日本最大級の脱炭素専門展「脱炭素経営EXPO」が、3月17日から19日にかけて東京ビッグサイトで開催されました。アスエネもブース出展およびセミナーを実施。来場企業との対話を通じて、脱炭素対応が単なる「義務」から解決すべき「実務課題」へと移行している様子を肌で感じる機会となりました。
特に業務効率化やAI活用への関心が高く、ブースではAIエージェント「NIKOLA」のデモやデータ連携機能のパネル前に多くの来場者が集まりました。大企業から中小企業まで幅広い層が具体的な課題を持って訪れ、脱炭素経営が実装フェーズに入っていることを示す展示となっていました。
本記事では、アスエネメディア編集部が会場の様子をレポートします。
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来場者の声が示す変化 脱炭素は業務効率化とAIの時代へ

会場を取材すると、アスエネのブースは入口付近に設けられ、「あれ何?」「ちょっと通りかかっただけで立ち寄った」といった声が上がるなど、来場者の導線上で目を引く存在となっていました。
中でも関心を集めていたのは、AIを活用した業務効率化です。アスエネのAIエージェント「NIKOLA」のデモでは、来場者が入力した質問に対して即時に回答が提示される様子を実演。実際に体験した来場者からは「これは結構いいね」といった率直な反応も聞かれ、その場で使いやすさを実感している様子が見られました。
また、電力データなどとのAPI連携により算定工数を削減する「アスエネコネクター」も関心を集めていました。「アスエネを導入したてで、どう活用できるか教えてほしい」といった既存ユーザーからの相談も見られ、今後の活用やサポートへの期待が感じられる場面となっていました。
さらに、CO2排出量の算定に加え、削減施策の検討、情報開示、第三者保証までを一体で支援できるサステナビリティ経営のワンストップソリューション企業であることが紹介されていました。SSBJ(サステナビリティ基準委員会)やEUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)など各種国際基準や制度対応を含めた取り組みは、複雑化するサステナビリティ対応において、統合的なソリューションとして提示されていました。
来場者層は幅広く、中でもCO2見える化サービスで国内導入社数No.1を誇るアスエネのブースは、大企業のみならず中小企業の担当者も数多く訪れていました。「高齢者福祉施設を500ほど運営しており、統合報告書に向けて算定しなければならない」と話す担当者や、「まさにその部署なので、どんな商品やサービスがあるのかを聞きにきた」といった声も聞かれ、具体的な削減ソリューションを求めて来場する動きが見られました。
SSBJ対応や第三者保証への関心が高まる中、セミナーで共有された実務課題
アスエネブース内では複数のセミナーも実施されました。中でも、2027年3月期からの適用開始を見据えるSSBJへの対応をテーマにしたセミナーは、多くの来場者の関心を集めました。特に、部門横断でのデータ収集や、正確性と効率性を両立した開示体制の構築に課題を感じている企業が多いことが共有されていました。
また、第三者保証についても、将来的な義務化を見据えた対応の必要性が示されました。アスエネグループの「アスエネヴェリタス」による保証サービスを含め、信頼性の高いデータ基盤の構築と開示体制の整備が、企業価値向上に向けた重要な要素として位置づけられていました。
このほかにも、非財務データ収集基盤としての「ASUENE」の活用や、カーボンクレジットの創出・活用をテーマとした「Carbon EX」に関するセミナー、サプライチェーンにおけるサイバーセキュリティ調査支援など、多様なテーマが実施されていました。
見える化から削減までを一体で提示。アスエネとパートナー企業との連携

アスエネブース内には、パートナー企業であるDaigasエナジーと関電工も出展し、見える化に続く「削減アクション」を具体的に提示していました。
Daigasエナジーのブースでは、空調の環境負荷低減を支援する「D-Airing」や、水処理の「D-Aqua」、廃棄物の有効活用を図る「D-Bio」など、現場のニーズに応じた多様なソリューション「D-Lineup」が紹介されました。設備や運用の見直しによる具体的な削減手段が提示されることで、来場者は自社での適用イメージをより具体的に描くことができていました。
また、関電工のブースでは、電力の削減に向けたソリューションが紹介されていました。特に、配線や電源を必要としない無線・自己給電型の電力可視化センサーは高い関心を集めました。電線の電流から発生する磁束を電源として稼働する仕組みにより、既存設備への負担を抑えながらデータを取得できる点が評価されていました。
両社のソリューションとアスエネのプラットフォームが組み合わさることで、「見える化」から「削減」までを一気通貫で具体的に提示する展示となりました。
脱炭素を価値へ転換。Carbon EXに集まる企業の関心

SMART ENERGY WEEKでは、アスエネグループのCarbon EXもブースを出展し、カーボンクレジットの創出・活用に関する相談が数多く寄せられました。特に「自社の取り組みをクレジットとして創出し、収益化したい」というニーズが顕著であり、来場者の関心の高さがうかがえました。
ブースでは、太陽光発電やEVの導入、省エネ設備の活用、森林保全など、企業が実施するさまざまな脱炭素施策をどのようにクレジット化し、価値として流通させるかについて具体的な説明が行われました。単なる環境対応にとどまらず、脱炭素の取り組みを経済価値へと転換する手段として、カーボンクレジット市場の活用が注目されていました。
相談に訪れた企業は大企業に限らず、地域に根ざした中小企業や、新規事業としてカーボンクレジット創出を検討する企業など多岐にわたりました。脱炭素をコストではなく投資として捉え、収益機会につなげようとする動きが広がっていることが印象的でした。
脱炭素経営が進展する中で、排出量の削減だけでなく、その価値をいかに活用するかという視点が、今後ますます重要になることが示されました。
まとめ
脱炭素は特別な取り組みではなく、日々の業務の中でどう進めるかが問われていると感じた今回の脱炭素経営EXPO。現場の声からも、そのリアルな難しさと同時に、前に進もうとする動きが確実に広がっていることが伝わってきました。