クラウン・パッケージ、アスエネESG評価にてゴールドアワードを受賞
- 2024年10月09日
- ESG
2024年度のアスエネESG評価において、株式会社クラウン・パッケージがゴールドアワードを受賞しました。創業60年以上の歴史をもつ、老舗段ボール製造業である同社の企画人事部 広報課 島津氏、早乙女氏、奥野氏、八木原氏に、事業の特徴やESG経営に取り組む意義、今後の展望についてお話を伺いました。
アスエネESGとは 「アスエネESG」とは、企業のESG経営に関する取り組み及び企業のサプライチェーン全体のESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する取り組みを可視化できるESG評価プラットフォームです。ESG経営における課題やリスクの特定を支援するサービスです。 アスエネESGアワードとは 企業のESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)経営の取り組みを可視化し、ESG経営における課題やリスクの特定を支援する「アスエネESG」のサービスをご利用いただいたお客さまのなかで、取り組み内容が高く評価された企業を年に一度表彰するものです。上位1%以上の企業にプラチナアワード、5%以上の企業にゴールドアワード、上位25%以上の企業にシルバーアワード、上位50%以上の企業にブロンズアワードが与えられます。 |
目次
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超極薄段ボール「マイクロフルート」でエコなパッケージを製造
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マテリアリティを特定したESGの取り組みが受賞につながった
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社員の意識改革に注力し、「AAA」評価を狙う
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まとめ
1. 森林資源の節約・超極薄段ボールのエコなパッケージ「マイクロフルート」を製造
株式会社クラウン・パッケージは、段ボールを素材としたパッケージや容器、ディスプレイやPOPなどを製造、販売している会社です。特に、マイクロフルートと呼ばれる、超極薄の段ボール素材を使用した製品を得意としています。当社の製品は、大手食品メーカー、外食チェーン、小売店など多くのお客さまから高い評価をいただいています。
マイクロフルートは、薄く、軽く、かさばらない素材のため、輸送時のコストやCO2の排出量を削減することができます。さらに、強度があり、幅広い分野に使用できるため、プラスチックの代替素材としても注目されています。形状と素材の工夫次第で、森林資源の節約やCO2排出量の削減につながる画期的な素材であるマイクロフルートは、環境負荷低減が期待できるエコなマテリアルなのです。
当社は、豊富な実績をもとに、お客さまの商品や用途に合わせたオリジナルなパッケージを提供してきました。当社の段ボール素材は、食品・化粧品容器や通販箱など幅広い分野で活用されています。例えば、代表的な当社製品の1つにから揚げの持ち帰り箱が挙げられます。この製品には、食品の水蒸気を逃がしつつ油を適度に吸収させ、かつ外には染み出さないような機能紙を開発し、カラッとした状態をキープできるような工夫を凝らしています。また、温かいものだけでなく、生菓子や果物などの冷たい食品や冷凍食品にも対応できるため、食品の特徴に合わせた、「温かさ・冷たさ・おいしさ」を長くキープすることのできる製品を幅広く提供しています。
最近は、「ペリッとラミ®」を開発しました。紙トレイに貼られたフィルムをはがすことで、紙トレイ部分をリサイクルに回すことができます。従来であれば汚れてしまった紙トレイはすべてを廃棄しなければならないところ、フィルムの廃棄だけで済むため、廃棄物量削減につながる製品です。
その他にも、素材が薄くても段ボールの三層構造で強度があることから、小型の宅配便やプチギフトの通販箱として採用していただく機会も増えています。厚紙に比べて、ねじれやちぎれに強いため、内容物を守る緩衝材としての役割も果たしてくれる汎用性の高い素材です。
2.マテリアリティの特定、ESGの各目標設定が受賞につながった
当社は、東京オリンピック開催前に日本全体でSDGsの機運が高まってきたことをきっかけに、ESGの取り組みを本格化させました。その後、 2021年、創業60周年のタイミングで「CSRビジョン2030」を掲げ、ESGにおけるマテリアリティ(重要課題)の特定、各目標設定を行い、より具体的な取り組みを加速させています。例えば、環境(Environment)の分野では、「2030年までにCO2総排出量を2018年度比で30%削減する」という目標を設定しました。
同時期より、取引先からCSR調査票の回答を求められる機会が増加しました。これまでは大手上場企業からの要請が中心でしたが、最近では準大手・中堅企業からの依頼も増加しており、ESGの取り組みに対応できなければ、今後生き残っていけないと強く危機感を感じています。環境においては、CO2排出量の開示への対応をはじめ、その削減まで求められてきていることから、CO2見える化・削減・報告クラウドサービスの「アスエネ」を導入し、製造現場でのエネルギー使用量の削減などに取り組んでいます。社会(Social)においては、ダイバーシティ雇用30%を目標に会社制度と従業員の意識改革の両輪で進めており、ガバナンス(Governance)においてもコンプライアンス体制やリスクマネジメントなどの強化を早急に進めています。
今回、「 2024年度アスエネESG ゴールドアワード」を受賞することができました。今まで力を入れて取り組んできたことが、第三者から見て評価され、とても嬉しく思います。これまで約3年間にわたってマテリアリティの特定、行動規範の策定、プロジェクトの発足、CSRレポートの発行まで取り組みを進めてきました。
しかし社内では、ESGの浸透はまだ始まったばかりで、改善しなければならないことがたくさんあると認識しています。社内外へのPRを強化するため、ホームページをリニューアルし、ESGに関する情報発信をより増やしていく予定です。
3. 社員の意識改革に注力し、ESG評価で「AAA」評価を狙う
当社は、製造業として、特に環境についての取り組みは外せないと考えています。現状は、「アスエネ」でスコープ1-3のCO2排出量の算定を順調に進めることができています。次のフェーズとしては、生産量を上げながら、いかにCO2排出量を削減することができるかが課題になります。製造業の会社としては、成長拡大を目指せば、自ずと環境負荷が拡大してしまいます。CO2排出量の削減に向けた設備投資や再生可能エネルギーの活用を含めて、売上とのバランスを見ながら進めていきたいです。
また、お客さまから製品あたりのCO2排出量を聞かれる機会が増えており、製造業としてもCFPの算定・開示に向けた取り組みを始めています。CSR推進室としてお客さまのご要望に効率的、かつ効果的に対応していくため、「アスエネ」の情報を活用しながら進めていきたいです。
今回のアスエネESGの評価結果では、ESGに関する社内教育・浸透が改善点に挙げられていました。現在は、各部署でESG教育を行っているため、研修の頻度やメンバーの階層・職種などを考慮したうえで、全社の足並みを揃え、より体系的に取り組むためのオペレーションを整えたいです。
ESG経営は、社会的に意義があるだけではなく、取り組むことによるメリットも大きいと考えています。例えば、環境に良いことをしているという意識が、社員一人ひとりの働き甲斐や自信にもつながると信じています。昨今の情勢の中で、環境に配慮した企業経営の姿勢は、社外に向けてのアピールポイントとして、営業の場面でもプラスに働きます。また、ダイバーシティを進めることは、職場の働きやすさにつながります。そのため、ESGの取り組みは面倒なことではなく、「みんながハッピーになる鍵」を握っていることを全社員に認識してもらい、より積極的に取り組んでもらいたいです。
今回、「アスエネESG ゴールドアワード」を受賞することができましたが、今後継続的に賞をいただくためには、社員の意識改革が必須になると思います。アスエネESGの結果で挙げられた改善点をもとにレベルアップし、アスエネESGの評価で「AAA」を狙いたいです。今回の受賞を糧に、慢心せず、これからも全社一丸となって、ESGに取り組んでいきます。
■受賞企業について
株式会社クラウン・パッケージ
■アスエネESGについて