地球温暖化に関わる仕事2026年版|職種の広がりと入り方を解説

アスエネキャリア編集部
地球温暖化に関わる仕事2026年版|職種の広がりと入り方を解説

地球温暖化に関わる仕事と聞くと、研究者や環境団体の活動を想像する方が多いかもしれません。実際には、企業のなかで排出量を計算する人、削減の設備を設計する人、投資家に説明する人など、担い手はかなり広がっています。

この記事を読むことで、地球温暖化に関わる仕事を職種のかたまりごとに整理し、あなたの経験がどこに接続するのかを理解できるでしょう。国の政策がどの時間軸で動いているのかも押さえられるため、この分野の仕事が続く理由も見えてきます。

また、それぞれの職種への入り方と、これから学び直しておきたい力についても具体的に触れています。研究の道を選ばなくても関われる部分がどこにあるのかを確かめてください。

この記事を通じて、地球温暖化に関わる仕事を特別な人の職業ではなく、多くの職種の延長として捉えてください。

地球温暖化に関わる仕事が広がっている政策の背景

削減目標が「2040年度73%」まで示された

2025年2月18日、地球温暖化対策計画が閣議決定されました。日本は同日、2035年度と2040年度において温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す新たなNDC(国が決定する貢献)を、気候変動に関する国際連合枠組条約事務局に提出しています。10年以上先までの目標が置かれたことで、企業の側にも継続的な担い手が必要になりました。目標が長期で置かれたことは、担い手を必要とする期間の長さを示します。

(出典:環境省「地球温暖化対策計画(令和7年2月18日閣議決定)」2025年2月)

政策が「束」で動き投資と採用を促した

同じ日には、第7次エネルギー基本計画とGX2040ビジョンも閣議決定されています。経済産業省は、これらを一体としてエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に取り組むと説明しています。政策が束になって動くと、企業の投資も人材の採用も動きやすくなります。政策が束で動く時期は、未経験からの参入余地も広がります。

(出典:経済産業省「第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました」2025年2月)

産業としての規模は「130兆円」に達した

環境省の推計では、国内の環境産業の市場規模は130兆3,312億円、雇用規模は約292.2万人とされています。全産業に占める市場規模の割合は2000年の6.6%から2023年には11.3%まで高まりました。地球温暖化に関わる仕事は、産業の一角として実体を持っていると言えます。産業としての厚みは、就業先の選択肢の広さにも表れます。

産業としての規模は、就業先の選択肢の広さに表れます。専門を変えずに関わる道も残されています。

(出典:環境省「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表について」2025年6月)

地球温暖化に関わる仕事を5つのかたまりから選ぶ

数字を扱う「算定・開示」の仕事か

自社の排出量を集計し、報告や開示につなげる仕事です。経理や情報システムに近い作業が多く、理系の専攻でなくても担えます。アスエネが提供するようなクラウドサービスで集計を回す体制も広がり、数字の根拠を残す姿勢が問われる職種になっています。数字の根拠を残す姿勢が、この職種でもっとも問われます。

現場で減らす「技術・供給」の仕事か

設備の更新、熱の回収、運転条件の見直しで実際に排出を減らす仕事と、再生可能エネルギーの開発や運営に関わる仕事です。工場やビルの設備の経験、用地や許認可の交渉経験が活きます。削減の実現可能性を判断できる立場は欠かせません。削減の実現可能性を判断できる立場は、外部から補いにくいものです。

外から支える「支援・制度」の仕事か

企業の算定や計画づくりを外部から支援する仕事と、自治体や公的機関で制度の運用や調査を担う仕事です。前者は複数の業界を横断して知識の幅が広がり、後者は制度の側から広い範囲に影響を与えられます。関わり方の性質は大きく異なります。支援側と行政側では、成果の測り方も評価の軸も変わります。

地球温暖化に関わる仕事へ移った事例と後悔につながった事例

「経理の集計経験」が算定の設計に転用できた

30代前半で、部品メーカーの経理から同社のサステナビリティ推進へ異動したケースが見られます。勘定科目ごとの集計と検算の経験が、活動量を積み上げる算定の設計にそのまま転用できたと言われています。環境の専門知識がなくても入口があった例だと考えられます。集計と検算の経験は、算定の設計にそのまま転用できます。

「研究に近い仕事」を期待して差を感じた

20代後半で、大学院で気候の分野を学んだのち事業会社の環境部門へ入ったものの、実務の大半が拠点との調整とデータの督促で、想定していた分析の比重が小さかったというケースもあります。同じ分野でも、企業と研究機関では担う工程が違います。職種の実務内容を事前に確かめておく必要があると言えるでしょう。企業と研究機関では、担う工程が大きく異なります。

事例のわかれ目は「工程の理解」にある

ふたつの例が示しているのは、学んだ内容ではなく、担う工程を理解していたかという点です。集計なのか、分析なのか、調整なのか。ここを把握できたかが分かれ目になっていると考えられます。集計か分析か調整か、担う工程を先に確かめてください。

担う工程を理解しておくと、入社後の想定が現実と近づきます。集計、分析、調整のどれを望むのかを言葉にしてください。

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地球温暖化に関わる仕事に入るための実践的な準備

制度が仕事をつくる経路を押さえる

経済産業省の排出量取引制度は2026年度から本格稼働し、CO2(二酸化炭素)の直接排出量が前年度までの3年度平均で10万トン以上の事業者が対象とされています。制度対象者には割り当てられた排出枠を毎年度保有する義務が課されます。届出や報告の実務が生じれば、担当する人が必要になります。制度の期限を知ると、募集が動く時期も読めるようになります。

(出典:経済産業省「排出量取引制度」)

いまの職務から接点をつくる

転職を前提にしなくても接点はつくれます。自社のエネルギー使用量の集計、取引先からの排出量に関する依頼への対応、報告資料の作成といった業務です。社内で実務経験を得てから移るほうが、選べる求人の幅は広がります。社内で得た実務は、外部の選考でそのまま材料になります。

資格で入口を広げる

全体像を短期間で押さえるならeco検定があります。東京商工会議所によれば、2006年の開始以来66万人が受験し、39万人を超える合格者が生まれています。設備側に進むならエネルギー管理士、工場の管理なら公害防止管理者という選択もあります。資格は入口を広げますが、目的から選んでください。

(出典:東京商工会議所「eco検定(環境社会検定試験)」2024年12月現在/一般財団法人省エネルギーセンター「エネルギー管理士の制度」)

地球温暖化に関わる仕事で長く働くために学び直すこと

制度の更新を追う習慣をつくる

この分野では、制度が変われば前提が変わります。省庁の公表資料を定期的に確認する習慣があるかどうかが、業務の精度を左右します。要約された記事だけに頼らず、原典に触れる時間を確保してください。原典に触れる時間を、月に一度でも確保してください。

数字を扱う基礎を固める

排出量の議論は数字で進みます。活動量、係数、期間の整合といった基礎的な確認を丁寧に行える人が信頼されます。派手さのない作業ですが、この分野でもっとも評価されやすい能力のひとつです。基礎的な確認を丁寧に行える人が、長く信頼されます。

成果の見え方を理解して記録を残す

削減の成果は年単位で表れます。短い期間で結果を求めると疲れやすくなります。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で職業ごとの労働条件を確かめつつ、記録を残して変化を後から示せる形にしておいてください。記録があれば、成果を後から語れるようになります。

記録を残す習慣は、成果が見えにくい分野で自分を守る手段になります。月単位でも残しておいてください。

(出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」)

大きな課題を分担して前に進める

地球温暖化という課題は、ひとつの職種で解決できる規模ではありません。だからこそ、算定する人、減らす人、供給する人、支援する人、制度を運用する人と、担い手が分かれています。

あなたの経験がどの分担に近いのかを見定めれば、この課題への関わり方は具体的な職種の形になります。国が2035年度と2040年度の時間軸を示したいま、その分担に加わる人は長く必要とされるでしょう。

まずは5つのかたまりのうち、自分の経験にもっとも近いものを選んでください。そこから制度資料をひとつ読み、必要な資格を確認していけば、地球温暖化に関わる仕事は現実的な選択肢として見えてきます。

アスエネキャリアは、気候変動の課題に関わろうとするあなたのキャリアに伴走し続けます。

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