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ITにおけるカーボンニュートラル達成に向けた企業事例を紹介

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ITにおけるカーボンニュートラル達成に向けた企業事例を紹介

「2050年カーボンニュートラル宣言」は、IT産業にも大きな影響があります。ITとエネルギーは切っても切れない関係です。いかにIT産業に負荷がかからずカーボンニュートラルに取り組むことができるのか、その具体的な方法とIT産業におけるカーボンニュートラルに向けた企業の取り組み事例をご紹介します。

INDEX

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衝にすることで、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みのことです。政府は「2050年カーボンニュートラル宣言」を掲げており、目標達成には温室効果ガスの削減ならびに吸収作用の保全及び強化が重要とされています。

カーボンニュートラル達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減だけでなく、同時に 吸収作用の保全・強化が重要

ait属性:カーボンニュートラルとは

出典:環境省『カーボンニュートラルとは – 脱炭素ポータル』(2023/01)

IT産業におけるCO2排出量の現状は?

IT産業におけるCO2排出量は、産業部門では4%を占めていますが、部門全体で見ると1.5%と他の部門に比べて少ないことが分かります。しかし、情報化社会による急速なITの普及により、IT機器やシステムの電力消費量が2025年には2006年の5.2倍まで急増する懸念があり、今すぐに電力消費量削減によるCO2排出削減への取り組みを行うことが必要とされています。

IT産業のCO2排出量は、部門全体の1.5%で他の部門よりもだいぶ少ない。

alt属性:日本の部門別CO2排出量

出典:経済産業省『グリーンITについて グリ ンITについて』p,9.(2020/06)

グリーン成長戦略でのIT産業の成長に期待

「2050年カーボンニュートラル宣言」を実現するために、経済産業省は「グリーン成長戦略」を打ち出しました。これは「経済と環境の好循環」をつくり上げるために必要な産業政策や、成長が期待できる産業分野の実行計画をまとめあげたもので、カーボンニュートラル達成に欠かすことができないIT業界にも期待がかけられています。

カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

政府は、「大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備の導入」 又は、「生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備の導入」を行う企業に対して、最大10%の税額控除、又は、 50%の特別償却を措置(改正法施行から令和5年度末まで3年間)を実施しています。IT産業の課題である電力消費の増加に効果的な「省電力性能に優れたパワー半導体の導入」もその対象となり、企業にとっても導入しやすいタイミングとなっています。

出典:経済産業省『グリーン成長戦略(概要)』p,23.(2021/09/03)

J-クレジット取引

J-クレジット取引制度とは、省エネ・再エネ設備の導入や森林管理等による温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジットとして認証する制度のことです。中小企業等の省エネ・低炭素投資等を促進するとともに、クレジットの活用により国内の資金循環を生み出すことで、経済と環境の好循環を促進し、「グリーン成長戦力」の取り組みに効果的です。

IT産業では、省エネ対応として「サーバー設備の更新」、「外部データセンターへのサーバー設備移設による空調設備の効率化」、「省エネ照明設備の導入」、「省エネ自動販売機の導入」など、再エネ対応として「太陽光発電設備の導入」、「再生可能エネルギーによる電力への代替」などに効果の期待があります。

J-クレジット取引とは、省エネ・再エネ設備の導入や森林管理等による温室効果ガスの排出削減・吸収量をクレジッ
トとして認証する制度のこと。

alt属性:J-クレジット制度の概要 

出典:経済産業省『J-クレジット制度について』p,4.p,15.(2022/04)

ソフトウェアに着目したカーボンニュートラル

IT機器を無駄なく使うには「ソフトウェア」が重要な要素となります。今、急激なITサービスの普及によりデータセンターの消費電力の増加が懸念されています。例えば、自動車の運転は、効率の悪い運転(急発進・空ぶかしなど)をすると燃費が良くなく、反対に効率の良い運転(エンジンブレーキ・アイドリングストップなど)は、燃費が良くなります。

ITにおいても考え方は同じで、利用するソフトウェアの効率が悪いとその分余計に電力を消費してしまいます。カーボンニュートラルの実現にはデータセンターの省エネ化が必要であり、そのためには、ソフトウェアがIT機器を効率よく制御することが重要となります。

ITにおける消費電力に対して利用するソフトウェアで実際の消費電力が異なる

alt属性:エネルギー効率の違いを示す例

出典:経済産業省『ソフトウェアに着目したITサービスのエネルギー効率指標の算定方法が国際規格になりました』(2021/06/21)

カーボンニュートラル実現に向けた企業の取り組み事例

Apple,lnc

スマートフォンを製造販売するApple,lnc(以下Apple)は、「2030年までに、全てのApple製品をクリーンエネルギーで作る」ことを目標として掲げています。クリーンエネルギーに必要な再エネの導入を支援する他、自社が再エネ事業に参入するなど確実にカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めています。再エネの需要が増える中、自社で発電した再エネを提供することで独自のエコシステムを構築し成長を遂げています。

出典:環境省『SBT等の達成に向けた GHG排出削減計画策定ガイドブック』p.18,(2021/03)

株式会社NTC

株式会社NTCでは、電気の使用によるCO2排出量の削減の取り組みとして、働き方改革によるテレワーク(在宅勤務)を進めた結果、自社で利用しているフロアを従来の2/3に縮小しました。これによりオフィス電力消費量の大幅な削減に成功しています。また、すぐに実行可能な「モニターの待機電力の削減」や「自動販売機 の交換・削減」に取り組むことで、さらなる電気の使用によるCO2排出量の削減を目指しています。

出典:環境省『中小規模事業者向けの脱炭素経営導入』p,43.(2022/11)

まとめ:電力の省エネでITのカーボンニュートラル実現を目指そう!

IT産業におけるカーボンニュートラルの取り組みについてご紹介しました。IT産業では、ITの急激な普及による大幅な電力消費が問題とされています。企業でカーボンニュートラルを実現させるためには、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」や「J-クレジット取引」、「効率的なソフトウェア」を導入し、電力の省エネ化を進めることが効果的です。カーボンニュートラルに重要な「グリーン成長戦力」のもと、カーボンニュートラルを目指す取り組みをしましょう!

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