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カーボンオフセット燃料を導入する方法とは?実際の事例を紹介

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カーボンオフセット燃料を導入する方法とは?実際の事例を紹介

カーボンオフセット燃料を導入することで、企業は脱炭素化を推進し、CO2排出を相殺できます。この燃料は、製造から消費までの過程で発生するCO2を、森林保全や再生可能エネルギー事業への投資などで相殺し、実質的な排出量ゼロを目指します。

これにより、企業は自社の環境負荷を低減し、気候変動対策への貢献と持続可能な社会への責任を果たすことができます。

また、カーボンオフセット燃料の導入は、企業の社会的責任を高め、ブランド価値の向上にも繋がります。本記事では、カーボンオフセット燃料の仕組みや種類を解説し、企業がどのように取り組むべきかを実際の事例を通して紹介します。

INDEX

カーボンオフセット燃料とは?

まずは、カーボンオフセット燃料について、概要と主な販売企業を解説します。

(1)概要

カーボンオフセット燃料は、燃料使用時に発生するCO2排出を相殺する仕組みを持つ燃料です。通常の燃料は燃焼時にCO2を排出しますが、カーボンオフセット燃料は、Jクレジットやボランタリークレジットを活用し、その排出量を相殺する活動に投資します。

Jクレジットは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用、森林管理などを通じて削減されたCO2を国が認証する制度で、これに基づくクレジットが燃料に付与されます。

企業がこの燃料を使用することで、実質的にCO2排出量をゼロにし、脱炭素社会の実現に貢献します。カーボンオフセット燃料の導入は、企業の環境負荷低減と温室効果ガス排出削減に重要な役割を果たします。

出典:群馬銀行「カーボンオフセット燃料の導入について」

(2)主な販売企業

カーボンオフセット燃料の主な販売企業には「出光興産株式会社」と「ENEOS株式会社」があります。

出光興産は、新たに「出光カーボンオフセットfuel J」の販売を開始しました。この商品は、ボランタリークレジットを活用することで、燃料の使用に伴い排出されるCO2を相殺する仕組みを採用しています。

一方、ENEOSは、「ENEOSカーボン・オフセット燃料」の提供を開始しました。これには、ボランタリークレジットにて100%、50%、10%の割合でオフセットした商品に加え、顧客の要望に応じてJ-クレジットを活用したカスタマイズ可能なオフセット商品など、ラインナップが充実しています。

今後、出光興産やENEOSに加え、他の企業によるカーボンオフセット燃料の販売が増加すると予想されます。脱炭素化に向けた取り組みが進む中、カーボンオフセット燃料を導入する企業や自治体は増加する見込みです。

この動きは、温室効果ガス排出量の削減に繋がる重要な要素となると考えられています。

出典:群馬銀行「カーボンオフセット燃料の導入について」

カーボンオフセットカーボンオフセット燃料の導入が開始された背景

カーボンオフセットは、日常生活や経済活動におけるCO2排出を可能な限り削減し、それでも避けられない排出量を、排出削減活動や吸収活動への投資によって埋め合わせる仕組みです。

この取り組みは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指す国際的な動きの一環として推進されています。日本では、2008年にオフセット・クレジット(J-VER)制度が設立され、2013年からはJ-クレジット制度として統合されました。

この制度は、省エネ設備や再生可能エネルギーの導入、森林整備などによる排出削減や吸収量を認証し、信頼性の高いクレジットを提供しています。また、ガソリンや灯油などの燃料にもカーボンオフセットが導入され、燃料の使用に伴うCO2排出量を相殺する取り組みが広がっています。

さらに、家庭や中小企業、自治体の省エネ投資を促進し、国内での資金循環を創出することで、環境と経済の両立を目指しています。

出典:環境省「J-クレジット制度及びカーボン・オフセットについて」

カーボンオフセット燃料を導入している企業の事例

カーボンオフセット燃料の活用は、企業・機関にも広がりを見せています。環境負荷の低減や脱炭素経営の推進を目的に、各社がさまざまな取り組みを進める中、群馬銀行もその一環として導入を決定しました。具体的にどのように活用されているのか、群馬銀行の取り組みを紹介します。

(1)群馬銀行

群馬銀行は、2024年に本店ビルおよび電算センターで使用する重油に「出光カーボンオフセットfuel J」の導入を決定しました。この取り組みは、同銀行が掲げる温室効果ガス排出量削減目標「2030年度 ネットゼロ」の実現に向けた一環です。

群馬銀行は、これまでにも脱炭素化に向けたさまざまな取り組みを進めており、例えば、オンサイトPPAを活用して県内4店舗に太陽光発電設備を設置したり、ネーミングライツを取得した「ぐんぎん尾瀬片品発電所」の電力に切り替えるなど、積極的な環境対応を行っています。

今回導入する「出光カーボンオフセットfuel J」は、J-クレジットを付与した燃料であり、燃料の使用によって排出される温室効果ガスをオフセットできる点が大きな特徴です。これにより、群馬銀行が使用する重油の約9割が温室効果ガス排出量実質ゼロとなり、同銀行が排出している温室効果ガスの約7%を占める「年間約346.5トン」のCO2削減が見込まれています。

出典:群馬銀行「カーボンオフセット燃料の導入について」

まとめ:カーボンオフセット燃料を導入し、環境価値と企業価値の向上へ

カーボンオフセット燃料の導入は、企業が脱炭素化に向けた取り組みを加速し、環境負荷の削減に貢献する効果的な手段です。群馬銀行の事例に見るように、温室効果ガス排出を相殺することで、企業は持続可能な社会の実現に向けた責任を果たすとともに、環境意識の高い企業としての信頼を築くことができます。

こうした取り組みは、投資家や顧客との関係を強化し、企業価値を高める要因の1つです。さらに、脱炭素化への積極的な姿勢は、社会的な評価や競争力を向上させ、企業の成長に繋がります。今後、カーボンオフセット燃料の導入が、多くの企業にとって重要な選択肢となり、持続可能な社会づくりに貢献していくことが期待されます。

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