株式会社メニコン
上場企業
製造業・メーカー
CO2排出量算定
業務効率化
共創戦略部部長 伊藤さま、共創戦略部 政治経済環境研究チーム 深澤さま、会長室室長 伊藤さま
公開日: 2025年10月3日
・ExcelでCO2排出量を算定するには、膨大な時間と手間がかかっていた
・算定のためのデータの集計は1-2名で行なっており、Excelで見える化を行うには人手が不足していた
・脱炭素の実現を目標に掲げるも、ノウハウが不足しており、社内浸透が不十分だった
・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
・CO2排出量削減の提案
・CFPの算定やCSRDへの対応に向けた第一歩として、CO2排出量の見える化ができた
・グループ全体のデータを一括管理でき、データ連携で担当者の工数が削減できた
・算定したデータを社内で共有することで、サステナビリティの意識向上につながった

株式会社メニコンは、日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功した企業です。コンタクトレンズの研究開発から製造、販売までを一貫して行うビジョンケア事業を主力事業としています。ビジョンケア事業の他にも、ヘルスケア・ライフケア事業、動物医療事業、環境・バイオ事業、ライフサイエンス事業を行なっており、人間の五感を大切にし、人々が幸せや豊かさを実感できるような商品やサービスを提供しています。
当グループは、日本の11拠点の他、北アメリカに1拠点、ヨーロッパに14拠点、中国に6拠点、アジア・オセアニアに6拠点と海外にも複数拠点をもち、グローバルに事業を展開しています。売上高の約9割がコンタクトレンズ事業であり、残りの約1割がヘルスケア・ライフケア事業です。
ビジョンケア事業の主力商品は、「1DAYメニコン プレミオ」や「Magic」を中心とした、1DAYコンタクトレンズです。これらの商品は、コンタクトレンズの内側に触れることなく装用できる、メニコン独自のパッケージ「スマートタッチ」を採用している点が特徴的です。また、日本国内にはメルスプランがあり、月々の定額制でコンタクトレンズをお客様に提供しています。
当社はコンタクトレンズの三大製造方法(レースカッティング、スピンキャスティング、モールディング)をすべて実用化していることも特徴です。その製造方法の幅広さが、現在製品化されているコンタクトレンズの多様なバリエーションを実現しています。視覚には個人差がありますが、こうして幅広いニーズにお応えできる体制を整えています。また、コンタクトレンズの素材の開発、製造、販売を担う総合メーカーであることも、当社の強みです。
当社は、東証プライム上場企業でもあり、2022年4月に持続可能な社会の実現を目指してサステナビリティ委員会を設置し、同年7月にTCFD提言への賛同を表明するなどサステナビリティを推進しています。当グループがどのような活動を行っているかをステークホルダーに知ってもらうためにも、正しい情報を開示しなければなりません。これまでCO2排出量の算定はExcelで実施していましたが、手間と時間がかかっていました。年度ごとのデータの比較をするにも、Excelでは不便を感じていました。
また、データの集計は限られた人数で行なっていたため、効率的な情報収集が最大の課題でした。特に、海外子会社のデータに関しては、ガロンやリットルなど国ごとに単位が異なるため、一番苦労していました。そこで、システムを導入すれば、より精緻で効率的に算定ができる上に、海外子会社とのデータ連携もしやすいと考えました。

海外子会社で、CO2排出量の算定システムを導入する動きがあることを知り、当社も同様なシステムやサービスについて調べ始め、「アスエネ」を知りました。当社は、脱炭素に関するノウハウ蓄積とサステナビリティの社内浸透が課題であったため、専門的なサポートを必要としていたこともあり、最初からシステムとコンサルティング支援がセットになっている「アスエネ」を選定しました。
当社は製造業のため、スコープ3のうち、多くのサプライヤーが関係するカテゴリ1が多くの割合を占めています。「アスエネ」は拡張性があって、数十社にも及ぶ、サプライチェーンのデータを一括管理できるところが非常に魅力的でした。また、CO2排出量だけではなく、水や廃棄物も含めて、トータルに環境データを入力・管理できる点が魅力だと感じています。製造業としてはいずれも無視できない重要な非財務情報なので、当社に必要なシステムだとも感じています。
先日、当社の担当部署が、2023年度のCO2排出量のデータを「アスエネ」に入力したところ、排出原単位のミスに気づきました。「アスエネ」を導入していなければ気づかなかったと思います。排出原単位は毎年更新されるため、Excel管理だとどれが古いものかわからなくなり、煩雑になっていました。また、当グループで新たな資材を購入したときに、どのカテゴリーに該当するのかもよくわかっていませんでした。このような不明な点を、一つ一つアスエネのコンサルタントに面談で確認しながら、見える化を進めています。
「アスエネ」のダッシュボードは、Excelでは不便だった、各年度におけるCO2排出量の比較もしやすいです。特に、15のカテゴリーからなるスコープ3のうち、どのカテゴリーの排出量が多いかを簡単に見ることができるため、見える化の次のステップとして削減に取り組む際に効果的だと考えています。

当社は、2009年に「メニコン環境宣言」を発表して、「人にも動物にも環境にも優しい地球企業でありたい」と活動してきました。脱炭素に関するKPIとして、日本は、2030年度に2013年度比で46%削減という目標を掲げています。当社は、2013年度のデータが確認できないため、当社基準年を設定した上で、「アスエネ」で見える化したデータを活用して、削減目標達成のための目標を設定していきます。
さらに、「アスエネ」のデータは、ウェブサイトまたは統合レポートに掲載して、情報を開示していきます。算出したデータを分析・グラフ化して、フィッチ・レーティングスやCDPなどのESGスコアに反映できるよう、活用する予定です。「アスエネ」で簡単にグラフ化できるため、開示も効率的に行えるのではと期待しています。また、社外だけではなく、社内にも共有することで、サステナビリティを社内に浸透させるとともに、社員の協力を仰いでいきます。
今後、海外事業を拡大していくにあたって、CFP(カーボンフットプリント)の算定やCSRDへの対応が必要になってきます。特にヨーロッパからは、いつCFPの要請があってもおかしくはないので、日本を含めた各国の動きを見つつ、対応できるようにしたいです。そのためにも、まずは足元のCO2排出量の算定に取り組んでいます。
メニコングループは、「健康で心豊かな社会の実現」を目指しています。それを実現するための重要課題として、「地球環境の負荷軽減」を掲げています。当社は、単にCO2排出量の削減を目指すのではなく、例えば廃棄物を技術的な加工によってグレードアップし、経済的価値を生み出すことが、持続可能な社会の実現に繋がると考えています。そこで、当社は、東北大学とともに、レンズケースを水平リサイクルする研究を行っています。当社の主力商品である1DAYコンタクトレンズの場合、毎日プラスチック容器の廃棄が発生します。それらを回収して資源化することで、資源循環を構築することが狙いです。このような社会活動を通じて、豊かな社会の創造を目指してサステナブルを推進しています。
世界的に、近視人口は増加傾向にあり、オーストラリアのブライアンホールデン視覚研究所は、2010年に約20憶人だった近視人口が、2050年には世界人口の約半分の50憶人になると予測しています。コンタクトレンズを使用する方が増えていく中、当社としてはビジネスとして利益を上げながら、資源を最大限有効活用できる方法を模索したいと考えています。企業の社会的責任として、CO2排出量・水・廃棄物の削減に取り組むため、「100年続く企業基盤づくり」として、人材育成にも積極的に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献したいです。
株式会社メニコン 業種: コンタクトレンズ・ケア用品の製造販売 社員数: 1,728名 住所: 愛知県名古屋市 瞳の安全性を最優先に考えた研究開発、独自の高度な製造技術をもとに、レンズ素材やデザインの開発のみならず、レンズケア用品の製造、コンタクトレンズやレンズケア用品の販売までを一貫して行う、1951年創業のコンタクトレンズ総合メーカーです。コンタクトレンズを中心としたビジョンケア事業に加え、ヘルスケア・ライフケア事業にも果敢にチャレンジしています。 『新しい「みる」を世界に』をVision2030のスローガンとして掲げ、幸せや豊かさあふれる日々の実現に向け、様々な境遇やライフステージに適した「みる」を提供していきます。
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ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。



アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。



ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現



アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

アスエネを利用することで、CO2排出量の可視化を行うだけではなく、
脱炭素を行い企業価値の向上ま でコンサルサービス・削減ソリューションの紹介を通じサポート。


TCFD/TNFD開⽰⽀援、CDP回答⽀援、CSRD開示支援、有価証券報告書作成⽀援、B Corp認証取得⽀援、SBT取得⽀援