山口証券印刷株式会社
製造業・メーカー
工数削減
ノウハウ不足
中小企業
サプライチェーン
報告・開示
海外規制対応
代表取締役社長 山口さま
公開日: 2025年11月28日
・環境へ配慮した取り組みは進めていたが、定量で示せていなかった
・大手企業のスコープ3開示義務化を前に、排出量の算定を求められる可能性がある
・自社のみでCO2排出量の算定を行うには知識不足と業務負荷が大きい
・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
・算定のプロセスが明確になり、CO2排出量の見える化の第一歩を踏み出せた
・環境に配慮した対応を「なんとなく」から「定量での判断」にする道筋が見えた
・今後の大手取引先からの要請や社会的要請に備え、持続可能な環境経営の基盤が整った

山口証券印刷は、創業当時から切符の印刷を主要事業としており、京成電鉄、西武鉄道、東急電鉄など大手鉄道会社との取引が続いています。国内では切符を目にする機会が減りましたが、交通系ICカードを利用しない外国人観光客など、一定の利用者層がいるため、裏面が磁気の切符は今も継続して製造しています。また、鉄道会社が発行する記念乗車券や記念切符、その台紙デザインまで一括して受注しており、こうした鉄道会社からの需要が今なお残っています。
また、時代とともに印刷物の形が変化しています。現在は、コンビニなどで販売される店頭購入型プリペイドカードの事業が、売上の主力になるまでに成長しました。クレジットカードを持たない層の決済手段、子どもへのお小遣いやギフト需要など幅広い場面で利用されています。当社はこうした需要に応える形で、グローバル展開する大手企業との取引を拡大しています。
さらに印刷物に付随したシステム開発・アプリ開発や、文具を中心とした新規事業により事業領域を広げています。従業員数は現在約80名で、少しずつ人数を増やしながら着実に成長を続けています。
当社の強みは、切符や店頭購入型プリペイドカードのように、社会インフラを裏側から支える「目立たないが欠かせないもの」を提供している点にあります。加えて、カードや文具、記念品といった「形として残るもの」の需要が一定数あり、当社が長年培ってきた印刷技術が活きる領域でもあります。
当社のサステナビリティへの意識が一段と高まった背景には、店頭購入型プリペイドカード事業を通じて大手クライアントとの取引が増えたことがあります。現時点で取引先から具体的な環境対応を求められたわけではありませんが、自然と関連する報道や社会の動向に目が向くようになりました。
当社ではもともと、環境配慮型の取り組みをいくつか進めていました。例えば、カーボンニュートラル印刷機の導入やプラスチック使用量の削減、FSC認証*の取得などです。プリペイドカードも、早い段階でプラスチックに近い耐久性を持つ紙素材に切り替え、「脱プラスチック」を積極的に推進してきました。リサイクルできる紙に切り替えたことで、環境負荷を最小限に抑えていくことが重要だと考えています。
一方で、「どこまで取り組むべきか」という明確な基準や要請が存在しなかったこともあり、CO2排出量を算定し、見える化するところまでは踏み込めていませんでした。また、排出量の算出には専門的な知識と仕組みが必要であり、「自社だけで取り組むのは難しいのではないか」というイメージが強く、なかなか最初の一歩を踏み出せない状況が続いていました。

当社が本格的にシステム導入へ踏み出す決定的なきっかけとなったのは、スコープ3開示をめぐる社会的な動きです。サステナビリティ基準審議会(SSBJ)が策定した基準に沿って、2027年には、一部上場企業を対象にスコープ3排出量の報告が義務化される予定です。当社の主要取引先である大手企業もその対象となる可能性が高いと見られています。いずれは自社にもCO2排出量の開示や情報提供が求められるだろうという見通しから、早めに準備を始める必要性を強く感じていました。
ちょうどその頃、東京都中小企業振興公社経由で、東京都の補助金の活用により、「アスエネ」を最初の半年間は無償で導入できるという情報に触れました。この補助金の後押しがあったことが、導入を決断する大きな理由となりました。
「アスエネ」は、自力では難しいCO2排出量の算定・見える化のプロセスを、分かりやすい仕組みとして提供してくれるという印象を強く持っています。当社はCO2排出量の見える化についてまさに勉強を始めた段階であり、「アスエネ」の導入とコンサルタントのサポートを通じて、CO2排出量の見える化を本格化させ、環境対応を加速させたいと考えています。あわせて、社内のサステナビリティ教育や研修の強化にもつなげていく方針です。

これまでも当社は、環境配慮型の取り組みを続けてきましたが、その多くは「環境に良さそう」という感覚的なレベルに留まっていました。一方で、主要な取引先である大手企業からの要請は今後確実に強まってくることが予想され、また社会の大きな流れも脱炭素へ向かっていくと感じています。当社はこうした状況を踏まえ、今回のアスエネ導入を契機に、本格的に脱炭素への取り組みを強化していく方針です。
当社の事業は、切符や店頭購入型プリペイドカードのように、日常生活のなかで当たり前に使われる社会インフラを裏側から支える黒子的な役割を担っています。だからこそ、目立たない領域であっても、環境に配慮した取り組みを継続的かつ着実に積み上げることが、社会全体への貢献につながると考えています。
*FSC認証:適切に管理された森林由来の紙を使用していることを示す認証
山口証券印刷株式会社 業種: 印刷物・加工物全般の印刷業 社員数: 約80名 住所: 東京都千代田区外神田 大正10年の創業以来、きっぷを中心とした有価証券の製造を手掛けています。近年では店頭購入型のネット決済専用プリペイドカードが主力製品であり、そのシェアは長年国内トップを維持しています。その他、電子回路を印刷した「マルチタッチカード」などの機能性印刷物の製造も強みとしています。
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ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。



アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。



ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現



アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

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