「お知らせ」GHG排出量クラウドSustanaの事業承継・統合について

環境にやさしい空港運営を目指して、「アスエネ」をパートナーに脱炭素に取り組む

日本空港ビルデング株式会社

上場企業

小売・卸売

建設・不動産

少人数でのサステナビリティ対応

CDP

CO2排出量算定

上席常務執行役員 植田さま、サステナビリティ推進室 干野さま

公開日: 2025年10月26日

概要

  • 課題

    ・初めてのCDP回答に取り組むが、ノウハウや人員が不足していた
    ・CDPへの回答を経て、正確なCO2排出量の見える化が課題であると認識
    ・スコープ1-2はExcelで算定してきたものの、スコープ3の算定にはシステムが必要

  • ソリューション

    ・CDP回答コンサルティング
    ・CO2排出量見える化SaaS & SXコンサル導入
    ・CO2排出量削減の提案

  • インパクト

    ・初めてのCDP回答で、目標にしていた「B-」スコアを取得できた
    ・「アスエネ」を導入することで、スコープ3の算定と丁寧なサポートを受けられる
    ・サプライチェーンデータ取得やAPI連携などの自動連携から、信頼性の高い算定が可能

法令対応だけではなく、積極的な情報開示のためにCDPへの回答に着手

日本空港ビルデング株式会社

日本空港ビルグループは、羽田空港の旅客ターミナルを中心に、施設管理運営業や物品販売業、飲食業など、幅広く事業を展開しています。羽田空港は、大変多くのお客さまにご利用いただく公共性の高い施設です。行政機関や自治体、エアライン、テナントなどの事業パートナーがいるなか、さまざまなニーズに対応しながら、創業以来70年にわたり、ターミナル運営の全体最適化を追求し続けてきました。長い年月をかけ、羽田ブランドを築き上げてきた結果、皆さまからの“羽田空港が提供する商品やサービスに対する信頼”を確立することができたのは、ひとつの強みだと思います。

また、当社は英国SKYTRAX社が実施する“World Airport Star Rating”において10年連続で世界最高水準である「5スターエアポート」を獲得しており、空港の清潔さをはじめとする3つの部門賞においても世界第1位を受賞しています。

当社のビジネスモデルは、BtoBとBtoCの両軸で成り立っています。主要な事業である施設管理運営業においては、事務室等の入居者やテナントがお客さま、物品販売業においては羽田空港を利用される方がお客さまとなります。「公共性と企業性の調和」を企業理念として掲げ、ご利用いただく皆さまにとって使いやすいターミナルを目指して、日々、サービスの質を高め続けてきました。

これまでは、増加する航空旅客需要への対応を中心として、企業の成長を追い求めてきました。しかし、これからも持続的に成長するためには、環境への配慮が求められます。日本空港ビルグループは、2030年の目指す姿として「人にも環境にもやさしい先進的空港」を掲げています。施設管理運営業での電気使用などによって、我々の事業活動が環境に与える負荷を軽減していかなければなりません。そのためにエネルギー資源の有効利用など地球温暖化対策が急務です。そこで、中期経営計画のなかでも、サステナビリティが戦略推進の中核に位置付けられ、取り組みを強化するため、2022年にサステナビリティ推進室が新設されました。

当社は元々、省エネ法・温対法の報告対象事業者として、定期報告書を提出していましたが、環境情報開示に関する要求の高まりから、次のステップとして、2023年度に初めてCDPの回答に挑戦しました。また、当社は東証プライム上場企業としてTCFD提言に基づく情報開示が要請されています。しかし、法令対応だけではなく、自らが積極的に発信し、環境情報の開示と取り組みの姿勢を強く示す必要があると感じていました。これからステークホルダーと協働していくためにも、CDPの回答を通じてステークホルダーとコミュ二ケーションを取り、より良いビジネスモデルを構築していきたいという思いもありました。

しかし、実際にCDPの回答に取り組んでみると、質問の意図がわからない、人手不足などの課題がありました。サステナビリティ推進室の5名で業務にあたりましたが、環境分野以外の業務を兼務している者もいるため、慣れない作業を進めるのにとても苦労しました。

初めて取り組んだCDPの回答で「B-」のスコアを取得できた

日本空港ビルデング株式会社

サステナビリティ推進室が新設された際、サービスについて紹介の電話をもらったことがきっかけで「アスエネ」を知りました。最初は、CO2排出量見える化サービスを提案されたのですが、スコープ1-2は自社で算定していたため、自社として課題に感じていた環境情報の開示、特にCDP回答コンサルティングの話が先に進みました。2-3社のサービスと比較しましたが、CDPに関する提案時の説明がとてもわかりやすく、定期的な連絡でCDP回答への情報をアップデートしてもらえたので、「アスエネ」のCDP回答コンサルティングサービスの導入を決めました。

コンサルティングについては、まず始めにCDPの質問書と各設問の配点、他社事例を教えてもらいました。CDPの回答は、ゼロからの取り組みだったので、まず「CDPとはどんなものなのか」という基本的なポイントを知ることで安心感を得られて、とても取り組みやすくなりました。CDPの回答は、複数の投資家やお客さまへの情報開示が行えるメリットがあります。一方で、ただ手探りで取り組んでも、ステークホルダーに適切な開示ができず、よいスコアも取れません。アスエネからは、回答の仕方について具体的かつ適切なフィードバックをもらえるので、非常に助かりました。アスエネは、CDP回答の支援実績や知識が豊富であると聞いていたので期待どおりの支援をしてもらえたと感じています。

おかげで、初めてのCDP回答においては、当初目標にしていた「B-」を取ることができました。来年度に向けて、さらに高いスコアを取るために、どうすれば良いかについても早速打ち合わせをし、回答に対するフィードバックだけでなくアフターフォローもしていただいています。我々が目指すべきは高いスコアを取ることだけではなく、サステナビリティの取り組みをより良くしていくことです。スコアアップのための表面的な方法だけでなく、本質的なところについても指導してもらえるので心強いですね。

CDPへの回答を経て、正確なCO2排出量の算定の必要性を再認識

日本空港ビルデング株式会社

これまで、スコープ1-2の算定は自社でやってきました。しかし、情報開示要請が高まり、今後はスコープ3にあたるサプライチェーン排出量の算定・開示が求められています。スコープ1-2の算定はExcelで行ってきましたが、自社で設定した計算式の正確性や妥当性を担保するのは難しいと感じていました。正確にサプライチェーンのCO2排出量を算定しなければ、第三者検証で認定されなかったり、誤ったデータを開示してしまったりするリスクがあります。CDPのスコアアップと本質的な環境負荷削減のためにも、これからは「アスエネ」のシステムも併せて導入し、自社のCO2排出量のデータの正確性を高めていきたいです。

CO2排出量に関しては、継続的な算定・開示が必要です。しかし、サステナビリティ推進室のメンバーが今後変わる可能性もあるため、データの見える化と仕組み化が必要だと感じました。そこで「アスエネ」のようなシステムを導入することで、算定のノウハウや知見を社内に蓄え、引き継いでいける環境を整えて、業務もサステナブルにしなければならないと思っています。

また、スコープ3の算定において、データの収集は当社とステークホルダー双方の負担になりかねません。システムを導入することで、CO2排出量の見える化にかかる負担を軽減したいと考えています。空港の運営は、当社やエアラインだけではなく、行政機関や自治体、路線バスやシャトルバスなどの二次交通機関の事業者も含め、多くの関係者によって成り立っています。そのため、空港周辺事業者の皆さまと協働してCO2排出量の削減に取り組んでいきたいと思います。

航空・空港業界は環境負荷の面において世間的に批判も受けています。リモート化が進んでいますが、人・もの・文化が動き、交わることで、経済も動くと思っています。環境に与える負荷が大きいという理由で航空需要が減ってしまうのは、経済を活性化させる、あるいは世界を発展させるのに望ましくありません。次世代が自由に広い世界へ出て、相互理解を深めるのは非常に重要なことです。そのために、人にも環境にもやさしい空港運営を行い、事業パートナーとも協働して、空の旅をクリーンなものにしていかなければなりません。当社の脱炭素への取り組みにより、お客さまに胸を張って笑顔で空港をご利用いただけるよう、人にも環境にもやさしい空港を目指していきたいです。

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企業プロフィール

日本空港ビルデング株式会社

日本空港ビルデング株式会社 業種: 羽田空港旅客ターミナルビル等の建設、管理・運営 社員数: 272名 (2023年3月31日現在) 住所: 東京都大田区 日本空港ビルデングは、国内初の民間資本による羽田空港のターミナルビルの建設、管理・運営を行う会社として「公共性と企業性の調和」の理念のもと1953年に設立。以来、70年以上にわたり純民間の空港ターミナルビル経営のパイオニアとして、航空業界の発展の一端を担ってまいりました。 現在は羽田空港にて施設管理運営業、物品販売業、飲食業の3つの事業を展開しているほか、羽田空港外の国内・海外空港事業等への参画にも積極的に挑戦しています。 ※掲載内容は取材当時のものです。

担当者のコメント

田中 秀和の写真

アスエネ株式会社

営業本部 カスタマーサクセス Leader

田中 秀和

CDPの目標スコアの達成、誠におめでとうございます。「アスエネ」のCDP回答コンサルティングを通じて、課題と感じていた環境情報開示の質が向上するだけでなく、ステークホルダーへの適切な情報開示にも取り組まれています。今後は、「アスエネ」のシステムを活用したスコープ3の算定を支援しながら、人にも環境にもやさしい空港づくりの一助となれるよう尽力いたします。

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