「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」とは、太陽光・風力など再生可能エネルギーの普及を支えるため、電気利用者全員が電気料金とともに負担する制度です。2012年7月のFIT制度(固定価格買取制度)導入とともにスタートし、2026年5月時点で14年目を迎えています。
最も多くの方が気になるのは「再エネ賦課金はいつまで続くのか」という点でしょう。結論として、国からの正式な終了発表はないものの、FIT制度の買取期間(事業用20年・家庭用10年)に基づき、2030年頃にピークを迎え、2040年頃まで続く見通しです。2025年度は単価3.98円/kWh(過去最高)に達し、家庭・企業の電気代負担は年々増加しています。本記事では、再エネ賦課金の仕組み・最新単価・終了時期の見通し・節約方法を2026年最新情報で解説します。
INDEX
再エネ賦課金とは?仕組みと計算方法をわかりやすく解説
再エネ賦課金は、2012年7月にスタートした固定価格買取制度(FIT法)と密接な関係にある制度です。ここでは再エネ賦課金とは何のために使われるお金なのかや、計算の仕方などについてご紹介します。
再エネ賦課金とは何のためのお金?
再エネ賦課金は、固定価格買取制度(FIT法)とセットで考えます。固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が定められた料金で、定められた期間買い取ることを国が定めたものです。電力会社が電気を買い取る時に発生する費用を電気を使う国民が出し合うというのが、再エネ賦課金の基本的な考え方です。資源エネルギー庁は、再エネ賦課金の役割を、コストの高い再生可能エネルギーの導入を支え、普及を推進するものであると位置づけています。

【再エネ賦課金単価の計算式】
再エネ賦課金単価 =(FIT買取費用総額 −回避可能費用)÷ 全国の電力使用量
・FIT買取費用総額:FIT価格 × FIT電源の発電量
・回避可能費用:電力会社が市場(JEPX)で調達したと仮定した場合の費用
回避可能費用が大きくなれば、再エネ賦課金単価は下がる仕組みです。2023年度に単価が1.40円/kWhまで下がった一時的な低下は、燃料価格高騰により電力市場価格(=回避可能費用)が急上昇したことが主要因でした。
出典:資源エネルギー庁『固定価格買取制度(FIT)』
再エネ賦課金の単価推移(2012〜2026年度)
再エネ賦課金の1kWhあたりの単価は、経済産業大臣が毎年3月下旬頃に発表します。スタート時の2012年度から2026年度までの推移は以下のとおりです。
・2012年度:0.22円/kWh
・2013年度:0.35円/kWh
・2014年度:0.75円/kWh
・2015年度:1.58円/kWh
・2016年度:2.25円/kWh
・2017年度:2.64円/kWh
・2018年度:2.90円/kWh
・2019年度:2.95円/kWh
・2020年度:2.98円/kWh
・2021年度:3.36円/kWh
・2022年度:3.45円/kWh
・2023年度:1.40円/kWh(前年比-59%・燃料価格高騰の影響)
・2024年度:3.49円/kWh
・2025年度:3.98円/kWh(過去最高)
制度開始時の2012年度(0.22円/kWh)から2025年度(3.98円/kWh)にかけて、約18倍にまで増加しました。2023年度に一時的に下落しましたが、それ以降は再び上昇基調に戻っています。
出典:資源エネルギー庁『再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価』(2025年3月)
電気新聞『FIT総額、2030年に4.5兆円へ。電中研が推計』を元にアスエネが作成再生可能エネルギー発電による電力の買取量の増加に伴い、国民の負担も増えます。資源エネルギー庁によると、2012年度から2017年度において再エネ比率を10%から16%拡大させるために、約2兆円の再エネ賦課金が投じられています。
また2017年度から2019年度には、買取費用総額が2.7兆円から3.6兆円に、再エネ賦課金総額は2.1兆円から2.4兆円に増加しています。

出典:資源エネルギー庁『再生可能エネルギー政策の再構築に向けた当面の対応』(2019/5/30)(p.3)
2026年度の再エネ賦課金単価と家庭・企業への影響
2026年度の再エネ賦課金単価は経済産業大臣により発表され、2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金に適用されます。
家庭への影響
一般的な家庭(1か月の電気使用量300kWh)の場合、再エネ賦課金の月々の負担額は約1,200〜1,300円、年間で約14,000〜16,000円程度です。家族人数や使用電力量によって負担額は大きく異なります。
企業への影響
企業の負担はさらに大きく、月間電力使用量5,000kWhの中小企業では、再エネ賦課金だけで月約20,000円・年約24万円の負担となります。製造業や物流業など電力使用量の多い業種では、年間で数百万円〜数千万円規模の負担になるケースも珍しくありません。
負担額の計算方法
月々の再エネ賦課金 = 電力使用量(kWh)× 再エネ賦課金単価(円/kWh)
どの電力会社・プランで契約していても、全国一律の単価が適用される点が特徴です。
出典:経済産業省『再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します』(2026年3月)
再エネ賦課金はいつまで続く?終了時期の見通し
再エネ賦課金がいつまで続くのかについて、国からの正式な終了発表はありません。しかし、いくつかの要因から終了時期の見通しを推測することができます。
4-1. 結論:2040年頃まで継続の見込み
再エネ賦課金は、FIT制度(固定価格買取制度)と密接に結びついています。FIT制度の買取期間は事業用太陽光発電で20年、家庭用太陽光発電で10年と定められており、2012年7月に制度がスタートしたため、2032年7月以降にFITによる買取が順次終了していきます。
したがって、最後にFIT認定を受けた事業用太陽光発電の買取期間(20年)が満了するのは2040年代前半となり、再エネ賦課金もそれまで続く見込みです。家庭用については2030年代前半に主要分が満了します。
4-2. 2030年頃にピークを迎える見込み
経済産業省の試算では、再エネ賦課金の総額は2030年度頃にピークを迎えると予測されています。これは、FIT初期の高額買取案件(40円/kWh超)が2030年前後まで残り、その後順次満了するためです。
4-3. 単価が下がる可能性のある要因
・FITの高額買取案件の順次満了(2030年以降)
・電力市場価格の上昇(回避可能費用の増加)
・再生可能エネルギーのコスト低下
・FIP制度(再エネ発電事業者へのプレミアム上乗せ方式)への移行による財政負担の軽減
4-4. 単価が上がる可能性のある要因
・新規FIT認定案件の増加
・第7次エネルギー基本計画(2025年2月閣議決定)に基づく再エネ導入加速
・電力市場価格の下落(回避可能費用の減少)
出典:資源エネルギー庁『どうする?ソーラー』
再エネ賦課金が高騰する3つの理由
再エネ賦課金が制度開始から約18倍まで増加した背景には、3つの主要な理由があります。
5-1. FIT認定設備の増加と高額初期案件の継続
2012年〜2014年に認定された事業用太陽光発電は、現在も高額(40円/kWh前後)で買取が継続されています。再エネ導入が進むほど買取総額が増加し、賦課金単価も上昇する仕組みです。
5-2. 第7次エネルギー基本計画による再エネ拡大方針
2025年2月閣議決定の「第7次エネルギー基本計画」では、2040年度に再エネ比率を4〜5割まで高める方針が示されました。再エネ導入加速は脱炭素にとって重要ですが、当面の賦課金負担増の要因にもなります。
5-3. 電力市場価格の変動(回避可能費用への影響)
賦課金単価は電力市場価格と逆相関の関係にあります。市場価格が下落すると回避可能費用が減り、賦課金単価は上昇します。2024〜2025年度の単価上昇は、燃料価格の落ち着きによる市場価格の下落も一因です。
出典:経済産業省『第7次エネルギー基本計画』(2025年2月閣議決定)
FIT制度・FIP制度との関係
再エネ賦課金は、FIT制度(固定価格買取制度)とFIP制度(フィードインプレミアム制度)という2つの再エネ支援制度を支える財源です。
FIT制度(2012年7月〜)
再エネで発電した電気を電力会社が固定価格で買い取る制度です。買取期間は事業用20年・家庭用10年で、再エネ事業者の収益が長期的に保証されるため、初期投資のハードルが下がります。日本の再エネ普及の中核を担ってきました。
FIP制度(2022年4月〜)
FIT制度の発展形として2022年4月に導入された新制度です。再エネ事業者が電力市場で売電し、市場価格に加えてプレミアム(補助額)を上乗せして受け取る仕組みです。市場との統合が進むため、再エネの自立化に向けた重要なステップとなっています。2026年5月時点で運用5年目に入り、徐々に適用範囲が拡大しています。
両制度と賦課金の関係
両制度ともに、買取費用やプレミアムの一部は再エネ賦課金で賄われます。FIP制度の拡大により、市場価格との連動性が高まり、賦課金単価の予測がより複雑になっています。
出典:資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー:FIT制度・FIP制度』
家庭でできる再エネ賦課金の節約方法
再エネ賦課金は電力使用量に比例するため、電力使用量を減らすことが直接的な節約につながります。家庭でできる主な対策は以下の3つです。
7-1. 省エネ家電への買い替えと節電の徹底
LED照明への切替、エアコンの設定温度の工夫(夏28℃・冬20℃)、待機電力の削減、断熱対策などで電力使用量を10〜20%削減できます。古い冷蔵庫・エアコン・洗濯機を最新の省エネ家電に買い替えると、年間で数万円の電気代節約も可能です。
7-2. 家庭用太陽光発電・蓄電池の導入
自宅に太陽光パネルを設置すれば、自家消費分の電力購入量が減るため、再エネ賦課金の負担も削減できます。蓄電池を組み合わせれば、昼間の余剰電力を夜間に使用でき、さらに自給率が向上します。
7-3. 電力会社・料金プランの見直し
再エネ賦課金単価は全国一律ですが、電力量料金や基本料金は電力会社・プランによって異なります。ライフスタイルに合った料金プランへの切替で、全体の電気代を抑えることができます。
出典:資源エネルギー庁『省エネポータルサイト』
企業ができる再エネ賦課金・電気代対策
企業は家庭よりも電力使用量が圧倒的に多いため、再エネ賦課金の負担額も大きくなります。脱炭素経営と電気代対策を両立する4つのアプローチを紹介します。
8-1. CO2排出量の可視化(Scope1・2・3算定)
まずは自社の電力使用量と排出量を正確に把握することが第一歩です。Scope1(直接排出)、Scope2(電力等の間接排出)、Scope3(サプライチェーン全体)を算定することで、削減施策の優先度が明確になります。CO2排出量見える化クラウドなどのツール活用で効率化が可能です。
8-2. 自家消費型太陽光発電・PPAモデルの導入
自社の屋根・遊休地に太陽光発電設備を設置(自家消費型)すれば、買電量が減るため再エネ賦課金の負担も削減できます。初期投資を抑えたいなら、第三者所有モデル(オンサイトPPA)の活用も有効です。
8-3. 再エネ電力プランへの切替
再エネ100%プラン・非化石証書付きプランに契約することで、Scope2排出量を削減し、ESG評価向上にもつながります。RE100・SBT等の国際イニシアチブの目標達成にも貢献します。
8-4. 省エネ設備の導入と運用改善
LED照明・高効率空調・EMS(エネルギー管理システム)の導入、デマンドレスポンス対応などで電力使用量を体系的に削減できます。省エネ補助金(環境省・経済産業省)の活用で初期投資負担を軽減できます。
出典:環境省『令和7年版 環境・循環型社会・生物多様性白書』(2025年6月)
再エネ賦課金に関するよくある質問
9-1. 再エネ賦課金はいつまで払い続けないといけないのですか?
国からの正式な終了発表はありませんが、FIT制度の買取期間(事業用20年・家庭用10年)に基づき、2040年頃まで続く見込みです。2030年頃に総額がピークを迎え、その後は徐々に減少していくと予測されています。新規のFIT・FIP認定が継続される限り、完全な終了は当面ありません。
9-2. 再エネ賦課金は払わなくてもよいですか?
電力会社から電気を購入している以上、再エネ賦課金の支払いを免れることはできません。「再エネ特別措置法」という法律で、全国一律で電気料金に加算されることが定められているためです。負担を減らす唯一の方法は、電力使用量を減らすか、自家消費型太陽光発電などで買電量を削減することです。
9-3. 企業が再エネ賦課金の負担を軽減する最も効果的な方法は何ですか?
最も効果的なのは、自家消費型太陽光発電やオンサイトPPAの導入により、買電量自体を減らすことです。あわせて、CO2排出量見える化クラウドなどで電力使用量を可視化し、削減施策の優先度を明確化することも重要です。アスエネのCO2排出量見える化・削減クラウドは、こうした取り組みを効率的に支援します。
出典:資源エネルギー庁『FIT・FIP制度』
まとめ:再エネ賦課金は2040年頃まで継続見込み、早めの対策がカギ
この記事では、再エネ賦課金の概要や計算方法、単価の推移、今後の見通しについてご紹介しました。再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を支える重要な制度であり、電気料金に直接影響を与えます。今後も単価の変動が予想されるため、再エネ賦課金についての理解を深め、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用などの取り組みにより、電気代の節約を図りましょう!
・再エネ賦課金は2012年スタートのFIT制度を支える財源で、2012年度0.22円/kWh → 2025年度3.98円/kWhと約18倍に上昇。
・「いつまで続くか」については、FITの買取期間20年に基づき、2030年頃に総額ピーク、2040年頃まで継続する見通し。
・対策として、家庭は省エネ家電・太陽光発電・料金プラン見直しが有効。企業はScope算定→自家消費型太陽光・PPA→再エネ電力プラン→省エネ設備の4段階で、再エネ賦課金軽減と脱炭素経営を同時に進められる。ASUENEのCO2排出量見える化クラウドが、その第一歩を効率化する。
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