本多金属工業株式会社
製造業・メーカー
LCA
CFP
サプライチェーン
取締役 営業本部 営業部長 青木さま、東京支店 支店長 土肥さま、管理課 恵那工場 係長 丸橋さま
公開日: 2025年11月17日
・取引先からCO2排出量やCFPの開示要請が増え、対応しなければサプライヤー選定のリスクがあった
・CFPの開示に対応できる、精緻な算定をしたい
・製造工程が複雑で原材料が非常に多く、リソースも限られているため自社算定が困難
・CFP算定支援コンサルティング
・LCA算定SaaS
・CFP算定のノウハウは他の製品にも転用でき、ナレッジの蓄積につながった
・CFP算定コンサルティングで廃棄物の扱いの過程や方向性を示してもらえた
・SuMPOの排出係数を活用することで正確に算定を実現することができた

本多金属工業株式会社は、アルミニウム合金の押出形材(おしだしかたざい)やアルミ加工品の開発・製造・販売を行う製造業です。「押し出し」という製法に特化しながら、1954年の設立以来、70年にわたってアルミニウム押出形材の一貫生産にこだわってきました。
当社は、アルミニウムの鋳造・押出・表面処理から二次加工まで一貫して行える製造ラインを備え、お客さまの要望に合わせた「アルミ製品の設計から製造まで」をワンストップで提供できることを強みとしています。一貫生産体制だからこそ、スピード感のある対応と高品質を実現することができ、押出専業メーカーでは国内トップクラスのシェアを誇っています。輸送機や電気、医療機械、日用品、建築・建材など非常に幅広い業界を取引先として、あらゆるニーズに応えるアルミニウム製品を数多く提供しています。また、ベトナムにも2つの生産拠点を持っているため、現地の文化、商習慣、法規制に精通したスタッフを配置することで、グローバルな対応も可能となっています。
アルミニウムはボーキサイトと呼ばれる鉱石を原料としています。ボーキサイトはアルミナに精製され、その後、電気分解されて金属のアルミニウムが製造されます。そのため高度な技術と大量の電気が必要です。アルミニウム一次製品1トンを製造するには、一般家庭の消費電力の3~4年分にあたる約13,000~15,000kWhが必要だと言われています。そのため、アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれています。
自動車メーカーや大手建材メーカーからCO2排出量やCFPなどの数値についての問い合わせが増えたのは、2020年、当時の菅首相による「2050年カーボンニュートラルへの宣言」がきっかけでした。また、CBAM(炭素国境調整メカニズム)をはじめとする欧州の環境規制強化や東証のコーポレートガバナンス・コードの改訂などの背景も相まって、大企業に対する環境データの開示が強く推奨されるようになっていったこともあります。こうした時代の流れの中で、大企業はサプライチェーン全体の排出量の把握や原料調達の見直しを行なっていかねばならず、その影響として当社への問い合わせも増えてきたのです。
このような状況に加えて年々高まる環境配慮への姿勢から、当社では今後もCFP算定の要望が強くなっていくと予想していました。さらに、これらの要請に対応していかなければ、将来的にサプライヤーとして選定され続けなくなるリスクがあると危機感を持っていました。実はこれまでも自社でCFP算出を行っていたのですが、データの根拠が曖昧で、外部への開示に耐えうるものではありませんでした。時代の流れや取引先からの要請などのリスクを逆に今後のビジネスに繋げていける機会と捉え、専門家の意見を仰ぎながらより精緻な算定をしたいと考えるようになりました。

当社は、アルミニウムを扱う企業として「人と地球の未来にアルミニウムを通じて貢献する」ことを理念に掲げ、環境への配慮をしながら企業活動に取り組んでいます。以前から省エネ法に対応するため独自に工場単位のCO2排出量を算定していました。この算定は工場の担当者が実施しており、人的リソースが限られているという課題がありました。
一方、取引先からはCFPの算定についての問い合わせが増え続け、これに対応する必要が出てきました。これにより、原材料を含めてより精緻なCFPを算定し、把握しなければならなくなりました。当社は、一気通貫でアルミニウム製品の製造を行っている分、製造工程が非常に多く、算定が非常に複雑になります。特に、表面処理の工程では膨大な薬品を使うため、仕入れ先や関連会社にも協力を仰いでデータを取得する必要があり、自社での算定は困難です。
こうした状況の中で「アスエネ」を、カーボンニュートラル関連の展示会で知りました。企業のCO2排出量算定からCFPまでを網羅的に支援している会社がほかには少なかったため、印象に残りました。数社の中から比較検討し、「アスエネ」を第一優先に検討を進めました。製造業の導入実績が多いことに加えて、アルミニウム業界の事例や知見を持ち、同業他社の実績に魅力を感じました。
また、「アスエネ」はISO14064-3という国際基準に基づいて、独立した第三者機関によって検証されているため、このサービスを使って算定したデータは、自信を持って外部に開示できると思いました。さらに、「アスエネ」はグループ会社に第三者認証機関があり、今後、検証が必要になった際も、一貫してサービスを利用できると考え導入を決めました。「アスエネ」のCFP算定支援コンサルティングは、成果物としてCFPの結果だけではなく、そこに至る計算の過程も教えてもらえるところがとても気に入っています。それにより、今回の算定結果で学んだノウハウを他の製品にも転用できるからです。
当社として、「スクラップや廃棄物をCFP算定上どう扱うか」が問題になっていました。今回の支援で方向性を示してもらい、ノウハウを学ぶことができ、今後の脱炭素戦略の策定において非常に参考になりました。また、製造工程や原材料が多いことで生じる課題に対して、問い合わせをすると、すぐに回答してもらえました。こうした対応の早さもあり、算定をスケジュール通りに進めることができました。CFP算定について、社内の知見がゼロベースからスタートしましたが、「アスエネ」のコンサルタントのおかげで算定方法や考え方などのノウハウを蓄積することができました。

2025年8月に、1製品のCFP算定が完了しました。これで終了ではなく、今後はCFP/LCA算定サービスの「アスエネLCA」を使いながら他製品のCFP算定に挑戦していきたいと考えています。今回、CFPを算定しましたが、脱炭素社会の実現に向けてはまだまだやるべきことがたくさんあります。この時流をビジネスチャンスと捉えて、全社の環境への意識を高めていきたいです。従業員には、CFPを算定する意義や脱炭素について、自分ごととして感じてもらえるよう啓発していく必要があると考えています。
当社は、エネルギー排出量が多い業界のなかでも積極的に脱炭素に取り組み、将来的にCO2排出量実質ゼロで、環境に優しい会社であると言えるように事業性と環境配慮の両立を図っていきます。そのためにも、製造時に再生可能エネルギーから生成される水素やガスを活用していくなど、環境配慮の姿勢を崩さずに事業を進めていきたいです。
アルミニウム業界はアルミからまた次のアルミにリサイクルできることから、リサイクル利用率が高く、環境に配慮した資源循環をリードしているという自負があります。これをさらに持続可能なものにするために、当社のCFP算定を開示、推進することで、業界全体の環境意識を高めていきたいです。各社がCO2排出量の見える化やCFP算定に取り組むことは、あくまでもスタートラインに過ぎません。原料調達や製品選定の際に、コストだけではなくCFPを考慮する、新しい業界スタンダードを作ることで、社会全体の脱炭素に貢献したいです。
本多金属工業株式会社 業種: アルミニウム合金押出形材およびアルミ工業製品の製造・販売 社員数: 402名 (2025年4月1日現在) 住所: 愛知県名古屋市中区栄三丁目 本多金属工業は、アルミニウムの成形加工や製品の開発・製造を、原材料から製品まで一貫体制で手がける国内有数の押出専業メーカーです。3拠点の事業所と、国内5か所の工場という比較的コンパクトな組織体制のため、各部署との連携がスムーズで、自由にアイデアを活かしやすい職場環境が整っています。 押出専業メーカーではトップクラスのシェアを誇り、ものづくりを通じて社会に貢献し続けています。
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ESGクラウド評価サービスや再エネ調達コンサルティング等も提供しています。

アスエネ(旧:アスゼロ)は、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。 温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3のサプライチェーン全体の報告・情報開示を支援します。



アスエネESGは、持続的なサプライチェーン調達を実現するESG評価クラウドサービスです。GRI、TCFDなどの国際的なESGフレームワークに準拠したアンケートを活用して、サプライチェーン上のESGリスクを評価し、改善を支援します。



ESG開示データの収集・管理を効率化、データ分析で最適な意思決定を実現



アスエネLCAは、アスエネとSuMPOが共同開発したCFP / LCA算定サービスです。初心者でも簡単に算定・分析・報告書作成が可能です。

アスエネを利用することで、CO2排出量の可視化を行うだけではなく、
脱炭素を行い企業価値の向上ま でコンサルサービス・削減ソリューションの紹介を通じサポート。


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