経営・戦略

ASUENE Sustainability Roundtable開催レポート | SSBJ実務の最前線に立つ上場企業とともに、開示・保証対応の本質に迫る

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ASUENE Sustainability Roundtable開催レポート | SSBJ実務の最前線に立つ上場企業とともに、開示・保証対応の本質に迫る

2026年2月13日、アスエネ株式会社として初開催となる「ASUENE Sustainability Roundtable」を赤坂インターシティコンファレンスで実施しました。本イベントは、「SSBJ対応の課題と取り組みを学び、つながる場」をテーマに、東証プライム上場企業のサステナビリティ推進部長・責任者クラス約40名が参加。NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社執行役員の岸田氏、株式会社小森コーポレーションの平田氏をゲストに迎え、SSBJ対応をテーマとした講演およびラウンドテーブル形式の対話を行いました。

イベント終了後のアンケートでは参加満足度97%、さらに「次回も参加したい」との回答も100%という結果となり、制度対応が“実装フェーズ”へと移行する中で、実務責任者同士が率直に議論できる場の価値が改めて示されました。

SSBJ対応が理論から実装へと移る今、企業はどのような課題に直面し、何を優先すべきなのでしょうか。本レポートでは、当日交わされた議論と実務のリアルを振り返ります。

制度変化を経営課題へ。アスエネが描く戦略の方向性

開会にあたり、アスエネ株式会社 Founder 代表取締役CEO 西和田 浩平は、「最新の脱炭素外部環境とASUENEの戦略方向性」をテーマに講演を行いました。

SSBJ基準の整備が進むなか、企業に求められるのは単なる排出量算定ではなく、保証を前提とした開示体制の構築です。国際基準との整合、監査水準に耐えうるデータ管理、サプライチェーンを含めた統合的な可視化。脱炭素経営を取り巻く外部環境は急速に高度化しており、対応の遅れはそのまま経営リスクへと直結します。

ASUENEは、算定・可視化の領域を越え、保証対応、開示設計、データ統制までを一気通貫で支援するプラットフォームとして進化を続けています。本講演では、制度変化を「守りの対応」に終わらせず、「経営戦略」に転換する視点が提示されました。

「保証前提」の開示体制構築とは何か

続いて、アスエネヴェリタス株式会社 取締役CCO 小池 心平より、「SSBJに備えた開示・保証対応」をテーマに解説が行われました。小池は、KPMGあずさサステナビリティおよび有限責任監査法人トーマツにおいて統合報告書やGHG排出量の第三者保証業務、CSRD・ISSB対応アドバイザリーに従事してきた実務家であり、現在はアスエネヴェリタスにてGHG排出量の第三者保証および開示規制対応を統括しています。

SSBJ基準の構造や最新動向を整理しながら、企業が今押さえるべき論点として提示されたのは、保証を前提としたプロセス設計の重要性です。開示項目を満たすことと、保証に耐えうる体制を構築することは本質的に異なります。データの出所、根拠資料の整備、拠点横断での統制。どれもが実務上の難所であり、ここを曖昧にしたままでは、将来的な監査対応において大きな負担となります。

単なる制度理解だけでなく、「いま何から手をつけるべきか」という具体的な実務視点が共有され、参加企業にとって極めて実践的かつ示唆に富む内容となりました。

東証プライム上場企業が語る、SSBJ対応の現実

NIPPON EXPRESSホールディングス | グローバル企業が挑む、SSBJ対応の全体最適

「SSBJ対応に向けたNXグループの取り組みと課題」と題し、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 執行役員 サステナビリティ推進担当 兼 サステナビリティ推進部長の岸田 博子氏が登壇しました。講演では、SSBJ対応を単なる法令遵守にとどめず、物流を通じて社会インフラを支える企業としての説明責任の一環と位置づける姿勢が示されました。

同社では、ASUENEを活用しグループ全体のCO2排出量を算定・可視化。そのうえで、「測定 → 開示 → 削減 → 再開示」という実装サイクルの確立を進めています。排出量を正確に把握し、KPIで進捗を管理しながら成果を可視化する。一連のプロセスをグループ横断で統一し、保証を前提とした体制へと進化させることが、SSBJ対応の本質であると語られました。

グローバルに多数の拠点を有する同社にとって、最大の論点はデータ統制とガバナンス設計です。拠点ごとの運用差異や地域基準の違いを前提に、いかに全体最適を実現するか。また、荷主のScope3算定に必要な排出データを提供し、サプライチェーン全体の信頼性を担保することも重要な責務として共有されました。

さらに、災害や規制、炭素コストの変動といった外部環境への備えや、資本市場・社会からの信認維持の観点からもSSBJ対応を位置づけている点が印象的でした。制度対応を目的化せず、経営基盤強化へと昇華させる姿勢に、エンタープライズ企業としての覚悟がにじむセッションとなりました。

小森コーポレーション | 算定から保証まで、実装フェーズで見えた課題と突破口

続いて、「サステナビリティ・気候変動への取り組み事例」と題し、株式会社小森コーポレーション 開発推進部 環境推進係長 Green-PJ プロジェクトリーダーの平田 泰康氏が登壇しました。同社はASUENEを活用してCO2排出量を可視化し、そのデータを基盤に、ASUENE VERITASによる第三者検証を経て開示体制を高度化しています。

検証プロセスは、国内外拠点のエネルギー情報の網羅的な収集から始まりました。契約情報や使用量明細の整理、エネルギー種別・排出係数・算定式の確認など、基礎データの精緻化を徹底。さらに、主力工場への往査を通じて設備状況や算定範囲の整合性を確認するなど、机上の確認にとどまらない体制を構築しました。

排出量データの検証では、算定条件や排出係数の妥当性まで踏み込んだ確認を実施。ASUENE上で一元管理されたデータを基盤とすることで、検証時の修正作業や二重管理の負担を抑えながら、確実性と効率性を両立させたといいます。外部開示原稿についても、数値だけでなく算定条件の妥当性まで検証を行い、保証水準を引き上げました。

印象的だったのは、第三者保証の取得をゴールとせず、運用プロセスの改善につなげている点です。算定精度の向上とデータ統制の高度化は、単なる開示対応を超え、社内の環境データ活用レベルを引き上げる契機となりました。SSBJ対応を実装フェーズで進める企業のリアルが示されました。

実務責任者同士が本音で向き合う、SSBJ対応を見据えた企業横断の戦略対話

後半はラウンドテーブル形式でのディスカッションを実施しました。アスエネ社員が各テーブルのファシリテーターを務め、参加者同士が自社の取り組み状況や課題を共有。普段は交わることの少ない他社の実務責任者同士が率直に意見を交わす、密度の高い対話の時間となりました。

「他社はどこまで進んでいるのか」「保証対応で最も難しい点は何か」「社内をどう巻き込んでいるのか」。制度の解説だけでは得られない、現場の温度を伴った議論が交わされました。

本セッションは、答えを提示する場ではなく、各社が自社の課題を明確にし、次の一手を考えるための場として設計されています。サステナビリティ経営における“横のつながり”の価値を改めて実感する機会となりました。

企業同士をつなぐ、脱炭素経営推進の中核コミュニティ

講演およびラウンドテーブルの後には、参加企業による交流会の時間を設けました。SSBJ対応という共通のテーマを背景に、実務責任者同士が立場を越えて対話する機会となりました。

制度対応が本格化する中で、同じ課題に向き合う企業担当者同士が率直に意見を交わせる場は決して多くありません。業種ごとに近いテーマを持つ企業同士の会話では、各社が直面する実務上の論点や工夫が共有され、自然と議論は深まりました。特に化学・食品分野の参加者からは、具体的な運用課題やデータ管理の悩みなど、実務に踏み込んだ意見交換がなされました。

参加者からは「話しやすい雰囲気だった」「実務の本音を共有できた」といった声も寄せられています。単なる名刺交換にとどまらず、次のアクションにつながる対話が生まれる時間となりました。

SSBJ対応のパートナーとして

本イベントのアンケートでは、満足度97%、次回参加意向100%という結果となりました。特に「他社担当者との有益な情報交換ができた」「自社課題に直結する学びがあった」という回答が多く、制度理解を超えた実務的価値が評価されたことがうかがえます。

同時に、参加者からは次回開催に向けた具体的なテーマの要望も多く寄せられました。保証取得に向けた内部統制の設計、Scope3算定の高度化、海外拠点を含むデータ統合、サプライヤー巻き込みの実践例など、より踏み込んだ論点に対する関心の高さが印象的でした。SSBJ対応が本格的な実装フェーズに入りつつあることを物語っています。

SSBJ対応は、一時的なプロジェクトではなく、継続的な体制構築を要する取り組みです。算定、開示、保証、サプライチェーン管理までを包括的に設計できるかどうかが、企業の信頼性を左右します。

アスエネは今後も、エンタープライズ企業の実務責任者とともに、制度の先を見据えたサステナビリティ経営の実装を支援してまいります。

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