国内出張に伴うCO2排出量は、Scope3カテゴリ6に該当し、近年は算定に加えて削減まで求められる場面が増えています。一方で、出張は営業活動や顧客対応、拠点間連携に必要なため、単純に回数を減らすだけでは対応しにくい領域でもあります。
東海旅客鉄道株式会社(JR東海)・西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)・九州旅客鉄道株式会社(JR九州)が提供する「GreenEX」は、こうした課題に対し、エクスプレス予約の法人サービスを活用しながら、東海道・山陽・九州新幹線の利用に伴うCO2排出量を実質ゼロにする仕組みです。出張実務を大きく変えることなく、企業の脱炭素を進められる選択肢として導入が広がっています。
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利便性だけでなく環境価値も問われる時代に。東海道新幹線が支える企業移動の価値

JR東海は、東海道新幹線を中核に、在来線や周辺事業を含む幅広い事業を展開しています。なかでも東海道新幹線は、東京・名古屋・大阪を結ぶ基幹インフラとして、多くの企業活動を支えてきました。営業、顧客訪問、拠点間移動、現場確認など、国内出張は多くの企業にとって不可欠であり、その移動を支える上で新幹線は重要な役割を果たしています。
東海道新幹線の価値は、移動時間の短縮だけではありません。高い安全性、正確性、大量輸送力に加え、運行本数の多さも大きな特長です。東京〜新大阪間の「のぞみ」は1時間に最大13本運行されており、予定変更にも対応しやすく、利用者は業務に合わせて柔軟に移動できます。こうした利便性は、企業の生産性向上にもつながっています。
一方で、JR東海では、新型コロナウイルスの影響で出張需要が一時的に大きく落ち込んだことを受け、東海道新幹線の価値を改めて見直す中で、環境面にも着目しました。新幹線は、電気で走行し、一度に多くの利用者を輸送できることから、環境負荷の低い移動手段です。このような背景から、法人顧客からも「環境負荷を抑えた出張をしたい」「社内で説明しやすい環境対応の仕組みがほしい」といった声が寄せられるようになりました。
特に、外資系企業や環境対応を重視する企業では、出張においても金銭的な予算だけでなく、CO2排出量が判断材料になっており、企業活動を維持しながら、どう環境負荷を抑えるかが課題となっています。
JR東海では、これまでも新幹線がもともと備えている環境負荷の低い移動手段という優位性に着目し、エネルギー効率を重視した車両開発などを行ってきました。こうした事業基盤と技術的な蓄積を土台に、国内出張と脱炭素経営に貢献できるサービスとして生まれたのが「GreenEX」です。

出張フローを変えることなく、Scope3カテゴリ6の削減を後押しする「GreenEX」
「GreenEX」は、エクスプレス予約の法人会員向けに提供しているサービスです。当初はJR東海が開始し、その後、JR西日本、JR九州も加わりました。現在は、東海道・山陽・九州新幹線の利用に伴うCO2排出量を実質ゼロにする仕組みとして展開されています。導入企業の利用分に相当する実質再生可能エネルギー由来電力をJR各社が調達し、エクスプレス予約法人会員の移動に充当することで環境価値を付与しています。

「GreenEX」の大きな特長は、導入による新たな業務負荷が発生しにくい点です。エクスプレス予約の法人契約を利用している企業であれば、申込書を提出するだけで導入でき、新たなシステム導入や複雑な運用変更は必要ありません。予約方法や出張申請の流れを変えることなく、従来の出張フローの延長線上でScope3カテゴリ6への対応を進められます。
また、エクスプレス予約の法人サービス自体にも、企業にとっての実務上のメリットがあります。利用者による立て替え払いが不要で、駅の窓口や券売機で購入するよりお得に利用できるほか、予約変更にも柔軟に対応しやすく、出張実績を一元管理できます。
「GreenEX」は、こうした既存の運用メリットに環境価値を加えることで、総務・経理部門が重視する運用性やコスト管理と、サステナビリティ推進部門が重視するCO2削減の両立を可能にします。
導入企業が評価した「GreenEX」の実用性
「GreenEX」の導入企業は、Scope3、特にカテゴリ6への対応を課題とする企業が中心です。排出量の多くをScope1・2ではなくScope3が占める金融、コンサルティング、製薬業界などでは、出張に伴うCO2排出量も重要な論点になりやすく、「GreenEX」はそうした企業に適したサービスとして導入されています。なかでも製薬会社での活用が多く、環境意識の高い企業が早期から導入してきた点も特徴です。
導入企業からは、「仕組みがシンプルでわかりやすい」「事務負担が少なく導入しやすい」「削減効果を社内で説明しやすい」といった評価が寄せられています。
さらに、「GreenEX」では企業全体の月間利用実績に基づいてCO2排出量と料金を算出し、証書を発行しています。たとえば、東京〜新大阪間を年間で100回利用した場合、約830kgのCO2削減効果となり、追加料金は約3,500円/年と安価です。加えて、2026年4月以降に提供する「GreenEX」については、国際的な認証機関であるソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による妥当性確認を受け、第三者保証を取得しています。サービススキームや、CO2排出量が実質ゼロとなる根拠の妥当性が担保されていることで、導入企業は移動に伴うCO2排出量を算定する際にも、より安心して活用しやすくなっています。削減効果を定量的に把握しやすく、社内外への報告資料などに活用しやすい点も導入を後押ししています。

わかりやすさと実行しやすさが導入を後押し。導入企業での活用事例
「GreenEX」を導入した、全国展開の大手小売企業では、2025年10月から半年間で東海道・山陽・九州新幹線を約3,000回利用し、約25,000kgのCO2排出量削減につなげました。追加費用は半年で約9万円で、業務運用の中で無理なく継続できる施策として活用されています。
導入の決め手の一つになったのが、仕組みの分かりやすさです。Scope3の削減施策は、一般に効果や根拠を説明しにくい場合がありますが、「GreenEX」は利用した出張分のCO2排出量を実質ゼロにする仕組みであるため、社内外への説明がしやすい点が評価されました。削減施策としての活用にとどまらず、ESG開示や統合報告書への展開も見据えているといいます。
また、「GreenEX」の導入により、社員一人ひとりの移動がCO2削減につながるため、環境配慮を身近な行動として捉えやすくなり、社内の意識醸成にもつながる点が期待されています。
CO2排出量削減に加え、移動の意思決定も変える「GreenEX」の導入効果
「GreenEX」の導入によって、企業は国内出張に伴うScope3カテゴリ6の削減に取り組みやすくなりました。これまでカテゴリ6は、算定はできても削減が難しい領域と捉えられがちでした。出張を減らせば排出量は抑えられますが、営業や顧客対応まで制約することになりかねません。「GreenEX」は、必要な出張を維持しながら排出量削減を進められる選択肢を示したことで、企業の意思決定を前に進めています。
導入企業では、サステナビリティ推進部門だけでなく、総務、経理、現場部門を巻き込みながら運用しやすい点も評価されています。新たなシステムを導入せず、既存のエクスプレス予約の利用実績をそのまま活用できるため、追加の運用負荷を抑えながら社内展開を進めやすいからです。
さらに、導入後は出張時の移動手段の選び方にも変化が生まれています。「GreenEX」をきっかけに、新幹線の利用やエクスプレス予約の法人契約への集約を進める企業も増えています。これは、コストや運用面に加え、「環境面でも説明しやすい移動手段である」という新たな判断軸が加わったためです。単なるサービス導入にとどまらず、移動に関する意思決定そのものに変化をもたらしている点は、企業経営においても大きな意義があるといえるでしょう。
また、社員の環境意識の醸成にもつながっています。出張は多くの社員にとって身近な業務行動であるため、「移動してもCO2を排出しない選択ができる」という体験は、環境配慮を自分ごととして捉えるきっかけになります。行動を制限することなく、通常業務の中で自然に環境配慮を実感できることが、社内浸透を後押ししています。
特に、Scope3削減をどこから進めるべきか悩んでいる企業にとって、「GreenEX」は導入しやすい施策の一つです。大掛かりな制度変更や新規システム投資を伴わず、既存の出張実務の延長で始められるため、最初の一歩として検討しやすいサービスといえます。
国内出張の脱炭素は、無理なく始められる。「GreenEX」が示す実践的な選択肢
国内出張に伴うScope3カテゴリ6への対応は、多くの企業にとって優先度が高まる一方、実行の難しさもあるテーマです。「GreenEX」は、出張の仕組みを活かしながらCO2排出量の削減を進められるサービスです。出張フローを変えずに導入でき、削減効果も把握しやすいため、実務に落とし込みやすい点に強みがあります。
国内出張が多い企業や、Scope3の削減をどこから始めるべきか検討している企業にとって、「GreenEX」は有力な選択肢となり得ます。自社の出張実態に照らし合わせながら、導入によって何が変わるかを具体的に検討してみてはいかがでしょうか。
▼GreenEX サービスHP
https://expresscard.jp/greenex/
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JR東海 営業本部 GreenEX担当:greenex@jr-central.co.jp