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DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)とは?意味・違い・企業の取り組み事例を徹底解説【2026年版】

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DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)とは?意味・違い・企業の取り組み事例を徹底解説【2026年版】

「DE&I(ディーイーアンドアイ)」とは、Diversity(ダイバーシティ:多様性)、Equity(エクイティ:公平性)、Inclusion(インクルージョン:包摂性)の頭文字を取った言葉で、すべての人が公平な立場で個性を発揮し、創造的に協働する状態を目指す企業経営の考え方です。従来のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に「Equity(公平性)」を加えた概念で、近年世界的に標準化しつつあります。

2025年3月のSSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準正式化により、企業のサステナビリティ情報開示で「人的資本」の開示が段階的に義務化され、DE&Iは経営戦略の中核トピックとなりました。本記事では、DE&Iの意味・違い・推進メリット・企業の取り組み事例を2026年最新情報で徹底解説します。

INDEX

 DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)とは?

DE&I(ディーイーアンドアイ)とは、Diversity(ダイバーシティ:多様性)、Equity(エクイティ:公平性)、Inclusion(インクルージョン:包摂性)の3要素を統合した、企業経営における考え方です。すべての人が公平な機会のもと、自分の持ち味を発揮して創造的に協働できる組織を作ることを目指します。

1-1. Diversity(ダイバーシティ:多様性)

性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無・性的指向・価値観など、多様な属性や考え方を認め、組織に受け入れることです。

1-2. Equity(エクイティ:公平性)

一人ひとりの特徴・状況に応じた適切なリソース・機会を提供し、結果としての公平性を確保することです。全員に同じものを与える「Equality(平等)」とは異なり、必要に応じた支援を行うことで「真の公平」を実現します。

1-3. Inclusion(インクルージョン:包摂性)

多様な人材が組織の一員として尊重され、それぞれが活躍できる環境を整えることです。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念とも合致しています。

出典:一般社団法人日本経済団体連合会『2023年版経労委報告』(2023年1月)

出典:厚生労働省『IT企業における働き方改革』(2023年3月)

DE&IとD&I・DEIBの違い

DE&Iと似た概念として、D&I・DEIBがあります。それぞれの違いを整理します。

2-1. D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)との違い

D&Iは「多様性(D)」と「包摂性(I)」の2要素で構成される従来型の概念。DE&Iはこれに「公平性(E)」を加えた進化版です。D&Iだけでは、表面的に多様な人材を受け入れても、機会の不平等が残ってしまうケースがあったため、Equityを明示的に組み込んだのがDE&Iです。

2-2. DEIB(DE&Iにベロンギングを追加)との違い

DEIBは、DE&IにBelonging(ベロンギング:帰属意識)を加えた4要素の概念。社員が「ここに居場所がある」と感じられる状態まで踏み込んだ考え方で、米国企業を中心に採用が広がっています。

2-3. 国際標準の動向

2024年12月のWEF(世界経済フォーラム)「Global Gender Gap Report」、ISO 30415(人材マネジメント-多様性と包摂性)など国際標準でも、DE&IやDEIBの概念が採用されており、グローバルでの標準化が進んでいます。

出典:ISO 30415:2021『Human resource management – Diversity and inclusion』

DE&Iが企業経営で重要視される理由

DE&Iが企業経営の中核トピックとなった背景には、以下4つの社会的潮流があります。

3-1. 労働人口減少と人材獲得競争の激化

日本の生産年齢人口は2040年に5,978万人と、2020年比で約1,200万人減少する見込み(国立社会保障・人口問題研究所推計)。多様な人材(女性・シニア・外国人・障がい者)の活用は、人材確保の生命線です。

3-2. SSBJ・ISSBによる人的資本開示の義務化

2025年3月のSSBJ基準正式化により、東証プライム上場企業を中心にサステナビリティ情報開示が段階的に義務化されています。「人的資本」「多様性指標」「公平性指標」の開示要請が強まっています。

3-3. ESG投資の拡大

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が拡大する中、「S(社会)」の主要指標としてDE&Iが評価されます。MSCI・FTSEなどのESG格付けでも、DE&I関連スコアが重視されています。

3-4. グローバル取引先からのDE&I要請

欧米のグローバル企業はサプライヤーにDE&I対応を要請する事例が増加しており、対応の遅れは取引機会の喪失リスクとなります。

出典:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(令和5年推計)』

DE&Iの3要素を支える『アンコンシャス・バイアス

アンコンシャス・バイアスとは、特定の事柄や個人に対して、自身の過去の経験や社会的事情によって、個人の意思とは関係なく無意識に生じた、偏った物の見方のことです。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを目指すには、アンコンシャス・バイアスの知識を理解し、経営者や管理者側がそれらを克服することが必要となります。

出典:一般社団法人 日本経済団体連合会『「アンコンシャス・バイアスセミナー」を開催 (2022年1月13日 No.3528) | 週刊 経団連タイムス』(2022/01/13) 

企業がDE&Iを推進する5つのメリット

DE&Iの推進は、企業に以下5つのメリットをもたらします。

5-1. イノベーションの創出

多様なバックグラウンドを持つ人材の協働により、新たな視点・アイデアが生まれます。マッキンゼーの2023年調査では、ジェンダー多様性が高い企業は収益性が25%以上高い傾向が示されています。

5-2. 優秀な人材の獲得・定着

DE&Iを推進する企業は、求職者からの評価が高く、特にZ世代・ミレニアル世代は就職先選定でDE&Iへの取り組みを重視する傾向があります。

5-3. ESG評価・企業価値の向上

DE&Iの推進状況は、MSCI・FTSE・CDP等のESG格付けで評価され、投資家からの資金調達・企業価値向上につながります。

5-4. ブランドイメージの向上

DE&Iの推進は、顧客・取引先・社会からの信頼獲得につながり、ブランドイメージの向上に寄与します。

5-5. グローバル事業展開の加速

DE&Iの推進は、多様な市場・文化への対応力を高め、グローバル事業展開を加速します。

出典:McKinsey & Company『Diversity Matters Even More: The Case for Holistic Impact』(2023年)

DE&Iを推進するための7つの具体的アクション

DE&Iを企業で推進するには、以下7つのアクションが効果的です。

6-1. 差別的取り扱いの排除

国籍・性別・年齢・障がいなどによる労働賃金・雇用条件の差別を撤廃します。

6-2. 公平な採用・昇進制度の構築

性別・属性に関わらず採用・昇進の機会を平等に設けます。具体的には、女性管理職比率の数値目標設定、アンコンシャス・バイアス研修の実施などがあります。

6-3. 不合理な待遇格差の是正

正規・非正規雇用者間の不合理な待遇格差を是正します。同一労働同一賃金の徹底が基本です。

6-4. ハラスメント防止の徹底

パワハラ・セクハラ・SOGIハラ等のハラスメント防止研修と相談窓口の設置が必須です。

6-5. 柔軟な働き方の導入

リモートワーク・フレックスタイム・短時間勤務など、多様な働き方の選択肢を整備します。

6-6. アンコンシャス・バイアス研修の実施

経営層から一般社員まで、無意識の偏見を認識し克服する研修を継続的に実施します。

6-7. DE&I推進体制(CDO等)の設置

Chief Diversity Officer(CDO)の任命、DE&I推進委員会の設置など、責任を持って推進する体制を構築します。

出典:一般社団法人日本経済団体連合会『企業行動憲章 実行の手引き(第9版)』(2023年1月)

性的マイノリティ(LGBTQ+)への意識改革

近年、特に重要視されているのが「性的マイノリティ」への対応です。ここでは、性的マイノリティへの企業の意識改革についてご紹介します。

性的マイノリティとは?

性的マイノリティとは、性的なマイノリティ(少数者)、すなわち性的指向(どのような人を好きになるか、またはならないか)や性自認(自分の性をどのように捉えるか)といった、性に関する事柄において、少数派に属する人のことです。

性的指向の在り方や性自認は人それぞれであり、心と体の性別に違和がある、もともと性的感情がないなど、ひと言では表現することが難しい問題でもあります。

「L:レズビアン」「G:ゲイ」「B:バイセクシュアル」「T:トランスジェンダー」の頭文字をとり、これらに属さないタイプも含めた「LGBT」や、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった「SOGI」という言葉でよく表現されています。

出典:厚生労働省『多様な人材が活躍できる 職場環境に関する企業の事例集』p,4.p,5.(2020/03/30)

出典:厚生労働省『職場におけるダイバーシティ推進事業 報告書』p,16.(2020/09/15)

性的マイノリティが感じているストレス

性的マイノリティには、社会で生活する上で自身が性的マイノリティであると周囲に伝えることができずに、ストレスを抱えるケースが多くあります。

性的マイノリティを理由とするハラスメントや、自身の思いとは別の性別でふるまう辛さ、健康診断が受けられないなど、その原因は幅広くあります。また、プライベートな話が出来ないことから人間関係がうまく築けず、孤立してしまうこともあります。

出典:厚生労働省『多様な人材が活躍できる 職場環境に関する企業の事例集』p,7.p,8.(2020/03/30)

出典:厚生労働省『職場におけるダイバーシティ推進事業 報告書』p,18.p,19.p,20.(2020/09/15)

企業の意識改革

企業側の対応としては、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の考えのもと、性的マイノリティへの理解を深めることが重要となります。実際に、性的マイノリティ当事者からの働きかけがきっかけとなり、対応を始める企業も少なくありません。

まずは、性的マイノリティのみならず様々な人が働きやすい環境を整えることが重要であり、当事者から自身が性的マイノリティであることを打ち明けられた場合では、それを受け止め、どのような対応を求めているのか社員の声に耳を傾けることが大切です。

出典:厚生労働省『多様な人材が活躍できる 職場環境に関する企業の事例集』p,20~.p,28.

(2020/03/30)

1. LGBT理解増進法(2023年6月施行)への対応

2023年6月に施行された「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(LGBT理解増進法)により、企業の自主的なLGBTQ+対応の重要性が高まっています。

2. PRIDE指標による評価

「work with Pride」が運営するPRIDE指標は、企業のLGBTQ+対応を評価する国内最大の指標。2024年版では540社以上が参加し、ゴールド受賞は370社超に拡大しています。

出典:厚生労働省『多様な人材が活躍できる職場環境に関する企業の事例集』

DE&Iに取り組む企業事例(2026年最新版)

8-1. ソニーグループ

「One Sony」のスローガンで、グローバルでDE&Iを推進。女性管理職比率の数値目標設定、LGBTQ+対応(同性パートナーシップ制度導入)、外国人採用拡大などを実施。PRIDE指標で連続ゴールド受賞。

8-2. 資生堂

2030年までに女性リーダー比率50%(日本国内)を目標に掲げ、女性活躍推進を加速。アンコンシャス・バイアス研修を全社員必修化。日経WOMAN「女性が活躍する会社BEST100」連続上位。

8-3. アクセンチュア

世界で最もDE&I先進企業として知られる総合コンサルティング会社。2025年までに女性社員比率50%を達成。LGBTQ+・障がい者・外国人材の活用でも業界をリード。

8-4. 既存事例:本橋テープ・社会福祉法人白岡白寿会・ピアライフ・大橋運輸・NECなど

既存の中小企業・地域企業事例も保持し、企業規模を問わずDE&Iが推進されていることを示します。

出典:work with Pride『PRIDE指標2024』

出典:日経WOMAN『女性が活躍する会社BEST100 2024』

DE&IとESG・サステナビリティ経営の関係

DE&Iは、ESG経営・サステナビリティ経営の「S(社会)」の中核要素として位置付けられています。

9-1. SSBJ基準における人的資本開示

2025年3月正式化のSSBJ基準では、人的資本・多様性に関する開示が求められます。女性管理職比率・男女賃金格差・育児休業取得率などの数値開示が標準化しつつあります。

9-2. ISO 30414(人的資本開示)

ISO 30414は人的資本の開示基準で、DE&I関連指標を含みます。グローバル企業を中心に採用が拡大しています。

9-3. ASUENEのCO2排出量見える化クラウドとの連動

ESG経営の推進には、環境(E)と社会(S)の両面の取り組みが必要です。ASUENEのCO2排出量見える化クラウドでScope1・2・3排出量を可視化し、ESG情報開示の効率化と統合的なサステナビリティ経営の実現を支援します。

出典:サステナビリティ基準委員会(SSBJ)『サステナビリティ開示基準』(2025年3月)

DE&Iに関するよくある質問

10-1. DE&IとD&Iの違いは何ですか?

DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)は、従来のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に「Equity(公平性)」を加えた進化版概念です。D&Iは多様性と包摂性の2要素で構成されますが、表面的に多様な人材を受け入れても機会の不平等が残るケースに対応するため、Equityを明示的に組み込んだのがDE&Iです。

10-2. DE&Iを推進するメリットは何ですか?

①イノベーション創出、②優秀な人材の獲得・定着、③ESG評価・企業価値の向上、④ブランドイメージの向上、⑤グローバル事業展開の加速、の5点が主なメリットです。マッキンゼーの調査では、ジェンダー多様性が高い企業は収益性が25%以上高い傾向が示されています。

10-3. 中小企業でもDE&Iを推進できますか?

可能です。本記事で紹介した本橋テープ(細幅織物メーカー)、ピアライフ(不動産業)、大橋運輸(運輸業)などは、いずれも中小企業ながらDE&I先進企業として評価されています。差別的取り扱いの排除、柔軟な働き方の導入、LGBTQ+対応など、できることから始めるのが重要です。ASUENEのCO2排出量見える化クラウドで、ESG情報開示も効率化できます。

出典:厚生労働省『多様な人材が活躍できる職場環境に関する企業の事例集』

まとめ:DE&Iの理解を深め、サステナブルな企業経営を目指そう

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンについて、その意味や企業が取り組む具体的なアクションをご紹介しました。今後、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの考えは、企業経営の基本となり、積極的に取り入れることで社会的貢献につながり企業のイメージアップにもつながります。

また、幅広い人材を受け入れることは、企業の経営の可能性が広がることにもつながります。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの理解を深め、社会的にも働きがいのある企業を目指しましょう。

・DE&Iとは、Diversity(多様性)・Equity(公平性)・Inclusion(包摂性)の3要素を統合した企業経営の考え方。従来のD&Iに「Equity」を加えた進化版で、近年世界的に標準化。

・推進のメリットは①イノベーション②人材獲得③ESG評価向上④ブランド向上⑤グローバル展開の5点。マッキンゼー調査で多様性企業は収益性25%以上向上。

・2025年3月のSSBJ基準正式化により人的資本開示が義務化される中、DE&IとESG経営は不可分の関係。ASUENEのCO2排出量見える化クラウドが、ESGの「E(環境)」「S(社会)」両軸での開示を支援する。

DE&I含むESG「S(社会)」評価を、サプライチェーン全体で可視化する

DE&Iへの取り組みは、サプライチェーン全体のESG評価で問われる時代へ。ASUENE ESGはGRI・TCFD等に準拠したアンケートで、取引先のESGリスクを評価・改善支援します。 ASUENEの詳細を見るの詳細を見る

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