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大阪・関西万博レポート:ガスパビリオンと「化けるLABO」で描く未来のエネルギー

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大阪・関西万博レポート:ガスパビリオンと「化けるLABO」で描く未来のエネルギー

2025年に開催される大阪・関西万博を先日訪問し、日本ガス協会が運営する「ガスパビリオンおばけワンダーランド」と、大阪ガスが運営する会場内のメタネーション実証施設「化けるLABO」を特別に見学しました。放射冷却素材「SPACECOOL®」を採用した革新的な建築から、CO2を再資源化する最新のe-メタン製造まで、未来の脱炭素社会を支える挑戦を、現場の臨場感とともにお伝えします。

INDEX

体感する「エネルギーが化ける未来」――ガスパビリオンの魅力

日本ガス協会が運営するガスパビリオンは「化けろ、未来!」をコンセプトに、映像演出と参加体験を融合させたユニークな展示空間です。来場者はXRゴーグルを装着しおばけに変身して、案内役のおばけ「ミッチー」とともに冒険を繰り広げます。地球温暖化の原因となる謎のおばけを協力して倒すストーリーは、子どもから大人まで夢中にさせ、エネルギーと環境問題を自然に学べる仕掛けになっていました。CO2が水素と反応してe-メタンに「化け」、再びエネルギーとして循環する過程がかわいらしい演出で描かれ、難しい技術を楽しく理解できる工夫にあふれています。

展示の終盤には、参加者自身が地球温暖化を抑制するために「どんな行動ができるか」を考えるアクションパネル。単なる鑑賞型展示にとどまらず、「自分ごと」として行動に結びつける仕組みになっていました。

さらに建築そのものにも最新技術が取り入れられています。外装には大阪ガスが開発しSPACECOOL社が製造・販売する放射冷却素材「SPACECOOL®」が使われており、外気温より低い温度を実現することで空調負荷を軽減し、CO2削減に寄与します。実際に外壁に触れると炎天下でもひんやりと感じられ、「建材自体が環境技術」であることを実感できました。また「SPACECOOL®」を使った日傘も人気を集め、30度を超える猛暑でも涼しさを体感できると話題に。来場者が実際に触れて理解できる仕掛けは、建物そのものを学びの装置へと進化させていました。

CO2が資源に「化ける」瞬間――化けるLABOの挑戦

万博会場内に設置された「化けるLABO」は、CO2を単なる排出物ではなく「資源」として再利用する未来を実証する施設です。ここでは、CO2と水素から都市ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション技術」が公開されており、会場内で発生したCO2を回収し、グリーン水素と組み合わせてe-メタンを製造。こうして生まれたe-メタンは迎賓館の厨房や会場内の熱供給設備で実際に利用され、循環型エネルギーが生活を支える姿を体感できました。

展示では3つのアプローチが紹介されていました。ひとつは再生可能エネルギーを用いた水の電気分解により、CO2を排出せずに水素を得る「水電解装置」。次に、万博会場で出た生ごみを発酵させてバイオメタンとCO2を生み出す「メタン発酵槽」。そして、メタン発酵槽からのバイオメタンやCO2に加えて、大気中のCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)や排ガス由来のCO2回収などを活用し、水素と合成する「メタネーション」です。これらを組み合わせることで、約170世帯分に相当するe-メタンが供給可能と説明されました。

見学時には巨大な反応装置やCO2貯蔵タンクが並び、実際に稼働する様子を目にしました。「目に見えないCO2が、確かにエネルギーへと姿を変えていく」瞬間を目の当たりにし、技術の現実性と可能性を強く実感しました。「化けるLABO」の担当者から「万博は未来社会の実験場。この成果を社会実装につなげたい」と語られた言葉も印象に残ります。

さらに展示では、2030年にはバイオメタネーションやサバティエメタネーションを活用した大規模導入などの未来像が示されていました。既存インフラとの接続を前提とした構想は、都市全体を循環型エネルギーで支えるビジョンを描き、日本が掲げるカーボンニュートラル実現への確かなステップを示していました。

“見える化の先”を示す脱炭素の実験場

今回の見学を通じて実感したのは、ガスパビリオンと「化けるLABO」がともに「エネルギーが化ける未来」を具体的に示していることです。エンターテインメント性のある展示と最先端の技術実証を通じ、CO2削減とエネルギー循環を可能にする社会像が浮かび上がりました。さらに万博そのものが「未来社会の実験場」として、持続可能な技術や価値観を世界に発信する大きな意義を担っていることも改めて感じました。

Daigasエナジーはアスエネのパートナー企業でもあり、今回紹介されたメタネーションや放射冷却素材「SPACECOOL®」といった取り組みは、私たちが進めるCO2見える化の先にある「具体的な削減施策」として非常に有益です。見える化だけで終わらず、削減につながる技術や仕組みと組み合わせることで、初めて実効性のある脱炭素化が実現します。

アスエネも、こうした最前線の事例から学び、自社のカーボンマネジメントやクレジット事業に取り入れながら、企業や社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

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