電所に関わる調査を多く手がけております。ほかに、物理探査を担う室、各種の物性を計測する試験を担う室、放射性廃棄物貯蔵施設の調査を行う室、地下水の透水試験を行う室などがあります。また、高レベル放射性廃棄物に関する文献調査や火山の影響評価を行う分野、地表から地下へ浸透した物質の移動量や濃度を数値解析し、詳細な地質モデルを構築する室もございます。
それぞれの室が技術的に異なる特徴を有しており、それらを組み合わせることで、多様な課題に対応できる。ここが、当社の技術的な強みであると考えております。
――技術職の方が中心なのでしょうか。営業のような役割の方もいらっしゃいますか。
岸本氏:営業については、別途専門の部署が存在いたします。ただ、それだけでは十分とは言えず、技術者自身が営業的な立場でも関与したほうが望ましい場面が多くございます。技術職でありながら営業的にも動くことができ、あわせて現場のハンドリングも担える。そうした人材が加われば、なお望ましいと考えております。
――顧客としては、どのような企業が多いのでしょうか。
岸本氏:これまでは電力会社が中心でした。原子力発電に携わってきた経緯から、電力会社との関係が深いのです。一方、洋上風力においては、総合商社や海外企業が関与するケースも多くなります。これまで接点の少なかった相手であるため、その関係構築には難しさも伴います。だからこそ、営業的な素養と、現場を統率できる能力を併せ持つ人材が求められるのです。
いま直面する課題 ―― 公共から民間へ、そしてマネジメント人材
――組織として、いま感じておられる課題を伺えますか。
岸本氏:最大の課題は、マネージャーとしての職務を担える人材が限られていることです。当部は、個性的な技術を持つ技術者の集団として形成されてきた面が大きく、その一人ひとりを適切にマネジメントできる人材が少ないのが実情です。そうした人材がいれば、営業的な動きも、現場管理も担えるはずなのですが。
内部で育成する仕組み自体は整えております。年次に応じて求める経験を定めた研修もございますし、上長が見込んだ部下に経験を積ませることも行ってまいりました。ただ、率直に申し上げれば、十分に機能しきれておりません。管理を担うよりも、技術に専念したいという志向の技術者が多いのが現状です。
――背景には、これまでのビジネスの形もあるのでしょうか。
岸本氏:そのとおりです。これまでは発注者、すなわちお客様と長くお付き合いしてきた案件が多く、技術者として誠実に実績を重ねていれば、継続的に受注できてまいりました。しかし、洋上風力という新たな分野へ進出するとなると、まず関係を構築するところから始めなければなりません。この点は、現在の人員だけでは十分に補いきれないと感じております。
会社全体としても、従来は公共工事が中心でしたが、公共市場は物価上昇に応じて単価が上がる程度で、規模としてはほぼ飽和しております。今後は民間の受注を拡大し、事業を成長させていく方針であり、リスクは大きいものの市場規模も大きい洋上風力は、その象徴的なプロジェクトと位置づけております。保守的な社風ではありますが、全社的な後押しを得られる状況にあると認識しております。
――採用面での課題もあると伺いました。岸本氏:はい。社内の規程上、一定の段階から先へ進むには「技術士」の資格が必要となります。しかし、技術士を保有し、かつ洋上風力に関連する経験を積んでいる方は多くありません。そのため、採用が難しい時期もございました。ただ、そう申し上げている状況でもなくなってまいりましたので、この点は何としても打開していきたいと考えております。技術士の資格をお持ちで、その専門性を新たな領域で活かしたいという方にとっては、まさに挑戦しがいのあるフィールドが広がっております。

大切にしているカルチャー ―― 現場主義と協力会社へのリスペクト
――新しく入る方に向けて、部門やチームが大切にしている価値観を教えてください。
岸本氏:基本的に、現場を強く重んじる文化です。当社は、調査・解析・設計を行う会社であり、形として残る「製品」を生み出すわけではありません。だからこそ、最初にデータを取得する現場が、極めて重要になります。その後のプロセスにおいても、「なぜこうなるのか」を一人ひとりが考えながら業務にあたっております。
どちらかといえば、手間をかけすぎ、必ずしも利益に結びつかない面もございますが、個々のプロセスに真摯に取り組んでいる。その姿勢こそが、当社らしさだと考えております。
――「現場を大切にする」というのは、データや経験を重視するという意味合いでしょうか。それとも、現場で働く人を大切にするということでしょうか。
岸本氏:基本的には、その双方です。実際に現場で作業を担っていただくのは、協力会社の方々であることが多くございます。その協力会社の皆様に敬意を払いながら、共に働く。そうした関係性から、和やかで働きやすい環境が育まれているのだと考えております。
そのうえで、皆が気持ちよく働けるよう、現場を適切にハンドリングしていただきたい。手戻りが生じないよう、先を見据えて手を打っていく。「工程が守れない」と指摘するだけでは、業務は立ち行きません。その意味で、プロフェッショナルな方に加わっていただきたいと考えております。
求める人材像 ―― 技術者の可能性を引き出せる人
――どのような人間性の方が、御社になじみやすいとお考えですか。
岸本氏:それぞれの技術者が持つ技術の質の高さを、正しく理解し、評価できる方です。「これは今は必要ない」と切り捨てるのではなく、「これは将来必要になる可能性が高いので、取り組む価値がある」と示せるようなタイプ。言い換えれば、メンバー一人ひとりの意欲を引き出し、前向きに力を発揮してもらえるよう働きかけられる方です。
技術者の可能性に目を向け、「では、これはどのような形で事業に活かせるだろうか」と、共に考えられる。そうした関わり方をしていただける方が理想です。
――お客様との窓口としての力も、求められそうですね。
岸本氏:そのとおりです。お客様のニーズをいち早く察知し、そのうえで、当社が有する固有の技術が他社に対してどのように差別化できるかを、的確に訴求する。それを推進できる力が求められます。とりわけ提案書を作成する段階では、お客様ご自身もまだ気づいていない潜在的なニーズにまで踏み込むことが不可欠です。そこが差別化につながり、評価も左右されます。やや理想が高いかもしれませんが、そうした方に加わっていただけると、大変心強く感じます。
働く魅力と、応募を検討される方へのメッセージ
――御社で働くことの魅力を、改めて教えてください。
岸本氏:最大の魅力は、新しいプロジェクトを牽引する立場に立てることです。洋上風力は、エネルギー施設という領域の中でも、原子力や放射性廃棄物と並ぶ「第三の柱」となり得る、今後の成長が期待されるプロジェクトだと考えております。それを主体的に推進する立場に就ける可能性が高い。しかも、現在社会から求められているものの中でも、最も重要なものの一つです。会社全体としても期待を寄せている領域であり、大きな失敗さえなければ、臆することなく挑戦していただけます。積み重ねてきた取り組みが、そのまま新たな道を切り拓いていく。そうした仕事です。
実際、洋上風力の海洋ボーリング調査に必要な鋼鉄製の足場(構台)を、先行して2台ほど導入するなど、会社としてすでに先行投資も進めております。それだけ本気で取り組んでいるということです。ここで人材への投資を惜しみ、プロジェクトを頓挫させるようなことは、決してあってはならないと考えております。
――最後に、この記事をここまで読んでくださった方へ、メッセージをお願いします。
岸本氏:「共に、地球のために未来を創っていきたい」。シンプルではありますが、その一言に尽きます。当社の事業は、その一つひとつが地球のためになるものだと考えております。だからこそ、そのことを本気で考えてくださる方に、ぜひ加わっていただきたいと願っております。
企業概要
会社名:大日本ダイヤコンサルタント株式会社(Dia Nippon Engineering Consultants Co., Ltd.)
設立:2023年7月(前身の大日本コンサルタント株式会社・株式会社ダイヤコンサルタントはともに1963年設立。2023年7月に両社が合併し発足)
本社所在地:東京都千代田区神田練塀町300
事業内容:総合建設コンサルタント。社会インフラの整備、自然災害の軽減、環境問題の改善に関する調査・解析・企画・設計
従業員数:1,299人(2025年6月現在)
売上高:352.0億円(2025年6月期)
企業理念:大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く
URL:https://www.dd-con.co.jp/recruitment/
「GX・ESG特化型転職サービス ASUENE CAREER利用企業インタビュー」
