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環境問題への貢献が期待されるDACとは?

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環境問題への貢献が期待されるDACとは?

環境問題が深刻化する中、世界各国で脱炭素の取り組みが加速しています。DACとは、そのような状況下において環境問題に貢献できる技術として注目を集めているイノベーションの一つです。政府はカーボンリサイクル技術ロードマップにDACを追記しており、実用化が目指されています。この記事では、環境に優しいDACの定義やCCSとの違い、メリットや課題などについてご紹介します。

INDEX

DACとは?注目を集める背景

そもそもDACとはどのような技術で、なぜ世界各国で技術開発が進んでいるのでしょうか。ここではDACの定義や注目を集める背景についてご紹介します。

そもそもDACとは?

DACはDirect Air Captureの略で、直接空気回収技術と呼ばれています。特殊な吸収液やフィルターを用いて、空気中に存在する低濃度のCO2を分離・回収します。DACは脱炭素社会を実現するためのイノベーションの一つとして注目されており、日本をはじめとする各国で技術開発が進んでいます。

出典:資源エネルギー庁『イノベーションを推進し、CO2を「ビヨンド・ゼロ」へ』(2020/4/17)

DACが注目を集める背景

進展があった新たな技術分野として、政府はDACを「カーボンリサイクル技術ロードマップ」(2021年7月改訂版)に追記し、実用化を目指しています。このようにDACが注目されているのは、DACが脱炭素に貢献できる環境に優しい技術であるためです。

出典:経済産業省『「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を改訂しました』(2021/7/26)

DACとCCSの違い

脱炭素社会を実現させるためのイノベーションには、DACの他にCCSなどの技術があります。CCSの定義やDACとCCSの違いについてご紹介します。

そもそもCCSとは?

CCSはCarbon dioxide Capture and Storageの略で、二酸化炭素回収・貯留技術と呼ばれています。製油所や発電所、化学プラントなどから排出されたCO2を他の気体から分離して回収し、地中深くに圧入し貯留するというものです。苫小牧実証試験を経て、2030年までの商用化が目指されています。

CCSの流れ

出典:資源エネルギー庁『知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」』(2017/11/14)

出典:資源エネルギー庁『CO2を回収して埋める「CCS」、実証試験を経て、いよいよ実現も間近に(後編)』(2020/12/25)

DACとCCSの違い

DACとCCSはどちらもCO2を回収する技術ですが、どのようなCO2を回収するかに違いがあります。DACは大気中にある低濃度のCO2を吸収するのに対し、CCSは発電所や工場などから排出される高濃度のCO2を排出します。

DACのメリット

DACにはメリットとデメリットがあります。ここではDACのメリットについてご紹介します。

回収したCO2を再活用できる

日本では様々な事業分野においてカーボンリサイクル産業が育っています。DACもカーボンリサイクル関係の技術の一つで、CO2削減効果があるだけでなく、回収したCO2を様々な用途で活用することができます。CO2の活用方法には、化学品や燃料、鉱物などがあります。

カーボンリサイクルのコンセプト

出典:資源エネルギー庁『CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装』(2021/4/30)

出典:資源エネルギー庁『未来ではCO2が役に立つ?!「カーボンリサイクル」でCO2を資源に』(2019/9/20)

限られた土地で効率的にCO2を回収できる

DACはCCSと異なり、大気中の低濃度のCO2を吸収します。そのため設置場所が自由で、限られた土地があればDACを導入することができます。また、再生可能エネルギーや太陽熱、未利用排熱などを利用することで省エネルギーでCO2を回収することができます。

出典:経済産業省『空気からのCO2分離回収(DAC)技術 (DAC:Direct Air Capture)』(2022/1/21)(p.5)

DACの課題

実用化が目指されているDACですが、普及を促進する上で解消すべき課題もあります。ここではDACが抱える課題についてご紹介します。

生産性の向上・コスト削減

DACを含むカーボンリサイクル関係の技術の課題とされているのが、生産性の向上とコスト削減です。カーボンリサイクル関係の技術の多くは、水素を必要とします。日本では水素の価格が高いことから、水素のコストを下げる必要があります。

出典:資源エネルギー庁『CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装』(2021/4/30)

技術面における課題

DACは大気中に存在する低濃度のCO2を回収するため、これまでにない新しい分離膜や化学吸収材などの開発を行う必要があります。現在は実用化に向けた段階にあり、2030年にパイロット試験、2050年に社会実装が目指されています。

出典:経済産業省『CCUS/カーボンリサイクル関係の技術動向』(2021年7月)(p.23.24)

まとめ:DACへの理解を深め、環境問題の解決に向けた取り組みを検討しよう!

脱炭素を実現させるためのイノベーションとして期待されているDACに関して法人の皆さまが知っておくべき基本的な知識についてご紹介しました。今後日本において、DACの実用化が目指されています。DACへの理解を深め、環境問題を解決するための取り組みを始めましょう。

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