CO2排出量を算定しました。その次に、企業は何をすればよいのでしょうか。
取引先からデータを集め、削減策を選び、環境価値の活用を検討する。開示する情報の信頼性を確かめ、これらの業務を担う人材も育てる。サステナビリティへの対応は、企業のさまざまな部門に広がっています。
アスエネは、創業7周年の2026年10月2日にあわせ、国内外の脱炭素・ESG・サステナビリティ市場のプレイヤーを整理した「サステナビリティ カオスマップ2026」を作成、公開しました。
2025年版から対象を広げ、「算定・開示・評価」「エネルギー・削減技術」「環境価値・カーボン市場」「経営総合支援」「GX人材」の5領域に分けています。
今回のマップに表れたこの1年の市場の変化を、本カオスマップから見ていきます。
2026年版カオスマップから見える、3つの変化
2026年は、企業に求められるサステナビリティ対応が具体化した年です。日本では、一定規模以上のプライム市場上場企業を対象に、2027年3月期からSSBJ基準に基づく開示が段階的に始まります。EUでは、対象製品を輸入する企業に排出量の申告などを求めるCBAM(炭素国境調整措置)が、2026年1月に本格適用を開始しました。EU向けのサプライチェーンに関わる企業にとっても、製品の排出量データを把握し、取引先に提供することが重要になっています。
こうした動きを踏まえ、2026年版では2025年版から市場の整理を3つの点で見直しました。
一つ目は、データを扱うサービスの広がりです。 「算定・開示・評価」の領域に「統合プラットフォーム」を設けました。排出量を算定するだけでなく、社内やサプライチェーンから集めた情報を管理し、開示や経営判断などに活用する視点を反映しています。
二つ目は、 CO2の削減・除去と環境価値の取引を、より具体的に示したことです。 「CCUS・CO2除去」を新たに設け、CO2を回収・除去する技術を持つ企業を掲載しました。また、カーボンクレジットを生み出す企業と、環境価値を取引する場を分けて示しています。排出量を算定した後、企業がどのような方法で削減に取り組み、環境価値を活用できるのかを見渡せます。
三つ目は、 GX人材の独立です。 2025年版では「経営総合支援」に含めていましたが、今年は「採用」と「教育」からなる独立した領域にしました。制度やデータを理解するだけでなく、各部門の業務に落とし込める人材の確保・育成に目を向けています。
5つの領域で見る、サステナビリティ市場の現在地

算定・開示・評価:集めたデータを次の判断に使えるか
2026年版では、この領域に「統合プラットフォーム」を新設しました。 また、CO2排出量の見える化・算定、ESG・サプライチェーン管理を掲載しています。排出量やエネルギーの使用量、サプライチェーンに関する情報など、企業が扱うデータは多岐にわたります。また、開示や評価に対応するためには、どこからデータを取得し、どのような方法で算定したのかといった履歴も管理する必要があります。
そのため、この領域では社内外から集めた情報を継続的に管理し、開示や評価、社内での意思決定など複数の用途に活用できる仕組みの重要性がより一層高まっています。
エネルギー・削減技術:増える削減のための選択肢
エネルギーマネジメント、再エネ・PPA、蓄電池・VPP・DR、省エネ・創エネ、脱炭素モビリティ、次世代エネルギー、循環・資源化、CCUS・CO2除去。今年のカオスマップでは、排出削減に関わるプレイヤーを8区分に整理しました。エネルギーの調達・利用からCO2の回収・除去まで、企業が検討できる技術やサービスの広がりが見える構成です。
エネルギーの使い方は、電力コストや設備の稼働にも影響します。選択肢が広がった今、個別の設備やサービスを導入するだけでなく、エネルギーの使用状況と排出量などのデータを組み合わせ、実際の事業運営にどうつなげるかがポイントになります。
環境価値・カーボン市場:何を選び、どう活用するか
この領域には、環境価値を取引するマーケットプレイスと、クレジットを創出するプレイヤーを掲載しています。
環境価値を活用する企業には、その価値がどのようなプロジェクトから生まれたのか、またどのような削減活動に基づくものなのか。価格だけではない判断基準を持ち、選択した理由を説明できることが重要な要素になっています。
経営総合支援:数字の根拠は?サステナビリティ情報の信頼性を担保する
第三者検証のプレイヤーを掲載しています。企業が開示するサステナビリティ情報は、第三者による保証・検証などを通じて、外部に説明できる状態に整えることが求められるようになっています。特に、どの部署がどのデータを収集し、どのようなプロセスで算定・確認したのかまでを把握できることが、情報の信頼性を支えます。
GX人材:複数の領域を横断して動かす人材
サステナビリティに関する業務が広がるとともに、対応を担う人材にも求められる役割が変わってきました。経営企画、財務、調達、製造、エネルギー管理など、さまざまな部門が関わるため、環境分野の専門知識だけでなく、自社の事業活動に落とし込む力も必要になります。
まとめ:5領域を見渡し、次の課題を考える
サステナビリティに関わる仕事は、排出量の算定・開示から、削減施策の実行、環境価値の活用、情報の検証、人材の育成へと広がっています。それぞれを別の業務として捉えるだけでなく、集めたデータを次の判断にどう生かすかが、企業にとって重要になっています。
今回のカオスマップでは、市場を5つの領域で整理しました。掲載されたプレイヤーを見渡しながら、自社がすでに取り組んでいること、これから必要になることを考える手がかりとして活用できます。
アスエネも創業から8年目に突入し、CO2排出量の算定・開示を起点に、AIサステナビリティ統合カンパニーとしてサービスの対応範囲を広げてきました。2026年版のカオスマップが、広がる市場の構造と現在地を確かめ、次の取り組みを考える材料になれば幸いです。
※ロゴ・企業名の掲載について
本カオスマップのロゴ掲載について、仕様上問題がある場合は、早急に対応いたします。誠にお手数ではございますが、「press@asuene.com」までご連絡ください。
※本カオスマップはアスエネが独自の判断に基づき作成したものです。掲載を辞退した企業は除いています。
