ユカワ化工油株式会社
その他
公開日: 2025年10月26日
            
                                                                ・製品の独自優位性をお客さまにアピールするため、主力製品のLCAを算定したい
・当社製品の有用性を定量的に数値化し、使用したお客さまの製品価値も高めたい
・SuMPOの新データベース「CORD」を活用して精緻な算定、開示をしたい                                                            
                                                                ・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
・CFP/LCA算定SaaS                                                            
                                                                ・スコープ1-3と当社の環境配慮型製品のLCA算定が完了した
・環境配慮型製品のLCA算定が有用性を示すための新たな課題に直面
・より多くの企業が排出量の算定に着手することで、社会全体での課題解決が望まれる                                                            

ユカワ化工油株式会社は、1963年の創業以来、金属部品の切削加工現場で使われる潤滑油・切削油の製造、販売を行っています。主な取引先は自動車の部品製造業で、ティア3のお客さまが多いことが特徴です。自動車や航空機などの部品を加工する工程で、さまざまなサプライヤーが当社の切削油を活用して金属部品を製造し、各メーカーに納めています。 当社の主要製品は、環境負荷低減のために開発した切削油「beacon(ビーコン)」です。これまでの油は、劣化すると全量交換、廃棄となり、CO2を排出するばかりでした。しかし、当社製品は、油の性能を回復させるシステムを導入することで、交換期間を延長し、切削油の購入量と廃棄量を削減することで、コストとCO2排出量削減に大きく貢献できます。お客さまの中では、油の購入量が3分の1になった事例もあります。 当社は、自動車部品の原料メーカーとしてCO2排出量を見える化することで、自動車業界全体のサプライチェーンの脱炭素化にボトムアップで貢献するため、「アスエネ」を導入して、3年ほど前からスコープ1-3の算定をしてきました。そこから、さらに一歩踏み込んで、当社の製品独自の優位性をお客さまにアピールするため、「beacon」のLCA算定に取り組むことにしました。 一般的に、切削油は、炭化水素を主成分とする鉱物油が主な原料のため、どうしても製造時にCO2が排出されてしまいます。当社の「beacon」が、CO2排出量削減に有用であるということを定量で示せば、お客さまの排出量削減に貢献し、製品価値も高めることができると考えました。

当社は元々、環境省のデータベースを使ってLCA算定をしていましたが、この算定方法では精緻な結果が出せませんでした。実際に削減につなげていくには、まず「見える化」が必要であり、その精度が成果の信頼性を左右します。加えて、ただ算定値が小さいだけではなく、想いを持って開発した製品が、単なる数字の大小ではなく、社会にどれだけのインパクトを与えられるのかを示すためには、よりきめ細やかな原単位を用いたLCA算定が必要だと感じていました。その背景から、CFP/LCA算定に必要な原単位を取り揃えているSuMPO(一般財団法人サステナブル経営推進機構)のデータベースを活用できるサービスを探していました。 当社は「アスエネ」を3年間使っているので、その流れで、LCA算定もアスエネにサポートを依頼することにしました。「アスエネ LCA」のカスタマーサポートチームは知識レベルが高く、どんな質問にも的確に回答を返してくれました。「アスエネ LCA」を導入したおかげで「beacon」のLCAをスムーズに算定することができました。 LCAを見える化したことで、当社にとって新たな課題も明らかになりました。まず、「アスエネLCA」でSuMPOの排出原単位を使ってLCAを算定したところ、環境省のデータベースIDEAで算定した数値よりも排出量が大きくなるという結果が出ました。「アスエネLCA」に搭載されているSuMPOのデータは、より原材料を絞って原単位を選定できるため、実態に即した精緻なLCAが算定できます。環境省のデータで算定しているお客さまとの面談では、「アスエネLCA」を使って算定したデータをもとに説明するようにしています。 LCAの算定は、「環境配慮型製品」という新しい価値をどう社会に伝えていくかという、前向きな挑戦でもあると捉えています。「アスエネ」で見える化を継続してきたからこそ気づけたものであり、次の一手を考える出発点となりました。 こうした制度やデータ設計上の壁は、スコープ1-3の算定でも存在します。たとえば当社では、スコープ1削減を目的にEV(新車で500万円)を導入したところ、スコープ3カテゴリ2(資産)で排出量が増加するという課題が生じました。現在は、中古車(180万円)を購入することで、より全体最適でスコープ3の削減をするための実験も進めています。 「アスエネ」で3年以上にわたりスコープ1-3を算定したことで、当社の脱炭素の取り組みと現在地が見える化でき、進むべき道は正しいと再確認することができました。

脱炭素の流れは不可逆です。だからこそ、多くの企業がCO2排出量の見える化・削減を進めていく必要があります。これは待ったなしの状況で、規制や制度が変わってから動くのでは遅く、特にCO2排出が多いとされる自動車業界として取り組みが出遅れることは避けたいです。 大手企業に限らず、サプライヤーにあたる中小企業も「アスエネ」でCO2排出量の見える化を行い、自分たちの現在地を把握することが、業界全体の脱炭素化の底上げにつながります。特に中小企業は把握するべきスコープが比較的狭いので、削減目標を明確にして挑戦すれば、すぐに目標を達成できると考えています。 より多くの企業が「アスエネ」で算定に挑戦し、知見が集まることで、精度の高い集合知が形成され、制度やルール設計にも好循環が生まれます。今はまだ、CO2排出量の削減の取り組みは会社単位の努力にとどまっており、時にはジレンマを感じることもあります。しかし、算定する、知見を集めるなどの積み重ねが、将来的にはサプライチェーン全体での脱炭素化を実現し、無駄なコストの削減と事業性とも両立できる持続可能なモデルを築いていくことにつながると確信しています。 当社はスコープ3を算定したことで、取引先企業からの信頼が向上し、ビジネス上の競争優位にもつながっています。当初はエシカルな取り組みと捉えていたCO2算定も、今では企業として果たすべき責任であり、未来への投資であると考えるようになりました。現在、スコープ1-3の算定やLCAの透明性は、企業の信用やビジネスチャンスに直結する時代になっています。 また、「長く使う」「無駄を出さない」「廃棄しない」がコンセプトの「beacon」は、これからの時代、カーボンニュートラルの実現のためにはお客さまにとっても必要となる商品です。「beacon」の環境価値の優位性を見える化して、より多くのお客さまに選んでいただけるように、引き続きアスエネと相談しながら、算定と開示を進めていきたいです。 私たちは次世代を担う子ども達に対して、当社の脱炭素への考えや取り組みを、胸を張って情報開示・発信する企業であり続けたいです。サプライチェーンの中で自分たちができることから始めるために、「アスエネ」で定量的なデータを取得・開示・分析し、CO2排出量削減への歩みを止めません。
                                ユカワ化工油株式会社 業種: 金属加工油剤の調配合及び販売、工業用潤滑油の販売 社員数: 26名 住所: 愛知県岡崎市 工業用油剤の製造販売をする創業52年を迎えるメーカーです。2004年に、油剤業界では初となるクーラント遠隔監視システムを構築し、水溶性切削油剤の製品寿命の検証を行いました。また、独自の潤滑試験メソッドで、市販されている切削油の耐荷重能値を集めたデータベースを作成し、実加工での評価と照合、解析して顧客へ生産性向上の提案に活用しています。鉱物油を含まない透明切削剤「beacon」と、不水溶性切削油「ユカワカットSAFシリーズ」を販売しています。 ※掲載内容は取材当時のものです。
アスエネ株式会社
営業本部 カスタマーサクセス Manager
当初より、スコープ1-3のCO2排出量の見える化で「アスエネ」を活用していただきありがとうございます。サプライヤー企業として、自動車や航空機の部品製造業のスコープ3削減に寄与すべく、自社で見える化を行っていらっしゃいます。サプライチェーン全体の排出量削減に貢献できるカーボンニュートラルな切削油づくりの一助になるべく、今後もご支援してまいります。
                コンサル
                
            
                上場企業
製造業・メーカー
                
            
                製造業・メーカー
                
            
                上場企業
小売・卸売
医療ヘルスケア
                
            
                小売・卸売
                
            
                上場企業
その他
                
            
                上場企業
製造業・メーカー
                
            
                上場企業
製造業・メーカー
                
            
                上場企業
飲食・宿泊
                
            
                上場企業
小売・卸売
                
            
                上場企業
飲食・宿泊
製造業・メーカー
                
            
                上場企業
金融・保険
                
            
                上場企業
その他
                
            
                
                
                ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。

                                        

アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。

                                        

ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現

                                        

アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

                                        
                        アスエネを利用することで、CO2排出量の可視化を行うだけではなく、
脱炭素を行い企業価値の向上ま でコンサルサービス・削減ソリューションの紹介を通じサポート。
                    


TCFD/TNFD開⽰⽀援、CDP回答⽀援、CSRD開示支援、有価証券報告書作成⽀援、B Corp認証取得⽀援、SBT取得⽀援