2012年、個人事業主として太陽光発電事業をスタートさせた株式会社サンヴィレッジ。FIT全盛期に北関東を拠点として発電所開発を手がけ、独自の調達力と開発力を武器に急成長を遂げてきた。2024年には丸紅新電力との資本業務提携で20億円の増資を実現し、2030年までに500万キロワット(5GW)の電源調達を目指す大型プロジェクトを推進中だ。
現在、同社は発電所の開発・建設にとどまらず、系統用蓄電所事業、小売電気事業、アグリゲーター事業へと事業領域を拡大。「つくる」から「整える」「届ける」まで、再生可能エネルギーのバリューチェーン全体をカバーするトータルコーディネーターへと進化を遂げようとしている。 今回は、小売電気事業部の齋藤真吾氏に、サンヴィレッジの強みと将来ビジョン、そして同社で働く魅力について話を伺った。
INDEX
個人事業主から始まった太陽光発電事業の軌跡
―― まずは御社の設立経緯についてお聞かせください。
齋藤氏:サンヴィレッジは2012年に、現在の社長である三村が個人事業主として始めた会社です。当時はFIT(固定価格買取制度)の太陽光発電所が全盛期を迎えていた時期で、三村はこの制度に着目し、太陽光発電事業に参画しました。
個人事業主としてのスタートでしたので、資材の調達から資金の調達まで、当初は苦労も多かったようです。しかし、小さな案件から始めて徐々に販路を拡大していき、着実に成長を遂げてきました。
―― その後の成長について教えてください。
齋藤氏:大きな転機となったのは、丸紅新電力との資本業務提携です。2024年5月に20億円の第三者割当増資を受け、これをきっかけに当社は2030年までに500万キロワット(5GW)の電源を調達するという大きな目標を立てることが出来ました。
現在は発電所の開発だけでなく、系統用蓄電所の開発にも着手しています。2025年11月には、丸紅新電力およびCATL(世界有数のリチウムイオン電池メーカー)との3社で、日本国内において合計2.4GWh規模の系統用蓄電所を共同開発することで合意しました。 個人事業主からスタートして、現在は社員数が100名を超える規模まで成長しています。13〜14年で100名超の組織になったわけですが、これも三村のバイタリティと、当社の強みである調達能力の高さがあってこそだと考えています。
「作って売る」だけではない、新たな収益モデルへの挑戦
―― 齋藤様がサンヴィレッジに入社された経緯を教えてください。
齋藤氏:私は以前、再エネの会社で10年以上、発電所開発に携わっていました。三村とは、サンヴィレッジを立ち上げた当初に知り合い、太陽光パネルなど資材の調達でお手伝いをさせていただいていました。
転機となったのは、今年(2025年)の初めに三村のところにご挨拶に伺った時のことです。電気の小売部門に所属していた私は、何か提案できないか打ち合わせをさせてもらったのですが、その際に三村からこれからの事業展開の話を聞きました。
再エネ業界、特に太陽光発電所を生業としている会社にとって、蓄電池を併設してFIT以外の再エネ事業を立ち上げるというのは、非常に難しい課題です。多くの会社がなかなか着手できていない状況でした。
ところが三村は、そこを事業化できる見通しを持っていて、明確なビジョンがありました。「いろいろやりたいから人が必要なんです」という話を聞いて、非常に面白いと感じました。業界内で挑戦領域とされる分野に、サンヴィレッジはいち早く取り組もうとしている。一緒にやらせてほしいとお願いしたところ、快く受け入れていただきました。
―― 御社の将来ビジョンについてお聞かせください。
齋藤氏:これまでのビジネスモデルは、発電所を造って売って利益を得るというものでした。しかし、当社はそこで終わりにしません。
太陽光発電所に蓄電池を併設し、そこで作った電気を我々がコントロールして、しっかりと届けるところまでやる。これをきちんとビジネスにしていくというのが、次の大きな転換です。
具体的には、発電所で作った電気を市場に流通させるだけではなく、我々が買い取って電気の小売で収益を上げる。さらに、再エネ特有の環境価値もビジネスチャンスとして捉えています。
つまり、「造るところで儲けて、電気を買って届けるところでも儲けて、再エネの環境価値でも儲ける」という三位一体のビジネスモデルです。儲けるというと聞こえは良くないですが、利益に真摯に向き合っている企業だとは言えると思います。 これにより、再エネの会社として確固たる地位を築いていきたいと考えています。

発電所開発、小売電気、アグリゲーション――事業を実現する組織体制
―― 現在の組織体制について教えてください。
齋藤氏:現在の組織は大きく分けて4つの機能があります。
まず、発電所の開発部隊です。土地の調達から発電所の建設まで、北関東を中心に展開しています。ここが当社の創業以来の強みであり、コア事業です。丸紅新電力に電気を提供するための発電所の開発や、その発電所を保有したいお客様への提供を担っています。
次に、各支店による開発部隊があります。北海道、仙台、名古屋などに支店があり、発電所や系統用蓄電所を開発して建設しています。
そして、東京・大手町に拠点を置く小売電気事業部です。電気の小売事業を立ち上げ、現在は事業展開を進めているところです。現在はまだまだ契約は少ないですが、これからメディアを活用した広告展開も計画しており、さらなる拡大を目指しています。 最後に、2025年11月に立ち上がったアグリゲーション事業部です。アグリゲーターとしての機能を持たせた部署で、蓄電池の充放電制御や、電気の需給調整を担います。まだ事業化には至っていませんが、会社の将来を担う重要な部署として位置付けています。
会社が一つになる――アグリゲーション事業部が担う「架け橋」の役割
―― 御社が現在取り組むべき課題について教えてください。
齋藤氏:一番の課題は、まだ会社が一つになれていないということです。各部門の機能はそれぞれあるのですが、それが一つの方向に向かっていない。横の組織で協力し合いながらという部分がまだ希薄だと感じています。
社長がビジョンを示してくれてはいますが、それに向かって各々がアプローチしているだけで、横の連携が十分ではありません。ただ、これは協力したくないわけではなく、協力の仕方がわからないという状況だと思っています。
―― その課題を解決するために、どのような取り組みをされていますか?
齋藤氏:私はアグリゲーション事業部がその鍵を握っていると考えています。アグリゲーション事業部は、発電所の開発から電気の小売まで、すべてをつなぐ位置にある部署です。
アグリゲーション事業部発信で各部門に対して情報発信をしていくことで、自然と協力体制が生まれてくると考えています。みんながそこに対して意識を持てるようになれば、会社としての一体感も出てくるはずです。
各部門の個別課題としては、小売電気事業部ではまだ規模が取れていないため、営業人員の補強や需給管理などバックヤードの整備が必要です。アグリゲーション事業部では、システムの導入や、電気を集めてくる仕組み、環境価値の取り扱いなど、事業化に向けた基盤づくりが課題です。 今言ったようなことをやろうと思ったら、今の人数では全く足りません。だからこそ、人材採用が急務なのです。
再エネ事業を通じた社会貢献と企業成長の両立
―― 御社における環境やサステナビリティへの取り組みについてお聞かせください。
齋藤氏:正直に申し上げると、当社は「サステナビリティを掲げて事業をやっている」という意識で動いているわけではありません。結果としてそうなっている、というのが正確な表現です。
世の中や国が再生可能エネルギーを求めている。その中で、自分たちができることは何かと考えたとき、太陽光発電所の開発の延長線上でできることが出てきた。世の中が求めているものを提供すれば、それが利益になる。いろいろな条件が合わさって、良い方向に向かっているというのが現状です。
ただ、企業はボランティアではないので、社会に貢献していくというのは、利益を出しながら事業として取り組むべきことだと考えています。利益があってこそ、持続的に社会貢献ができる。そこに今、真摯に向き合っているところです。
他の会社が「利益度外視でやらなければ」と言っている領域に対して、我々はしっかりと事業化して取り組んでいる。そこが当社の強みであり、特徴だと思います。 私自身、中学生の子どもがいますが、「パパの仕事っていいでしょ」と胸を張って言えます。再エネという事業領域は、これから注目される領域であることは間違いありませんし、社会的な意義も大きい。そういう仕事に携われているのは、誇りに思っています。

これから創っていくカルチャー
―― 御社のカルチャーや価値観についてお聞かせください。
齋藤氏:正直なところ、まだ確立されたカルチャーがあるとは言えません。カルチャーはこれから創っていくものだと思っています。
今までは発電所の開発を一致団結してやってきた。それはそれで良かったのですが、今、会社は明らかに次のフェーズに入っています。電気の小売やアグリゲーションなど、新しいことをやろうとしている中で、社員一人ひとりがどう向き合うかが非常に大事になってきます。
会社として向かおうとしているところに対して、どれだけ協力体制を作っていけるか。自分の部署だけでなく、他の部署にも注目して、会社としてあるべき姿を想像できるか。そういった視点を持てる組織になっていきたいと考えています。
所謂「自分事として考えられる」ということでしょうか。社長や他の人がやっているのではなく、会社が向かっている方向に対して自分は何ができるか、どういう行動が会社のためになるか。そういうことを考えて動く。そういう文化を醸成していきたいですね。 サンヴィレッジは発電所開発では日本有数の企業だと自負しています。他社にはできないような規模感とスピード感で発電所を開発してきた。その点は会社として誇れる部分です。調達能力の高さは、入社して改めて驚いたところでもあります。
経営層との距離の近さと、挑戦できる環境
―― 御社で働く魅力について教えてください。
齋藤氏:まず、経営層との距離が近いことが挙げられます。経営層としっかり話ができる、同じ目線で一緒に方向を向いて働ける。これは大きな魅力だと思います。
また、丸紅新電力をはじめ、大手企業と話をする機会が多いのも特徴です。サンヴィレッジという会社名を聞いて「何の会社?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、業界内では一目置かれる存在です。知る人ぞ知る会社、と言えるでしょう。
それから、今のフェーズならではの魅力があります。世の中で自分がどれだけ活躍できるか試してみたい、という意欲のある方にとっては、うってつけの環境です。
ベンチャー過ぎるとちょっと怖い、でもベンチャーっぽいところで挑戦したい。そういう方にとって、ちょうどいい会社だと思います。発電所開発という確かな収益基盤がありながら、新規事業にも積極的に取り組んでいる。安定と挑戦のバランスが取れた環境です。
私が以前いた会社も、100名規模の頃は非常に似た雰囲気でした。その後、その会社は300名規模まで成長しましたが、サンヴィレッジも同じように、これから優秀な人材が集まってくる会社になると確信しています。
―― どのような方が御社にフィットすると思われますか?
齋藤氏:マインドの面で言えば、自分から仕事を取りに行って、どんどん提案できる人ですね。指示を待つタイプの方は、今のフェーズでは活躍しづらいと思います。
出来上がった仕組みの中で与えられた仕事をこなすのが得意な方よりも、「会社の情報を自分から取りに行って、他部署の人ともコミュニケーションを図れる」という積極性を持った方が向いています。
各部門がまだ十分につながっていない今だからこそ、そういう動きをしてくれる人は他部門からもありがたがられます。みんなやろうとしているけどできない、知見もない。だからこそ、そういう人をウェルカムで待っている状態です。
読者へのメッセージ
―― 最後に、御社に関心を持つ読者へメッセージをお願いします。
齋藤氏:言われたことや決められたことをやるだけではなく、自分で何かをやりたい、経営層と近いところで同じ目線で働きたい。そういうマインドをお持ちの方には、ぜひ一緒に働きたいですし、当社のような会社は働きやすいと思います。
サンヴィレッジと同じような会社は、おそらく世の中にありません。再エネ業界の中で独自の立ち位置を確立し、これから会社としての「勝ち筋」を作っていこうとしている。そういう第二の成長期に入っているタイミングです。
会社の行く先を想像しながら働く、そういう経験ができる職場は多くありません。少しでも興味があれば、人生の中の働く場所の一つとして、ぜひ経験していただきたいと思います。
【会社情報】
社名:株式会社サンヴィレッジ
代表者:代表取締役 三村 挑嗣
設立:2014年2月(事業開始:2012年)
本社所在地:栃木県足利市寺岡町351番地
東京オフィス:東京都千代田区大手町
資本金:1億円
従業員数:約110〜120名
事業内容:太陽光発電所の開発・建設(EPC事業)、発電事業、系統用蓄電所事業、小売電気事業、アグリゲーター事業、ソーラーシェアリング事業
主な提携先:丸紅新電力株式会社(資本業務提携)、CATL
ウェブサイト:https://sunvillage-co-ltd.com/
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齋藤 真吾 氏 小売電気事業部