「お知らせ」GHG排出量クラウドSustanaの事業承継・統合について

ファッションからブライダルまで。「アスエネ」を活用し多角的にAOKIグループのサステナビリティを推進

株式会社AOKIホールディングス

上場企業

小売・卸売

(写真左より)サステナビリティ推進室 シニアアドバイザー荒木さま、係長 博士(地球環境学)池田さま、グループ経営戦略担当 執行役員 立川さま

公開日: 2025年11月17日

概要

  • 課題

    ・サステナビリティ推進において、環境分野の社内知見が不足していた
    ・Scope3の算定におけるノウハウの不足、Excelによる管理の限界を感じていた
    ・TCFDの深化、CDP回答、SBT認定取得に向けた専門性の不足と社内の執行体制の未整備

  • ソリューション

    ・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル、BPOサポートの導入
    ・TCFD開示コンサルティング導入
    ・SBT認定取得支援・CDP回答支援コンサルティングの導入

  • インパクト

    ・気候変動リスクと機会の定量化分析を完了し、TCFD開示の精度向上
    ・「アスエネ」へ移行し、工数削減をしながら精緻な算出を実現
    ・全社でのデータ共有体制の構築に向けて、サステナビリティ推進の基盤を強化

サステナビリティ経営の強化に向けて。経営層への学習会からのスタート

1958年、株式会社AOKIホールディングスは長野県長野市で創業しました。メンズスーツからファッション事業をスタートし、1998年にカラオケを始めとするエンターテイメント事業に参入。同年にアニヴェルセル・ブライダル事業も開始し、現在はファッション、エンターテイメント、ブライダル3つの主要事業を展開しています。ファッション事業は「AOKI」(約500店舗)や「ORIHICA」(約110店舗)を軸にメンズからレディース、カジュアルまで幅広く扱っています。エンターテイメント事業は「快活CLUB」(複合カフェ)、「コート・ダジュール」(カラオケ)、「FiT24」(フィットネスジム)などを約700店舗で展開しています。アニヴェルセル・ブライダル事業は「アニヴェルセル」を全国で10施設を運営し、グループ全体で全国約1,400店舗を運営しています。(※2025年10月末現在)

当社の全社的なサステナビリティ推進の取り組みは2021年に本格的にスタートしました。最初に行ったのは、経営層への学習会や研修会です。その後、グループ横断のESG/SDGsプロジェクトが立ち上がり、サステナビリティビジョンとマテリアリティ・KPIを策定しました。

しかし、初期の取り組みは主に人材系に焦点があたっていて、エンゲージメントや女性管理職比率の向上といったことが中心でした。そのため、いざ環境の施策に本格的に着手する必要性が高まった際、社内に専門的な知見を持つ人材がほとんどいないという課題に直面し、外部から地球環境学の博士号を持つ社員を採用しました。

その頃にはTCFDにも取り組み始め、スコープ3の算定も行っていました。ただ実態としては黎明期で、体制や取り組み方について進化させていく必要がありました。

こうした状況のなか、会社としてはTCFDだけではなくSBTなど他の国際的な基準にも対応を広げ、取り組みを一層強化していくことを決めました。そこで専門的な知見を持つコンサルティングの支援が不可欠となりました。またCO2排出量の観点から見ると、全体の多くを占めている「快活CLUB」の電力使用、つまりスコープ2の削減も大きな課題でした。削減に向けたロードマップや具体的な施策の立案には、膨大なデータ収集と専門的なノウハウが必要です。サステナビリティ推進室は実質3名体制で十分なリソースが確保できておらず、外部リソースの活用を検討し始めました。

システムとコンサルティングの両輪提供と熱心な提案が決め手に

当社が導入を検討する際に重要視していたのは、CO2排出量の見える化ができるシステムと、TCFD開示支援やSBT認定取得支援などのコンサルティング支援を同時に進められることでした。以前からコンサルティングサービスを導入していたものの、そちらはシステムを保有していなかったため、データの一元管理やデータに基づいた開示内容を作成することに課題がありました。

複数社を検討した結果、「アスエネ」に決めたのは、システムとコンサルティングの双方を一体的に提供している点にありました。加えて、国内での評価が高く、多くの企業が導入している実績も決め手になりました。また、脱炭素経営の黎明期にあたる当社の現状に寄り添った提案をいただいたことや、営業担当者の対応が非常にきめ細やかであったことも、導入の決定を後押ししました。

サービス導入にあたって、特にコンサルティングにお願いしたかった支援は大きく2つあります。ひとつは、社会情勢の変化を受けて、既に開示しているTCFDの分析をどのように発展させればよいか、具体的な方向性を知りたかったことです。ふたつ目は、CDPに回答するための必須要件の整理や回答方法のサポートです。「アスエネ」のコンサルタントは、これらの要望ひとつひとつに丁寧に対応してくれました。また、当社は複数の事業を展開しているため、「アスエネ」から提供していただいた他社事例の紹介や、業界全体の動向を踏まえた幅広い調査内容も大変参考になりました。

加えて、これらのイニシアチブに実際に対応していく段階になると、さまざまな壁が立ちはだかりました。まず、海外発の枠組みであるがゆえに、日本語訳に違和感が多く、設問そのものの意図を正しく理解することが非常に困難でした。次に、回答の作成には独自の「書き方の技術」が求められるという課題もあり、これらに対応するためには外部の高度な知見が不可欠でした。

例えばTCFDでは、気象災害の激甚化に伴い、店舗が受ける洪水リスクによって発生し得る営業停止日数や復旧までの日数を想定する必要がありました。さらに、温暖化の影響による夏季の長期化、冬季の短期化などを分析し、これらがビジネス上のリスクであると同時に、新たな機会にもなり得ることを説得的に示すことが求められました。必要とされている多角的な視点からの定量分析や整理は、社内だけでは対応が難しく、「アスエネ」の専門的かつ実践的なサポートに大いに助けられました。

TCFD開示支援の担当コンサルタントが優秀で、CDPの回答支援やSBT認定取得支援においても、引き続き支援してもらうことになりました。柔軟な対応力と、強力な支援を今後も頼りにしています。

サステナビリティを経営戦略と一体化させ、意識改革を推進

「アスエネ」導入により、CO2排出量の見える化という大きな成果を得ることができました。以前はExcelで管理していた排出量データが「アスエネ」によって一覧化され、グラフを使った分かりやすいデータをダッシュボード上で閲覧できるようになったことは大きな進歩です。また、TCFDに関しては、リスクや機会について初めて定量化項目を策定し、投資家視点でリスクを認識する段階に到達しました。

一方で、今後はサステナビリティ推進室の取り組みだけではなく、社内の普及啓発をさらに進めていく必要があります。現在は社内リソースが不足しているため、データ入力業務はBPOを通じてアスエネへ委託しています。そのためデータを活用できる人材は限定的です。今後は多くの社員がシステムを使えるようにすることで、サステナビリティへの意識を全社的に向上させていく必要があります。また、グループ向け社内報でサステナビリティ特集を取り上げたり、統合報告書をグループ全社の店舗にも配布するなど、現状行っている施策も継続して実施していきます。

「快活CLUB」のスコープ2削減についても、本格的に取り組む必要があります。これには、LED照明への切り替えなどコストもかかります。また、安定的な電力供給を確保しなければならず、コストと安定性を両立させる電力調達を行うための戦略が必要です。

さらに、ファッション事業では、従来の大量生産・大量販売のビジネスモデルからの変革を加速させています。具体的な事例としては、フルオーダーより短い納期で、しかも不要な在庫を減らすことができる、パターンオーダーに近い「クイックオーダースーツ(QOS)」の拡大を進めています。また、タキシードやモーニングから始めたフォーマル着のレンタルサービスが好調なため、これを留袖やパーティーフォーマルにも展開しています。こうしたさまざまな取り組みにより資源の長期利用とサステナブルなビジネスモデルを推進していきます。

サステナビリティへの取り組みの波及的効果は既に現れはじめています。特にファッション事業の採用活動において、新卒面接者の約3割がAOKIのSDGsサイトに言及してくれるなど、企業の魅力向上に繋がっています。

またこうした活動を社内に留めず、外部団体への参加や行政主導プロジェクトへの参画など、社会全体でのサステナビリティ推進にも積極的に貢献しています。

今後の展望として、サステナビリティ推進室としては、活動を強力に推し進めるため、現在の体制をより盤石にすることを目指しています。そして、サステナビリティをさらに経営戦略と一体化させることで全社的な意識改革を粘り強く推進していきたいと考えています。10年、20年、50年と企業が続いていくために、事業の成長とのバランスを取りながら持続可能な取り組みを実行し続けます。

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企業プロフィール

株式会社AOKIホールディングス

株式会社AOKIホールディングス 業種: グループ会社(ファッション事業、エンターテイメント事業、アニヴェルセル・ブライダル事業)の経営管理、並びにそれに付帯する業務 社員数: 3,098名(6,076名)(連結)(2025年3月31日現在) 住所: 神奈川県横浜市都筑区 1958年に紳士服の外商として創業以来、「社会性の追求」「公益性の追求」「公共性の追求」の3つの経営理念を掲げ、企業活動を推進。現在は、ファッション事業に加えアニヴェルセル・ブライダル事業、エンターテイメント事業を中心としたグループの戦略構築および各事業を支援(純粋持株会社)。時代の変化に対応し、「人々の喜びを創造する」を事業コンセプトとして打ち立て、持続可能な社会実現のため“モノとコトを創造する企業グループ”として社会に貢献しています。

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