川上産業株式会社
製造業・メーカー
公開日: 2025年10月27日
            
                                                                ・拠点数が多いため、輸送費なども含むスコープ3の算定は煩雑で自社算定の限界を感じた
・データ収集と算定に十数名で取り組んでいたので、工数を削減したい
・システムの導入で、CO2排出量算定のノウハウの属人化を回避したい                                                            
                                                                ・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
・CO2排出量削減の提案                                                            
                                                                ・特に電気と原材料の調達、輸送、廃棄物の割合が高く、コスト上の無駄も可視化された
・原材料と輸送コストを減らせば、会社のCO2排出量を大きく削減できるとわかった
・事業所単位の削減量を3カ月単位で掲出することができるようになり、社内の意識改革を促進                                                            

川上産業株式会社は、プチプチ®でお馴染みのプラスチック資材を開発、製造、販売する会社です。1968年に創業、1976年に設立して以来、日本独自の製法でプラスチック包装材を製造してきました。当社の売り上げの9割は工業用で、主な卸先は、EC、流通関係や資材メーカーです。1994年にはプチプチ®を商標登録し、緩衝材・包装材業界で国内シェア約60%を維持しています。 気泡緩衝材「プチプチ®」は、元々工業製品用の包装材や引越し時の梱包用副資材として、BtoBの取り扱いをメインとしていました。決して表に出てくる製品ではありませんが、その便利さから、当時は、名前はわからないけれどみんなが使っている、という珍しい立ち位置の製品でした。 商標登録をして以降、BtoCへのネット販売を開始し、25年ほど前からは、ホームセンターや雑貨店でも取り扱いが始まりました。BtoCのシェアは1割程度なものの、株式会社バンダイと共同で開発した「無限プチプチ」が大ヒットしたことで、広く一般に認知してもらえるようになりました。 当社が、環境問題への対策を始めたきっかけは、1990年代に巻き起こったダイオキシン問題です。当社のポリエチレン製の製品は、燃やしても無害なのですが、当時、塩素を含むプラスチックの焼却がダイオキシン発生の原因として問題視されていました。こうした背景から当社の製品が、環境汚染の元と勘違いされるケースが多かったため、環境配慮型の製品開発やイメージ回復の活動に力を入れてきました。その後、2020年にプラスチック循環の構築に特化したリサイクル事業部を発足し、2021年には「プチプチ環境宣言2030」を発表するなど社長方針にのっとり、環境問題への取り組みを、事業のより中核に据えています。 CO2排出量の算定については、スコープ1-2とスコープ3のカテゴリ1(原材料の調達など)の一部をExcelで計算していました。しかし、当社は本社・事業所が15か所あるのに加えて10か所の工場・加工所があり、輸送費なども計算し始めると算定作業が煩雑になってしまいました。これではとても自社では完結できないと判断して、システムを入れることになりました。当社はこれまで、十数名で各データを集めて、それを1つのExcelデータに集約して算定をしていました。システムの導入は、ノウハウの属人化を回避するとともに、工数を削減したいという思いからの判断です。

システム導入を検討してから、脱炭素経営EXPOに赴いてアスエネを知りました。同様のサービスを展開している数社の資料を取り寄せたり、営業に話を聞いたりしたところ、一番、当社のニーズや規模に合わせてもらえるのは「アスエネ」だと感じ、導入を決めました。元々取得していたエコアクション21や省エネ法の報告とも一部連携できている点や、以前からExcelで算定していたデータを「アスエネ」にそのままアップロードして有効活用できる点も魅力です。 使ってみると、システムの操作性が良くて驚きました。データの入力操作がわかりやすいため、ノンストレスでこれまでのデータを入力することができます。導入後のサポートも手厚く、スケジュール通りに、スコープ1-3を算定することができました。 さらに実際に「アスエネ」で算定してみると、これまで算定していた数値の3倍になり、自社算定の甘さに気がつくことができました。導入後の作業効率も体感で2倍になり、結果的にこれまでとほぼ同じ工数で、より精緻なデータを出すことができました。 また「アスエネ」でスコープ3を見える化したことで、事業活動の無駄が見えてきました。当社の製品はかさばるため、輸送や配送にかかるコストが高くなっています。また、一度使っただけで捨てられてしまうことが多く、再利用したり長く使われたりすることが少ないため、会社規模の割に原材料が多いという課題があります。これが、算定結果にも表れており、スコープ2と、スコープ3のカテゴリ1、4(輸送、配送)、5(廃棄物)が割合として高いという結果になりました。 これはつまり、原材料と輸送の量を減らすことができれば、事業コストの削減とCO2排出量の削減が同時にかなうということです。見える化したデータを元に、今後はより事業性の追求と環境へのアクションを両輪で回していきたいと考えています。

ネクストステップとしては、社外の取引先への提案やプレスリリース、IR資料に、「アスエネ」で算定した数値を入れることで、情報開示を進めていきたいです。 社内に関しては、まずは全国9カ所の工場と13カ所の営業所で、事業所単位でのCO2削減量を3カ月単位で掲出する取り組みを始めました。数値とは別に、「東京タワーの重さ1塔分」「プチプチロール何本分」など、削減量を体感しやすいように表現を工夫しています。今後は、社内の環境意識をボトムアップしていくために、見える化した数値を元に、各セクションで具体的な削減目標を定めるといったアクションにも繋げていきたいです。 当社では、CO2排出量削減のアクションとして、すでに、一部の工場で再生可能エネルギーへの切り替えを進めています。また、今年度中には、使用する再生原料100%を目指して、リサイクル事業も推進しています。再生原料を使うことで、バージン(未使用の天然資源から直接作られた新しい素材)原料を使用した時と比べて、CO2排出量を1/4に抑えることができるため、当社の製品の約98%に再生原料を採用しています。 また、リサイクル事業として、一般家庭から使用済みのプチプチ®を回収して、再利用する取り組み(使用済みの製品を回収・再資源化するリサイクルの方法)も行っています。当社では、「2030年までに2030台のプチプチリサイクルボックスの設置」を目標としています。現時点で、300台のリサイクルボックスを全国に設置していますが、まだまだ皆さんに知られていないのが実情です。ペットボトル回収のように、プチプチ®の回収・リサイクルが、皆さんの新しい“当たり前”になるよう、地域のイベントや環境に関する展示会に積極的に参加して、啓発活動を行っています。 当社のプチプチ®は、緩衝材用途だけではなく、保温や保冷、断熱などの観点で、まだまだポテンシャルのある製品です。すでに災害現場でも、保温や断熱の用途で使われています。例えば、アルミを貼ったプチプチ®を、住宅の断熱材として使用することで、住宅の省エネにも活用できます。今後、こうした用途の製品開発や企業コラボレーションを通して、間接的にでも省エネやCO2排出量の削減に貢献していきたいと考えています。 当社の企業スローガンである「まもるを、つくる。」という理念のもと、「大切なものを衝撃からまもる」だけではなく、「地球環境をまもる」という大きなビジョンに向かって、歩みを進めていきます。
                                川上産業株式会社 業種: 「くうき」を使ったプラスチック資材の開発、製造、加工、卸し、販売・緩衝材製造機の開発、製造、レンタル・緩衝材、包装資材、物流資材、物流機器の仕入販売 社員数: 528人(2024年9月時点) 住所: 港区 川上産業はプチプチ®を製造販売してきて半世紀、包装資材として発売したプチプチの可能性を広げ続けている会社です。プチプチ®のメーカーとしての面だけでなく、あらゆる包装資材の販売も行う商社としても知られています。「まもるを、つくる。」をスローガンに掲げ、物を守り、人を守り、環境を守り、地球を守る製品を作り続ける会社であり続けたいと思っています。 ※掲載内容は取材当時のものです。
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                ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。

                                        

アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。

                                        

ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現

                                        

アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

                                        
                        アスエネを利用することで、CO2排出量の可視化を行うだけではなく、
脱炭素を行い企業価値の向上ま でコンサルサービス・削減ソリューションの紹介を通じサポート。
                    


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