たなべ物産株式会社
建設・不動産
CO2排出量算定
少人数でのサステナビリティ対応
ノウハウ不足
中小企業
(写真右より)代表取締役社長 田辺さま、総務部総務課長 山岸さま
公開日: 2025年11月25日
・建設不動産・地域事業まで幅広く事業展開する中で、全体のCO2排出量を把握できていなかった
・CO2排出量の見える化に関する知識が全くなく、何から始めていいか分からなかった
・地域密着企業として環境配慮を強化したいが、具体的な指針や優先順位がなかった
・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
・スコープ1・2などCO2排出量を見える化することへの理解が深まった
・経営判断に「CO2排出量削減」という新しい軸を導入する道筋をつけることができた
・自社の実践を地域企業へ還元し、地元の脱炭素推進に貢献できる基盤が整った

たなべ物産は、創業以来93年間にわたり八王子を拠点として事業を展開しています。その長い歴史の中で、繊維業から始まり事業内容を変化させつつ、現在は八王子に根ざして地元を発展させていくため主に4つの事業を行っています。
売上の8割以上を占める主力事業は、金属性建具工事業です。これは建設業における一次下請けとして位置づけられており、主に窓(サッシ)やドアといった建具を専門的に扱っています。業務範囲として、設計から現場での取り付け作業までを一貫して行うのが特徴です。
この建具事業を通じて、当社のサステナビリティに対する意識もこの20年で大きく変化してきました。かつてサッシは単なる開閉のための建具と捉えられていましたが、現在では、建築物の外気と内気を隔て、内部の熱や外部の寒さ・風をコントロールする役割を果たす存在として重要性が高まっています。こうした温熱環境の調整が求められるようになったことで、省エネの観点がサッシにも加わり、CO2排出量削減においても重要な役割を担う存在として認識されるようになっています。
2つ目の事業は、不動産・リノベーション事業です。不動産を運営するだけではなくリノベーションも行っています。古くなった建物をすぐに壊すのではなく現在の時代に合わせて改修し、建物をできるだけ長続きさせるようにする新たな挑戦です。もうひとつは八王子市の指定管理者として、市内の日本庭園の管理を行う官民連携事業です。八王子に長く根を下ろす企業として、地域資源を残していく取り組みとして実施しています。当社の従業員のかなりの部分が八王子に在住しており、自らが住み、働き、生活する街を良くしていきたいという思いが根源にあります。

建設業界でもサステナビリティへの対応が求められる時代になり、業界全体に省エネや環境配慮の流れが強まっています。とりわけ、窓やサッシは建物の断熱性能を左右し、省エネ効果を大きく高められる要素として注目されるようになりました。当社としても、この変化は事業に直結する重要な動きであり、対応を進めなければ今後の事業方針を誤りかねないという危機感がありました。しかしこれまでCO2排出量の算定を行ったことはなく、自社内に算定のノウハウやリソースも十分にありません。そのため、正しい理解と手法を身につけるためには、専門知識を持つ外部の支援が必要だと考えていました。
アスエネのサービスを知ったのは、八王子商工会議所からの紹介がきっかけです。商工会議所から、東京都との連携による半年間の無料パッケージという形で、今回の取り組みを紹介されました。これは、創業当初より日常から商工会議所と定期的にコミュニケーションを取る中で情報提供されたものです。
CO2排出量見える化サービスがあることは、以前、金融機関から他のサービスの紹介を受けたことがあり知っていました。しかし、その時は費用感がネックになったことと、そこにさける人的なリソースもなかったため、導入に至りませんでした。また、当社の主要な取引先は地場の中堅ゼネコンが多く、特にこうした対応を求められることがなかったため、導入はしませんでした。
今回、アスエネを導入することを決めた理由は、信頼している商工会議所からの紹介だったことが最大の理由です。「商工会議所の紹介であれば」という信頼感があり、アスエネという名前は耳にしたことはありませんでしたが、試してみようという決断に至りました。また、 過去に費用面での懸念があったため、今回東京都の補助金によって、無料で半年間のお試し期間が設けられているということも、導入の決定打となりました。
すでに電気の使用量は「アスエネ」で見える化し、すごく使いやすかった点が気に入りました。特に電気代の請求書のPDFをアップロードするだけで、自動で読み取ってくれます。こうした仕組みにより自身で手入力する必要がなく、ほとんど作業時間がかからないため、当社のような中小企業にとっても大変助かっています。また「ASUENE」の操作については、機械に詳しくない担当者であっても、直感的に操作ができています。八王子市内の他の企業に対しても、自信を持ってシステムの利用を勧めたいと考えています。

電力データを入力した結果、2024年の電気由来のCO2排出量を算出することができました。この値が同規模の企業と比較して多いのか少ないのかは、今後調査していく予定です。また、カスタマーサクセス担当から詳細な説明を受けたことで、スコープ1やスコープ2などのCO2排出量算定の基本も学べ、理解も深まりました。今後半年間の中で、電気だけではなくガスやガソリンなどのデータも登録し、「アスエネ」による見える化のデータとともに、当社の取り組みを社外にも公開していきたいと考えています。
さらに、CO2排出量の結果を踏まえ、設備投資の見直しも進めたいと考えています。これまでは照明を白熱電球からLEDへ交換する際、年間のコスト削減額のみを判断基準としてきました。今後はこれに「どれだけCO2排出量を削減できるか」という新たな評価軸を加え、総合的な経営判断につなげたいと考えています。
現時点では、主要取引先からCO2データの提出を求められることはありません。しかし、取引銀行などから、他業界ではすでに算定や報告が進み始めていることを聞いており、時代の流れの中で企業として取り組む必要性を強く感じています。
当社は今後も八王子を基盤として事業を展開していきます。八王子は「さまざまな利便性と可能性を持つ土地」であり、今後30年、50年、100年先も発展していくと信じています。当社としては、この地域に根ざし、業務を通じて深く関わりながら、サステナビリティへの取り組みもその一環として推進していきたいと考えています。
たなべ物産株式会社 業種: 金属製建具(サッシ・ドア等)の設計・製造・販売・施工、建物のリフォーム・リノベーション、指定管理者業務など 社員数: 22名 住所: 東京都八王子市元本郷町 たなべ物産株式会社は、1933年(昭和8年)に当時盛んだった八王子の織物産業を支える産地糸商として創業しました。戦後の需要拡大により繊維業は「ガチャ万」と呼ばれる好況期を迎えましたが、洋服の普及が進むと、業界全体が縮小していきます。当社はこの変化を機に、不動産事業やサッシを中心とする建築資材の販売へと事業転換を進めました。その後は、これらの事業を軸に事業基盤を広げ、現在では八王子市立の小中学校100校以上の建具工事を手がけるなど、地域のインフラを支える企業としての役割を果たし続けています。
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ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。



アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。



ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現



アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

アスエネを利用することで、CO2排出量の可視化を行うだけではなく、
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