サステナブル企業紹介

衛生管理とScope3対応を両立。白洋舍がLCA算定で可視化したユニフォームレンタルの導入メリット

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衛生管理とScope3対応を両立。白洋舍がLCA算定で可視化したユニフォームレンタルの導入メリット

企業のサステナビリティ対応が進む中で、これまで見過ごされがちだったのが「ユニフォーム」です。白洋舍は、衛生や品質保証の観点で提供してきたユニフォームレンタルサービスについて、ライフサイクルアセスメント(LCA)算定を実施しました。その結果、従来手法と比較して最大約50%のCO2排出量削減効果を確認しています。

今回の取り組みの意義は、ユニフォームレンタルの価値を、衛生性や利便性だけでなく、環境負荷低減の観点でも定量的に示せるようになった点にあります。これまで定性的に語られがちだった「長く使うことの価値」や「適切に管理することの意味」が、CO2排出量という共通指標で可視化されたことで、導入企業にとっても自社への置き換えイメージを持ちやすくなりました。

本記事では、執行役員 事業統括本部 菊池氏、ユニフォームレンタル事業部長 浅子氏、営業係長 三浦氏へのインタビューをもとに、白洋舍の取り組みを通じて、ユニフォームレンタル導入を検討する企業が押さえるべき判断軸と、導入によって得られるメリットを紹介します。

INDEX

衛生ニーズの高度化を背景に成長。進化する白洋舍のユニフォームレンタル事業

白洋舍は、1906年にホームクリーニング事業を起点として創業しました。1975年からはユニフォームレンタル事業を展開しており、現在では同社の成長領域の一つとなっています。特に食品製造業を中心に顧客基盤を広げてきました。

この事業拡大の背景には、外部環境の変化があります。高度経済成長期以降、ホテルや外食産業の拡大に伴い、リネンサプライやユニフォーム管理のアウトソーシング需要が増加しました。さらに1990年代以降は、コンビニエンスストアや食品工場の増加により、衛生管理の重要性が一層高まりました。

特に食品事故や異物混入問題を契機として、HACCPに代表される衛生基準が厳格化されました。その結果、ユニフォームの回収・洗濯・管理は単なる作業ではなく、品質保証の一部として位置付けられるようになっています。近年では、セキュリティの観点からも、従業員による持ち帰り洗濯をリスクと捉える企業が増えており、専門業者による一元管理への移行が進んでいます。

こうした背景のもと、白洋舍はISO22000の取得や工場の衛生環境強化などを進めてきました。現在では、食品製造工場と同水準を意識した品質管理体制を構築しており、これがユニフォームレンタル事業における差別化要素となっています。

さらに近年は、ユニフォームのデザイン選択やダイバーシティ対応、トレーサビリティの確保など、顧客ニーズも多様化しています。ICタグを活用した管理体制の整備など、サービスの高度化も進めており、ユニフォームレンタル事業は単なるクリーニングサービスから、企業の業務効率と品質管理を支えるインフラへと進化しています。

現在は食品製造業を中心に導入が進んでいますが、医療・介護や製造業などへも対象領域は広がっています。実際に、衛生管理の高度化に加え、人手不足対応や福利厚生の観点から、ユニフォーム管理のアウトソーシングを検討する企業が増えています。

LCA算定で判明。ユニフォームレンタルがCO2排出量最大50%削減につながる理由

白洋舍のユニフォームレンタルサービスの特徴は、「長寿命化」と「一元管理」にあります。企業がユニフォームを購入して個別に管理する場合と異なり、白洋舍が保有し、最適なクリーニングと管理を行うことで、1着あたりの使用回数を最大化できます。

今回のLCA算定では、3社の協力を得ながら、ユニフォーム1着あたりのライフサイクル全体を分析し、ユニフォームレンタルの環境価値を定量的に示すことができました。顧客企業がScope3を算定する際、ユニフォームの購入やクリーニングに伴うCO2排出量はカテゴリ1に含まれます。費目の設定は企業ごとに異なりますが、例えばユニフォームを「織物製衣服」、クリーニングを「洗濯業」として、白洋舍のユニフォーム3タイプの平均値を〈環境省データによる算定〉と〈白洋舍の一次データによる算出〉で比較すると、織物製衣服を選定した場合は50%、洗濯業を選定した場合でも12%の削減効果が確認されました。

この結果が示すのは、ユニフォームレンタルが単に「洗濯を外部委託するサービス」ではないということです。原材料調達から生産、輸送、使用・維持管理、廃棄までを一つのライフサイクルとして捉えることで、どの工程で環境負荷が大きくなっているのかを把握できるようになりました。これにより、企業はユニフォーム管理を衛生や品質保証だけでなく、環境対応の観点からも評価できるようになります。

特に意義が大きいのは、多くの企業がScope3カテゴリ1を算定する際に用いている金額ベースの概算値と、白洋舍が把握した一次データベースの実態値との違いを示せるようになった点です。従来の金額ベースの算定では、個社の管理努力やサービス設計の違いが反映されにくい側面がありました。一方で、白洋舍のように実際の事業データに基づいて算定することで、ユニフォーム製造やクリーニングにおける排出実態をより精緻に把握できます。これは、導入企業にとって算定精度の向上だけでなく、自社の調達や運用の見直し材料にもなります。

この削減効果の背景にあるのが、ユニフォームの長寿命化です。比較に用いた洗濯回数は、カーボンフットプリント製品カテゴリールール(PCR)における衛生衣50回の考え方を参照しています。一方で、白洋舍のレンタルユニフォームはICタグによる管理データから平均約100回使用されており、より長く活用されていることがわかります。これを支えているのが、120年にわたって培ってきたクリーニング技術です。ユニフォームをより長く使用できるよう、過度なダメージを与えない洗浄技術を日々研究しており、その結果、買い替えによるユニフォームの製造に伴う環境負荷の抑制につながっています。

加えて、クリーニング工程の効率化も重要です。白洋舍では設備更新や運用改善により、過去10年間で単位あたりの電力使用量を約30%、ガスを約40%、水使用量を約35〜50%削減してきました。一部工場ではカーボンフリー電力も導入しており、さらなる排出量削減にも取り組んでいます。

このように、衛生性や品質管理に加えて、環境対応まで同時に見直したい企業にとって、ユニフォーム運用は再検討の余地が大きい領域だといえます。

ユニフォーム管理は現場業務から経営課題へ。導入判断で見るべきポイント

今回のLCA算定により、ユニフォームレンタルの環境価値は「何となく環境によさそう」という印象論ではなく、企業が導入判断に活用できる根拠へと変わりました。これまで定性的に語られていた「長く使うことの価値」が、CO2排出量削減という共通指標で可視化された点は大きな成果です。

同時に、白洋舍にとっても、原材料調達から廃棄までを可視化したことで、どこに環境負荷が集中しているのか、今後どこを優先的に改善すべきかが明確になりました。特に原材料段階の影響が大きいことが分かったことで、今後は低環境負荷素材の採用や、アパレルメーカーとの連携がより重要になります。

一方、導入企業にとっての意義は、ユニフォーム管理を単なる現場運用ではなく、経営課題として捉えられるようになった点にあります。従来の検討軸は、衛生管理、品質保証、従業員負担の軽減が中心でしたが、今後はそこにScope3対応やサステナビリティ開示といった視点も加わります。特に、食品製造業や医療・介護のように衛生管理が重要な業種、人手不足の中で福利厚生を強化したい企業、Scope3算定・開示の精度向上を検討している企業にとっては、導入効果を具体的に見込みやすい領域です。

さらに、白洋舍の一次データをもとに環境負荷を把握できれば、より精度の高い開示や削減施策の検討にもつながります。つまり、ユニフォーム管理は現場業務にとどまらず、情報開示や中長期の経営方針とも接続するテーマになりつつあるということです。今後は、購買部門や現場担当者だけでなく、サステナビリティ部門やIR部門が関与するテーマとして捉えられる場面も増えていくでしょう。

ユニフォームは単なる作業着ではなく、企業活動を支える基盤の一つです。管理方法を見直すことは、現場運用の改善だけでなく、環境対応や企業価値の向上にもつながる可能性があります。まずは、自社のユニフォーム運用にどのような課題があるのかを整理し、衛生・運用・環境対応をどのように両立させるかという視点で、最適な管理方法を検討してみてはいかがでしょうか。

白洋舍が120年の歴史の中で脱炭素にどう向き合い、何を見据えているのか。
経営視点からのインタビューはBusiness Insider Japanの記事でお読みいただけます。
▶「創業120年、DNAは「チャレンジ」。白洋舍が脱炭素で描く未来」(Business Insider Japan)
https://www.businessinsider.jp/article/260414-hakuyosha-supplychain/

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