ウォームビズとは、冬季のエネルギー消費を削減し、環境への負荷を減らすために推進されている取り組みです。暖房の温度設定を低く保ちながら、衣服や体温調整を工夫して温かさを感じる方法が特徴です。この取り組みは、省エネルギーを実現しつつ、快適に過ごすための工夫が詰まっています。
特に家庭やオフィスで積極的に取り入れられており、エネルギー消費を減らし、地球温暖化防止にも貢献します。この記事では、ウォームビズの基本的な概要とともに、実践ポイントについても詳しく解説します。
ウォームビズとは
ここでは、ウォームビズについて紹介します。ウォームビズは、寒い季節に効率よく暖を取るための方法として注目されています。その目的や概要について、これから詳しく見ていきます。
ウォームビズの概要
ウォームビズとは、冬季に暖房の使用を控え、衣服や寝具を工夫して暖かさを確保する省エネルギー活動です。暖房の設定温度を上げるのではなく、室内で暖かく過ごすための衣服やひざ掛けなどを活用します。
この取り組みは、家庭や職場、公共施設でも広まり、省エネや温暖化対策として注目されています。また、エネルギーコストの削減にもつながり、経済的にも大きなメリットです。このように、ウォームビズは、環境への配慮と共に、寒い季節を快適に過ごすための重要な方法として広く実践され始めています。
出典:環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」
出典:環境省「WARM BIZ(ウォームビズ)とは」
ウォームビズの目的
ウォームビズの目的は、冬季の暖房使用を控え、エネルギー消費を削減することで、地球温暖化を防止することです。暖房の設定温度を上げる代わりに、衣服や寝具を工夫して暖かさを確保します。これにより、CO2排出量の削減が促進され、温暖化への対策になります。
この取り組みは家庭や職場などで実践しやすく、暖房によるエネルギー使用を抑えることで環境にやさしい生活を実現可能です。また、エネルギー使用量の削減は、エネルギー資源の無駄を減らし、持続可能な社会づくりに貢献する重要なステップとなります。
出典:環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」
出典:環境省「WARM BIZ(ウォームビズ)とは」
ウォームビズの期間と効果
続いては、ウォームビズの期間と効果について解説します。ウォームビズは主に冬季に実施され、特定の期間中にエネルギー消費の削減を目指します。この取り組みは環境保護だけでなく、経済的なメリットももたらすため、広く実践されています。それでは、ウォームビズの期間とその効果について詳しく見ていきます。
ウォームビズの期間
ウォームビズの期間は、主に11月から3月末までの冬季に実施されます。この期間は寒さが厳しくなるため、暖房の使用が増加しがちですが、ウォームビズでは暖房の温度設定を控えめにし、衣服や寝具を活用して暖かさを確保します。これにより、暖房のエネルギー消費を削減し、CO2の排出を減らすことが可能です。
また、家庭やオフィスで簡単に実践でき、日常生活に取り入れやすい取り組みとして広まりました。特に冬の間に集中して行うことで、より効果的な省エネが期待され、温暖化対策に貢献します。この期間の実施により、冷暖房費用の節約にもつながり、経済的にもメリットが期待できます。
出典:環境省「「ウォームビズ」の実施期間は、11月~3月末までのあと一ヶ月。 歩いて体を温めて、「ウォームビズ」を実践しよう!!」
ウォームビズの効果
ウォームビズで得られる効果は、主に以下の2つです。
- CO2削減
- 電気代の節約
それぞれ詳しく解説します。
■CO2削減
ウォームビズの目的は、CO2の削減です。冬季に暖房の使用を控えることにより、エネルギーの消費を抑え、温室効果ガスの排出を減らすことができます。暖房の設定温度を上げるのではなく、衣服や寝具を工夫して暖かさを保つことで、暖房にかかるエネルギーを減らし、CO2排出量の削減が実現します。
この取り組みは、家庭や企業で広く実施されており、地域全体での環境負荷軽減にも貢献しています。このように、ウォームビズを実施することで地球温暖化の進行を抑え、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことができます。
■電気代の節約
ウォームビズは、暖房の使用を控えることで電気代を抑える効果があります。暖房の温度を下げ、衣服や寝具で暖かさを確保することで、暖房を使う頻度を減らすことができます。特に冬の間は暖房の使用が多く、電気代がかさみやすいため、ウォームビズの実践が効果的です。
この取り組みは、家庭でもオフィスでも簡単に取り入れることができ、エネルギー消費を抑えることで、毎月の電気代を大きく削減することが可能です。少しの工夫で節約効果が得られるため、長期的に続けやすい方法です。
企業がウォームビズを実践するポイント
企業がウォームビズを実践するポイントについて解説します。温暖化対策と省エネルギーを両立させるため、企業でも簡単に取り入れられる方法です。具体的な取り組み方を知り、エネルギーコスト削減にもつなげてみてください。
【衣】ウォームビズ・サステナブルファッションの推奨
ウォームビズをファッションで取り組む方法は、暖房の使用を控える代わりに衣服を工夫して暖かさを保つことです。例えば、重ね着や温かい素材の服を選ぶことで、室内でも快適さを維持できます。
企業では、社員に軽量で暖かいユニフォームやカーディガンを提供し、室内温度設定を控えめに保つことがエネルギー削減に貢献します。また、サステナブルファッションを推進することで、無駄な消費を減らし、環境への負荷を軽減することが可能です。
さらに、快適でおしゃれな服装をはじめ、TPOに応じた服装の自由化を進めることで、クウォームビズがより普及し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが広がります。
出典:環境省「「デコ活」 ~くらしの中のエコろがけ~ 脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」P23,P24(2025/06)
【住】省エネ・再エネ機材の導入
ウォームビズを省エネ・再エネ材で取り組む方法は、暖房の使用を控え、エネルギー効率の良い設備や再生可能エネルギーを活用することです。企業では、エネルギー効率の高いLED照明や高断熱の窓を導入し、暖房負担を減らすことが期待できます。
また、再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電)を活用することで、CO2排出量を削減し、持続可能なエネルギー利用を促進することも可能です。それに加え、社員にエコな暖房対策を啓発し、省エネを実践する環境を整えることが重要です。
これにより、企業は環境への貢献とコスト削減を実現できます。
出典:環境省「「デコ活」 ~くらしの中のエコろがけ~ 脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」P19,P20,P21,P22(2025/06)
【就】環境負荷の少ない移動手段の導入・推奨
社員の通勤においてエコな移動手段を積極的に取り入れることは、企業がウォームビズを実践する上で重要な取り組みです。例えば、企業は、駐輪場の設置や交通費補助を行うことで電車や自転車通勤を推奨し、さらに社用車に電気自動車を導入するなどが挙げられます。
また、テレワークの導入と推奨により、通勤によるエネルギー消費やCO2排出を減らし、温暖化対策に貢献することが可能です。このように、環境負荷の少ない移動手段を推奨することで、ウォームビズの効果が期待できます。
出典:環境省「「デコ活」 ~くらしの中のエコろがけ~ 脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」P27,P28(2025/06)
ウォームビズの取り組み事例
ウォームビズの取り組みは、多くの企業や団体で実践されています。ここでは、実際にどのような方法でウォームビズを導入しているのか、いくつかの事例を紹介します。
日本百貨店協会での取組
一般社団法人日本百貨店協会ではウォームビズの取り組みとして、積極的な外気の取り入れ等による空調管理を行っています。また店内では、冬を暖かく過ごすための、アイテムや節電グッズを衣・食・住の売場に展示・販売します。
出典:環境省「令和3年度 ウォームビズについて」(2023/10/29)
日本チェーンストア協会での取組
日本チェーンストア協会ではウォームビズへの協力として、店舗内の室温の適正管理を会員企業へ要請しています。さらに体が温かくなる料理や食材、個室で過ごすかわりに家族集まって団らんすることや保温効果の高い服装を選択することで暖房の効率化を提案するなど、ライフスタイルの変革によるウォームビズの普及に取り組んでいます。
出典:環境省「令和3年度 ウォームビズについて」(2023/10/29)
仙台市の事例
仙台市役所では、2024年11月11日から2025年3月31日までウォームビズを実施しています。具体的には重ね着などの工夫によって、暖房時の室温の目安を20℃とし、温室効果ガスの排出削減を目指しています。また市のホームページでは職場や家庭でできるウォームビズの取り組みとして、タートルネックの着用やしょうがの入った飲み物などを紹介しています。
出典:仙台市「ウォームビズを実施しています」(2024/11/11)
まとめ:ウォームビズを推奨して環境保全への貢献を図る
ウォームビズは、暖房器具の使用を少し控えて環境配慮につなげるという、誰でも簡単にできる脱炭素の取り組みです。室内でも暖かい服装をする、体が温まる飲み物・食べ物を摂るなどのちょっとした工夫で、室温をむやみに上げなくても快適に過ごすことができます。ただし寒いのに我慢して風邪をひいてしまっては、元も子もありません。体調や気温とのバランスも考慮し、無理なく適切な暖房削減を目指すことが重要です。
企業でも従業員に対してウォームビズを推奨し、環境保全への貢献を図りましょう。