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日本でも注目!サステナビリティ・リンク・ローンとは?意味やメリットを解説

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日本でも注目!サステナビリティ・リンク・ローンとは?意味やメリットを解説

日本では、環境・社会面における企業の持続可能な経済活動の促進を目的とするサステナビリティ・リンク・ローンの普及拡大が見込まれています。

この記事では、サステナビリティ・リンクローンについての理解を深めたいとお考えの法人の皆さまが知っておくべき、サステナビリティ・リンク・ローンの概要や世界や日本での普及状況、貸し手と借り手のメリット、日本での活用事例についてご紹介します。

INDEX

サステナビリティ・リンク・ローンに関する基礎知識

ESG投資の普及拡大を背景に、欧州を中心に日本においてもサステナビリティ・リンク・ローンの普及が進んでいます。ここでは、サステナビリティ・リンク・ローンの概要や世界や日本での普及状況についてご紹介します。

サステナビリティ・リンク・ローンとは

サステナビリティ・リンク・ローンは略語のSLLで表記されることもあります。サ

ステナビリティ・リンク・ローンとは、企業が設定したSDGsやESG戦略に整合する野心的な目標の達成に応じて金利などが変動する融資であり、環境・社会面における企業の持続可能な経済活動の促進を目的としています。

出典:環境省『グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン 2022年盤』

出典:日経新聞『サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)(2020/9/12)』

世界での普及状況

ESG投資の普及拡大に伴い、2018年度から、世界においてサステナビリティ・リンク・ローンの普及が急激に進んでいます。融資額と融資件数は以下のように推移しており、地域別に見ると欧州での普及が進んでいます。

融資額と融資件数の推移
地域別の融資額と融資件数の推移
 融資件数融資額(億米ドル)
2014年度00
2015年度00
2016年度11
2017年度1355
2018年度58503
2019年度1311315
2020年度82820
2021年度1491120

出典:環境省『サステナビリティ・リンク・ローン発行データ 市場普及状況(国内・海外)』

日本での普及状況

サステナビリティ・リンク・ローンの普及拡大を目的とし、2020年に「グリーンボンドガイドライン2020年版」並びに「グリーンローン及びサステナビリティ・リ ンク・ローンガイドライン2020年版」を改訂・策定して以降、2年強が経過しました。

日本においても「リーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」策定後の2021年に特に融資件数と融資額が大きく伸び、今後10年間に国内で150兆円超の 投資が必要とも言われている中で、官民の投資を総動員していくことが必要であり、グリーンボンド をはじめとするグリーンファイナンスは、ますます大きな役割を果たすことが期待されています。

出典:環境省『「グリーンボンドガイドライン及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版」、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」の公表について』

出典:環境省『サステナビリティ・リンク・ローン発行データ 市場普及状況(国内・海外)』

サステナビリティ・リンク・ローンには借り手にも貸し手にもメリット

サステナビリティ・リンク・ローンを借りる側にも貸す側にもメリットがあります。ここでは、サステナビリティ・リンク・ローンを活用するそれぞれメリットメリットについてご紹介します。

借り手の3つのメリット

[1]サステナビリティ経営の高度化

サステナビリティ・リンク・ローンを利用するために準備をすることは、企業内におけるサステナビリティ戦略やリスクマネジメント、ガバナンスの体制整備につながります。

[2]企業のイメージ向上

サステナビリティ・リンク・ローンで資金調達することで、環境面における持続可能な経済活動に関心のある企業であることを他の企業や投資家などにアピールするできます。

[3]サステナビリティパフォーマンスの向上によるインセンティブ

サステナビリティ・リンク・ローンは、目標達成により金利などの融資条件が変動します。企業は設定した野心的な目標に取り組むことで、金利など融資条件面でメリットを得ることができます。

出典:環境省『グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン 2022年盤』

持続可能な社会実現への貢献!貸し手の2つのメリット

[1]社会的な支持の獲得

サステナビリティ・リンク・ローンで企業に融資することは、SDGsやESG戦略をする企業への支援になり、その事実は社会的な支持の獲得にもつながります。

[2]環境問題への貢献

貸し手は、融資による利益を得るだけでなく、環境問題へ取り組む企業への支援になることから、間接的に環境問題に貢献できます。

出典:環境省『グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン 2022年盤』

サステナビリティ・リンク・ローンの事例をご紹介

日本で普及が進むサステナビリティ・リンク・ローンは、今後さらなる普及拡大が見込まれています。ここでは、サステナビリティ・リンク・ローンに融資している金融機関や、サステナビリティ・リンク・ローンの借り手となった企業の例をご紹介します。

・滋賀銀行

滋賀銀行は滋賀県と連携し、サステナビリティ・リンク・ローンを実施しています。滋賀銀行と借り手となる企業で話し合いにより挑戦目標を設定し、目標が達成されると金利などの融資条件が優遇されます。滋賀銀行はサステナビリティ・リンク・ローンにより滋賀県におけるカーボンニュートラルの実現と借り手の企業価値の向上を目指しています。

出典:『しがぎん』サステナビリティ・リンク・ローン』

・清水建設株式会社

清水建設は、東京都中央区に本社を置く大手総合建設会社です。清水建設は、建設業界で初となるサステナビリティ・リンク・ローンの借り手となっています。清水建設は、建設事業におけるCO2排出量を削減し、脱炭素に取り組む考えを示しています。清水建設の考えに賛同したみずほ銀行や農林中央金庫が清水建設に融資を決定しています。

出典:清水建設『建設業界初、サステナビリティ・リンク・ローンで資金調達~200億円のコミットメントラインを設定~』(2021/3/31)

まとめ:サステナビリティ・リンク・ローンへの理解を深め、利用を検討しよう!

SDGsやESG戦略と関係が深いサステナビリティ・リンク・ローンは、世界では2018年以降の利用件数が増えています。

日本においては、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」策定をきっかけに増加し、今後の普及拡大も見込まれています。借り手も貸し手も環境問題への貢献ができるため、社会的支持の獲得や新たなビジネスチャンスを期待できます。サステナビリティ・リンク・ローンへの理解を深め、利用を検討されるのも良いかもしれません。

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