CO2算定

Scope3 カテゴリ10はどう算定する?算定方法をご紹介!

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Scope3 カテゴリ10はどう算定する?算定方法をご紹介!

Scope3の算定は、企業にとって欠かせないものとなりました。Scope3は15個のカテゴリから構成されており、この記事ではカテゴリ10「販売した製品の加工」に注目します。

Scope3とはそもそもどのようなものなのか、カテゴリ10の定義や算定方法、算定結果の活用方法など法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介します。

INDEX

Scope3とは

企業の脱炭素化が加速する中、Scope3という用語をよく耳にするようになりました。ここではそもそもScopeとはどのような概念なのかや、Scope3の算定が重視される背景についてご紹介します。

そもそもScopeとは?

Scopeとは、1998年に設立された温室効果ガスプロトコルにおいて定められている排出量の区分のことで、Scope1・2・3があります。加えて、Scope3は15のカテゴリに分類されています。

  • Scope1:事業者自らによるCO2の直接排出量
  • Scope2:他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出量
  • Scope3:Scope1と2以外の間接排出量

Scope3はサプライチェーン排出量とも呼ばれており、事業者の活動に関連する他社からのCO2排出量を指しています。

上流・自社・下流

出典:環境省『サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ』

出典:環境省『温室効果ガス(GHG)プロトコル』(p. 2)

Scope3の算定が重視される背景

自社からのCO2排出量よりもサプライチェーンからのCO2排出量の方が多いです。企業が脱炭素化を実現させるためには、Scope3を算定することにより全体のCO2排出量を把握し、どのように削減するかを検討することが求められます。

出典:環境省『サプライチェーン連携の重要性』(p. 8)

Scope3「カテゴリ10」とは?

Scope3カテゴリ10は事業活動のどの部分からのCO2排出量なのでしょうか。ここではScope3カテゴリ10の定義と削減するためにできる取り組みについてご紹介します。

Scope3 カテゴリ10販売した製品の加工とは?

Scope3カテゴリ10は、販売した中間製品に下流のバリューチェーン企業が行った加工に伴うCO2排出量です。中間製品とは、その後加工されることで製品になる作りかけの状態の製品を指す用語で、部品や部材などが該当します。

出典:環境省『Scope3 〜算定編〜』(p. 106)

Scope3 カテゴリ10の削減取り組み例

Scope3カテゴリ10は、原則的に販売する製品やサービスの活動である下流に分類されます。自社の活動から離れていることから、CO2排出量を削減するためにはサプライヤーへの呼びかけが欠かせません。CO2排出量削減に取り組んでいる事業者を選ぶことも1つの方法です。

上流・下流

出典:環境省『サプライチェーン 排出量算定の考え方』(p. 3)

Scope3「カテゴリ10」の算定方法

ここではScope3カテゴリ10の算定方法をご紹介します。算定する上でのポイントと簡易な算定方法について整理しましょう。

Scope3 カテゴリ10を算定する時のポイント

中間製品を納入したサプライヤーから加工関連のデータを収集することが困難なことにより、サプライヤーからデータを収集しなくてもCO2排出量の算定は可能であると定められています。この他には、中間製品がどの最終製品に加工されているかを把握できない場合は、十分な根拠を示せば算定対象から除外することが認められます。

出典:環境省『Scope3 〜算定編〜』(p. 106)

Scope3 カテゴリ10の簡易な算定方法

Scope3の各カテゴリは「活動量×排出原単位」で算定することができます。カテゴリ10においては、中間製品加工時のエネルギー使用量、製品出荷量などを活動量としてエネルギー種別の排出原単位を乗じることで算定できます。活動量に用いるデータをサプライヤーから収集するのが困難な場合は、業界平均値や自社内での加工時のデータなどで代用することができます。排出原単位は、環境省が公表している原単位データベース【1】を活用します。

出典:環境省『サプライチェーン 排出量算定の考え方』(p. 14)

算定結果はどう活用する?

Scope3の算定結果の活用例についてご紹介します。

サプライチェーン排出量の算定

サプライチェーン排出量は、Scope1とScope2、Scope3 を合計することで求めることができます。算定結果を分析することで削減対象を特定し、CO2排出量をどのように削減していくのか取り組みを検討していきましょう。

出典:環境省『サプライチェーン 排出量算定の考え方』(p. 1.2)』

自社HPやCSR報告書などでの公表

社会的責任の情報開示として、自社HPやCSR報告書などで算定結果を公表することができます。情報開示により企業のイメージ向上やステークホルダーからの信頼強化などのメリットを得ることができます。

まとめ:Scope3 カテゴリ10を算定してCO2削減に取り組もう!

この記事ではScope3のカテゴリのうちカテゴリ10に注目し、法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介しました。Scope3カテゴリ10を算定すると、企業が販売した部品や部材がその後加工される工程でCO2をどれくらい排出しているかを把握することができます。Scope3カテゴリ10を算定してCO2削減に取り組みましょう!

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